「父の日」の父の対応、「母の日」の母の対応 第825号

◆リード：「母の日」、「父の日」は、子ども達が日頃の感謝の気持ちを込めて、それぞれにお父さんや、お母さんのために何かする日である。アキコ（中１）、クニコ(小３）もそれぞれに何かしたのであるが、それへの対応が父と母とで違っていた。どちらの対応がいいのか？！

2011.6.19　「父の日」の父の対応、「母の日」の母の対応　第825号

ーハードルをあげた父（私）の対応と、そのまま許容した母（妻）の対応ー

【父の日のプレゼントⅠ】

　6月19日（日）朝のこと

アキコ「お父さん、＜父の日＞おめでとう！　はい、これプレゼント。」

　フェルトで作った手作りケーキである。

私「うーん、時間がかかっただろう。ありがとう。（間）これだけ？　何かメッセージはないのか？！」

アキコ「うーん、これから作る。」

クニコ「お父さん、＜父の日＞おめでとう！　クニコは、お父さんのために（今晩）料理を作る。」

私「そうか、楽しみだな。」

【父の日のプレゼントⅡ】

■アキコのプレゼント

　同じ日の夕方のこと

アキコ「はい、お父さん、メッセージカード！」

私「うん。（受け取って読む）あはははは……。」

アキコ（その笑顔を見てうれしそう。）

私「これ、最高！（間）あのな、アキコ。このメッセージカードは最高だけど、こっちのプレゼントはいまいちだぞ。お父さん、ケーキは大好きだけど、フェルトのケーキじゃ食べられないじゃないか。もっと贈られた相手が喜ぶものをいろいろ考えて贈るんだよ。」

アキコ（「最高」とほめられたあとだから、笑顔で聞いている。）

　少ししてクニコがお母さんといっしょに帰ってくる。

■クニコのプレゼント

クニコ「お父さん、おめでとう。はい、これ。（メッセージカードと封筒を渡す）」

私「ありがとう。（メッセージを読む。そして封筒を開けると、鉛筆と消しゴムが入っている。）あれ、手作りの料理じゃなかったのか。」

クニコ「うーん、時間がなくなっちゃった。」
妻「あーちゃん（実母）に＜梅採りに行こう＞と言われて、今まで一緒に採っていて、○ちゃんの家に（採った梅を）配りに行ったりしていたから、時間がなくなったのよ。」

私「そうか。楽しみにしていたのに。それじゃあ、仕方ないか。」

　その後、私は昨年同様、クニコに肩もみ券も要求し、しぶしぶ（？）承諾させた。あの肩もみは心地よくどうしてももう一度やってもらいたかったので。

【母の日のプレゼント】

　父の日の約1ヶ月前、母の日には、アキコも、クニコも手紙によるメッセージはなかった。おそらく文字が書けるようになってから、初めてのことではなかっただろうか。

　以前は、「母の日だから、メッセージを書こうね。」と、私が働きかけていたのだが、近年は全く放っておいても、自分たちで考えて書いていたのだ。

　ところが、今回は、アキコが中学校に入り、部活で忙しく

アキコ「お母さん、今回お手紙なしでいい。」

妻「いいわよ。」

という会話が、書斎にいた私には聞こえていた。

　妻は、部活等で忙しくしているアキコにこれ以上負担をかけたくないという、愛情からそう答えていたのである。

　そして、クニコに肩もみを気持ちよさそうにしてもらっていた。肩もみが、母の日のプレゼントだという。

　
【ハードルをあげた父の対応と、そのまま許容した母の対応】

　妻の対応を見ていて、そのとき私は、

「そんなに簡単にハードルを下げては、子どもが鍛えられない。1年に1回の母の日なのだから、＜お手紙もほしいわ＞とか言って手紙も書かせればいいのに。」

と思った。
　父と母で公平を期すためか、私のときも、最初はお手紙なしできた。私は、ハードルをあげて＜メッセージカードを要求＞した。それは、「メッセージカードがほしい」というよりも、「1年に1回ぐらいは父（母）に感謝の手紙を書ける子に育ってほしい」という願いからである。つまり、ハードルをあげたのは、私なりの愛情表現なのである。

　妻の対応を見たとき、はじめ私は簡単にハードルを下げる対応ではダメだと考えていた。どんなに忙しくても、1年に1回ぐらい感謝の手紙を書けるぐらいでなくてはダメだと。

　しかし、妻の対応も悪くないと、今では考えている。＜部活等で忙しくしているアキコにこれ以上負担をかけたくないという、愛情＞が伝わったと思うから。それは、アキコ、クニコに伝わったと思うから。

　今後も私は私らしく、タカちゃんはタカちゃんらしく、愛情を伝えていけばよい。

　ただ来年は、私の方で予めよく話しておき、アキコ、クニコにきちんと母の日のメッセージを書かせるつもりである。確かに部活も忙しいかもしれないが、映画を見たりテレビを見たりけっこう遊んでいるし、何より1年に1回ぐらいはどんなに忙しくいても感謝の手紙を書けないようではダメだと、私は考えるから。

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