お金も、時間も惜しんで精力的に学んだ母 第784号ーアキコへのキャリア教育 その4- [K7 実父母]
◆リード:780号『祖母の人生から学ぶ』、781号『母の生き方に学ぶ』、第783号『学費以外はすべて自分でかせいだ母』で紹介したように、私の実母(アキコの祖母)は、中学1年にして、将来編み物の先生になることに決めていた。そして、そのために、東京にいる日本一の編み物の先生のもとで学ぶことも決めていた。高校時代、母は、友人やその父母から頼まれて服を編んであげ、お礼のお金で学費以外は一銭も親からお金をもらっていなかった。そんな母が、親を説得して、かねてからの希望通り、東京の「日本編み物学園」へ入学した。今回は、そこでの学生生活編である。
2010.1.29 『お金も、時間も惜しんで精力的に学んだ母』 第784号
ーアキコへのキャリア教育 その4-
※ 以下、メモによる再生。途中に、音声記録をそのままアップ。
【ハイレベルな学校】
母によれば、そこでの学生生活は次のようであった。
・ダイアモンド毛糸(毛糸のメーカー)が建てた寮での生活で、食事も出た。
8(10)畳に5人の生活で、持ち物は、こおり(茶箱のような入れ物)が一人一つのみ許されていた。
・「日本編み物学園(その後、サエキ・カワイ編み物服飾学園)」は、ハイレベルの学校で、生徒の三分の一は、既に生徒を教えている人で占められていた。つまり、基本的な編み物どころか、応用的な編み物も既にできることが前提で、カリキュラムが組まれていた。だから、落ちこぼれもたくさんいたし、授業についていくのは大変だったという。
・しかも、半年で卒業である。
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【多彩なメンバー】
同室のメンバー5人は、全国から生徒が来ていたので、多彩であった。
①和歌山県出身の未亡人……自分の口からは言わなかったが、地元で編み物学園を経営していたらしい。部屋のリーダー格。
②高卒の人……映画ばかり見て、遊びまくる。とても授業にはついていけない。でも、花嫁修業だから卒業証書があれば、それでもかまわないという。
③石川県出身の人…国会議員または県会議員の娘。
④富山県出身の中川さん…小さい子どもを置いて、東京へ出てきた。将来それで身を立てようと思っていた。将来の生活がかかっているから必死。でも、編み物のスキルが伴わず、なかなか授業についていけない。
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【貧しい中で必死に学んでいた中川さんを教える】
・既に基本的な編み物ができることが大前提で授業が組まれており、授業についていけない人が続出していた。
・同室の中川さんも、授業についていけず、危ない。大抵の人は、自分がついていくので手一杯。友達を助けている余裕がない。
しかし、母は、既に編み物のスキルを十分に身につけていたので、助けてあげた。つまり、編み物の難しい部分を個別に教えてあげた。その代わり、簡単な部分だけど量が多く、時間の長くかかる部分は、中川さんがやっておいてくれた。
・中川さんは、貧しい中で、編み物で身を立てようと必死だった。
・月1回中川さんの元に届く「富山新聞」の中に、授業料が折りたたまれて入っていた。それが一番安くお金を送る方法だったのだ。(※ このエピソードは、アキコと私を感動させた。)
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【お金はほとんど全部学びのために使った母】
・1週間に授業は3日間。その間に、課題の編み物作品を仕上げる。母とリーダー格の和歌山の婦人は、空いている日に、別の学校の先生の授業も受けていた。それは、ルール違反だったが、部屋の5人の結束は固く、誰も密告したりする人はいなかった。
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・9時に部屋の電気が元から消され、真っ暗になる。それまで必死に勉強していた。
・銭湯に行って、髪の毛を洗う場合は、5円増しで、髪の毛を洗う札をもらって髪を洗う。ある時、どうしても5円のパンが食べたくて、髪の毛を洗うお金を節約して、食べようと思った。そして、札無しで髪を洗おうとしたら、お金持ちのおばさんが、三助(髪や体を洗ってくれる人)を呼んだので、(札無しで洗っているのがばれてしまう)、洗えなかった。こんなエピソードも、話してくれた。
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・ファッションショーもたくさん見た。
当時、ミス・ユニバース・コンテストで3位になって、八頭身美人と言われた伊東絹子がモデルとして活躍していた。モデルは、ファッションショーの会場ごとに移動していた。それなら、私たちもできるはずと、お金を出し合ってタクシーで会場を移動し、1日に3つのファッションショーをはしごしてたくさん見た。
当時は編み物の全盛期で、編み物のファッションショーがたくさん開催されていた。
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【学ぶ意欲に溢れていた母】
私も、アキコも、お金も、時間も惜しんで、精力的に学ぶ母の生き方に感動した。
この母の学生生活についての話は、アキコには、またとないキャリア教育となった。いわば、将来の職業を選択した後の、それを実現するための修行編である。
夢を実現するために、大学に行ったなら、遊びほうけているな!
お金も、時間も惜しんで、夢の実現のために、がんばれ!
という、祖母からのアキコへのメッセージである。
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◆キーワード:1 キャリア教育 2 将来の夢 3 実母との会話
◆留意点・その他:
・毎週土曜日、実母と私とアキコ(小6)とのティータイムをしている。1月15日(土)から連続で、アキコへのキャリア教育として、実母から自分の人生「職業編」について、話してもらっている。今回の話は、その3週目29日(土)、「東京での学生生活」についての話である。今回は、クニコ(小2)も聞いていた。
・私は、仕事などいい加減にできない性格だが、それは母からの血かもしれないと思った。
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