テスト勉強か 家族の団らんか！？ 第858号

◆リード：中学生になって半年以上たったアキコ。親とよりも友達と映画に行く。親とよりも友達と○小フェスティバル（自分の母校）のバザーに行く。家族イベントよりも部活動に忙しいアキコというように、ずいぶん親（家族？）離れが進んできた。
　勉強好きでもあるアキコは、期末テストに向けた勉強にも忙しい。夕食時の団らんも余りしない状態で、すぐに勉強しようとする。そんなアキコに、私は危機感をもっていた。

2011.11.23　テスト勉強か　家族の団らんか！？　第858号

＊近況：11月13日（日）の寝る前のことである。

アキコ「アキコが大きくなったら、お母さんを京都に連れて行くね。」

妻「ありがとう。お母さん、うれしいわ。」

私「お父さんも、連れて行ってくれるかな。」

アキコ「うん。」

　この日は、何かと京都の紅葉のことが話題になっていた。アキコが3歳の時、京都に連れて行ったことや、京都旅行は費用がかかってちょっと難しいこと等々。
　そして、この寝る前のアキコの発言となった。
　こんなふうに思ってくれるアキコ。成長したアキコがいて、とってもうれしい。

【夕食の団らんもそこそこに部屋に入って勉強するアキコ】

11月14日（月）の夕ご飯時のこと。

私「アキコ、今日どうしてた？」

アキコ「学校から帰ってきてご飯を食べた。」

私「それ、聞かなくても全部お父さん知ってることだよ。」

　特に新たな返答もなく、さっと夕食を食べて部屋へ行くアキコ。しばしして、悪いと思ったのか、リビングに戻ってきて、エレクトーンの練習を始めるアキコ。ほんの5分ほど練習して、また部屋へ行ったアキコであった。

　私は、（うーん、期末テストの勉強とはいえ、夕食時の団らんぐらいできないようでは、ダメだな～。）と強く思ったのであった。

【果物を食べながらの団らんの時間すら惜しむアキコ】

　この日も、夕食後しばしたってから、果物を食べながらの団らんの時間である。

妻「お父さん、リンゴを切ったわよ。」

私「よし、リンゴか。」

　書斎からリビングへ移動する私。
　テーブルの上の皿には、皮をむいたリンゴが8切れに分けて盛られていた。
　クニコ（小３）も、さっとテーブルに着いた。

私（アキコがまだ来てないな。また、部屋で勉強しているな。）「アキコ、ほらリンゴを切ったそうだよ。」

妻「（無理に一緒に食べなくて）いいって言ったのよ。（勉強の）切りのいいところで、来るって言ってたわ。」

私（また勉強か。）「それじゃあ、みんなでリンゴを食べる価値が半減するだろう！」（これは妻に言った言葉。）

　私は家族との団らんする時間も惜しんで勉強しているアキコに、危機感をもっていた。確かに勉強も大事だけれど、家族との団らんはとても価値があることであり、わずか10分程度の家族とのふれあい、会話ができないようではいけない！第一それぐらいのゆとりがもてないようではいけない。こう思っていた。
　妻は少し違っていて、期末テストに向けてがんばりたいというアキコの気持ちを尊重し、「必ずしも一緒に食べなくても、切りのいいところでいいよ。」というスタンスである。

　さて、ここで読者に質問。あなたはどちらのスタンス（考え方）を支持しますか。それはなぜですか。

私「アキコ、リンゴ切ったから、早く食べに来なさい。みんなで食べた方がおいしいんだよ。」

　しぶしぶ勉強を中断してリビングに来るアキコ。

私「アキコ、学校で何があったとか、聞きたいんだよ。知りたいんだよ。5分や10分ぐらいとれないのかな。勉強で忙しいのだろうけど、それぐらいのゆとりがほしいよね。」

　アキコは、黙って聞いてはいた。しかし、ネタがないのか、特に話をすることもなく、一緒にリンゴを食べた後、また勉強部屋へと消えていった。

　こうした家族との団らんの時間をも惜しんで勉強しようとするアキコに、私は、自分の高一時代を重ね合わせ、危機感をもっていた。

【少林寺拳法の習い事に送りながらの会話】

　翌日15日(火）、アキコは夜7時15分頃から9時までは、少林寺拳法を習いに行く（毎週火・金）。送りは私の仕事である。練習場まで車で10分足らず。アキコと車中で会話する時間でもある。

私「アキコ、もっと余裕をもたなきゃだめだな。お父さんも、仕事で忙しいけど、家族との時間を大切に思っているから、家族との時間をちゃんととっているんだよ。アキコも、テスト勉強で忙しいのだろうけど、家族との団らんの時間は、大切にした方がいいぞ。」

アキコ（車の後ろの座席で黙って聞いている。）

私「お父さんの愛読書の一つに『ソース』という本があるけど、仕事も、勉強も、家族も、趣味も、友達も、どれも大切にしてバランスよくやっていくことが大切だ、その方が人生うまくいくって書いてある。お父さんも、このバランスが大切だと思うよ。」

アキコ（車の後ろの座席で黙って聞いている。）

私「お父さんは、中学時代は勉強も、部活も、遊びもどれにも熱中してバランスよくやってたんだ。(よく遊び・よく学べのことわざどおり）だから、ストレス無くかえって勉強がはかどった。ところが、高校1年生の時に勉強一本でがんばろうとしてしまったんだ。そしたら、人間関係で浮いてしまったりストレスがたまったりして、かえってうまくいかず大変だったんだよ。だから、バランスが大切。勉強一本ではダメだぞ。」

アキコ（車の後ろの座席で黙って聞いている。）

　そんな話（説教？）をしているうちに、少林寺拳法の練習会場である体育館に着いた。

アキコ「（送ってくれて）ありがとう。」

　いつものように、アキコと玄関で別れた。

【23日結婚記念日にもらった手紙】

　翌16日（水）夕食時、アキコは、少しだけよくなった。これまで、夕食を食べたら、会話もそこそこに部屋に戻って勉強だったのが、今日は最近学校を休んでいる友達のことで会話ができた。アキコの中で、家族と話したい（話さなければならない？）という気持ちと勉強をすぐしたいという気持ちが葛藤している様子がみてとれた。

　さて、ようやく21日(月）、22日（火）の期末テストが終わり、23日結婚記念日（世の中は勤労感謝の日）である。アキコには珍しく家族の都合で野球部は欠席してもらった。
　
　この日は、北方文化博物館の紅葉を見、レストランで好きな昼食を食べ、温泉に入った。
　アキコには、テスト勉強での疲れを癒す、ちょうどよい機会となった。
　レストランで、アキコは、妻と私に手紙をくれた。

■妻への手紙

「お母さんへ
　いつも食事後、アキコの部屋に来て勉強を教えてくれてありがとう！
　お母さんの説明は誰よりも分かりやすかったです。
　これからもお願いします。
　　　　　　　　　　　　　　　アキコより」

■私への手紙

「お父さんへ
　いつも家族のコミュニケーションをがんばってとろうとしてくれてありがとう！
　アキコはこれからも、勉強、スポーツがんばります！
　応援お願いします。
　　　　　　　　　　　　　　　アキコより」

妻「ありがとう！」

私「ありがとう！」

　私（アキコには私の思いが伝わっていたんだ！）こう思うと、私はとてもうれしくなった。この手紙は、結婚記念日の何よりのプレゼントとなった。

　そして、私は、アキコはもう大丈夫だと強く思った。

これからも、部活が忙しくとも、

勉強が忙しくとも、

あるいは思春期で自立していこうとも、

家族とのふれあい・会話・そして絆は、アキコは大丈夫だと。

　家族とのふれあい・会話やお手伝いよりも、テスト勉強いわゆる学習を優先している家族は案外多いのかもしれない。「お手伝いなんかいいから、宿題をしなさい。」というように。
　しかし、私（わが家）は、違っている。勉強は自分のこと、お手伝いは家族全体のこと。だから、宿題をするからお手伝いができないという理由は許さないできた。

　テスト勉強いわゆる勉強も、もちろん大切に考えている。しかし、家族とのふれあい・会話も同じように大切だと考えている。勉強の犠牲にすべきことではないと考えているのだ。
　家族のふれあい・会話も楽しむ。勉強もきちんとやる。ゆとりとバランスが大切だ。そして、その方が、結果として勉強もはかどるというのが、私の考えである。

　アキコが中学生になろうが、期末試験が迫っていようが、変わることのないわが家の基本的なスタンス。「期末テストなら仕方がない」と私が受け入れていれば、アキコはそのままそのように進んだだろうが、今回危機感をもって私が対応したことで、アキコは軌道修正した。どうやらこのスタンスでずっといけそうなわが家である。

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◆キーワード：１　勉強と親子の会話　　　２　家族の会話　　３　結婚記念日

◆留意点・その他

・アキコは、期末テストの点数や順位にとてもこだわっていた（る）。それしか見えずに、家族とのふれあいや会話などの大切なものを見失っているとも、私には見えていた。

・「かしこく、強く、あたたかく」がわが家の子育て方針だが、アキコの期末テスト、努力が実って前回同様平均点は90点以上である。（家族とのふれあい・会話・お手伝い、野球部活動、書道やエレクトーン、少林寺拳法などをしていても（しているから）、別に学習もきちんとできる。）

コメント 2

アキ子ちゃんの手紙に、感動しました。
勉強と部活とコミュニケーション。。。
本当に、バランスがとれていないといけませんね。
私も、自分の時はどうだったか？？
ふと、考えてしまいました。
家族の事を、一番おろそかにしてしまったかな。。。
今更ながら、反省しています。
by qooo (2011-12-05 12:20) 

＞qoooさんへ
人生、バランスと優先順位が大切だと思います。

「アキコは、期末テストの点数や順位にとてもこだわっていた（る）。それしか見えずに、家族とのふれあいや会話などの大切なものを見失っているとも、私には見えていた」と書きましたが、大人も仕事ばかりで家族とのふれあいや会話など大切なものを見失っているように思います。家族は融通が利きやすく、ついつい後回しにしがちなんですよね。

　本当に大切なものを実際上も大切にしていく。私は、このように生きていきたいと考え、実行しています。


by ファーザー (2011-12-10 09:31)