思春期のささいな反抗と妻の対応 第754号 [J3 叱る・不満を伝える]
◆リード:水曜日はテレビの日。アキコは、録画済みのテレビを楽しく見ていた。そこへ、職場でのイライラを抱えて私が帰宅し、テレビを消して! と言う。アキコは、テレビを消した後、怒った様子で部屋に帰っていったが……。
2010.10.15 思春期のささいな反抗と妻の対応 第754号
ー「テレビの日」が破られた日ー
【テレビを消されて立腹したアキコ】
水曜日の夜7時過ぎ、私は職場でのイライラを抱えて帰宅した。
着替えてリビングに行くと、夕食を終えたアキコは、楽しそうにテレビを見ていた。
隣には、食べるのが遅いクニコがまだ食事をとっていた。妻も、それに合わせるように、まだ食事をとっていた。
私も、食事をし始めると同時に、妻と話し始めた。妻に愚痴を聞いてもらい、職場でのイライラを解消するために。
しかし、テレビの音がうるさい。イライラしていた私は、
私「アキコ、テレビを消しなさい。お父さんは、静かに食べたいんだ。」
アキコは、ぶすっと怒ったようにテレビを消して、自分の部屋に行った。
そのとき、私は、少しアキコの怒った様子が少し気にかかった。
それでも、私は職場のイライラの方がはるかに大きく、妻と食事をしながら、30分ほど愚痴をこぼしていた。
【その後の私の対応】
夜、寝る前、私は日記を付けながら、1日をふり返っている。
そのとき、「テレビを消すように言われて、アキコがぶすっと怒った様子で自分の部屋に行った姿」を思い出した。
「そうだった。水曜日は、テレビの日(夜好きなテレビを見ていい日)で、アキコはとても楽しみにしていたんだ。これは、謝らなきゃいけないな。」
※ わが家の場合、夜好きなテレビを見れるのは、水・土・日ぐらいなのである。火・金は少林寺拳法のためだめだし、木は、ソロバンでダメ。月は、本を読んだり、家族で遊んだりしているからダメ。実は、日曜日も日中に見ている分、夜はほとんど見ない…という具合である。
翌朝、6時少し前。起きて目の体操をしていたアキコに、
私「昨日は、「テレビの日」だったね。テレビを消すように言ってゴメン。お父さん、(テレビの日だということを)忘れていた。」
アキコは、黙っている。
私「アキコも『お父さん、今日はテレビの日だよ』とか言えばよかったじゃないか。そしたら、お父さんも気づいたのに。」
アキコは、黙って聞いていた。
【妻との会話の中で】
金曜日の夜は、アキコとクニコは、下であーちゃんといっしょに食べるので、妻と二人で夕食をとりながら、会話するようにしている。
妻「実は、アキコ、水曜日の夜テレビを消されてから、ずっと怒って口を利かなかったんだよ。朝のおはようも、行ってきますのなくて……。こちらが言っても、(あいさつ)を返してこなかったんだよ。」
私「あっそうだったんだ。そこまで怒ってたのか。ボクも、テレビの日だったことにあとで気づいて、翌朝謝っておいたんだけどね。」
(昨日は、勤務後、夕方家庭訪問をして、その後、研修会に参加して、帰宅は夜9時だったので、アキコとほとんど顔を合わせていない。それに、既に謝っていたし、アキコの出勤時の見送りはいつものようにあったので、アキコの怒りに気づかなかった。)
妻「さすがに、『行っていきますぐらい言って行きなさい!』と叱ったんだけどね……。」
私「ふ~ん。」
妻「それで、作戦を変えて、今日は、私もアキコにあいさつをしなかったの。『朝ご飯よ。』も言わないで、先に食べていたの。そして、クニコとずっと楽しそうにおしゃべりしていたわ。そしたら、今日は『行ってきます』って言って出ていったわ。」(クスクス少し笑いながら言う。)
私「なるほど。」
思春期に入っているアキコは、以前に比べて、親との会話が少なくなり、今回のように、親の納得のいかない言動に対しての反発は強くなっている。
私のスタンスと言えば、
「反抗期であろうとなかろうと、叱るべきことはきっちりと叱るし、筋の通らないことは決して許さない。」
である。たとえば、自分がやってほしいこと(例えば、嵐のCDをコピーしてほしい。)ばかり「早くやって!」と頼んでおきながら、自分が頼まれていること(例えば、ご飯炊き)をやらないでいるなど、許さない。こちらが真剣に聞いているのに、わざとあるいはなかなか返事がないというのも許さない。
もちろん、今回のように、親の方も悪いと思えば率直に子供に謝る。
今回の妻の対応は、女性ならではの変化球であろうか。
さすがに、金曜日の夜には、普通に戻り、妻に髪の毛を乾かしてもらっていたアキコであった。
【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」
反発しがちな思春期のわが子への対応ーわが子の行事作文を指導する!ー
よかったらnice! ブログを書く意欲はあなたのnice!に支えられています。
◆キーワード:1 子供の反発・反抗 2 思春期 3 親の対応
◆留意点・その他
・少林寺拳法グループ総裁の宗 由貴氏が『一歩、踏み出せない人のために』の「反抗期と自立のとき」の中で、次のように書いている。
「……そんな中で、ごくふつうの若者と同じように独立心も芽生え、いわゆる反抗期も経験しました。「反抗期」なんて誰が決めたんだ! というのが、父の口ぐせでした。自立心が芽生えてくる時期ではあるが、だからと言って何でもそれで許されると思ったら大間違いということです……」(同書79ページより引用)
初めてこの一節を読んだとき、私と同じスタンスの父親だと思った。私は、反抗期であろうとなかろうと、ダメなことはダメだし、よいことはよいと認めるという立場だ。ただし、子供の話をよく聞くようにしなければとは自戒している。
奥様の対応が、臨機応変で素晴らしいですね〜。
是非、参考にしたいと思いました。
女の子は、繊細ですし、なかなか単純じゃないですものね。
アキコちゃんの成長は、目を見張るようで、
自分の中学生時代を思いだしました。
私は、ほんと、ぶす〜っとしていて、
父は、感じ悪いと思っていただろうな。
今更ながら、申し訳ない気持ちで一杯です。。。
by qooo (2010-10-16 21:12)
>qoooさんへ
コメントありがとうございます。
妻は私とは違った感性をもっていて、私自身はっとさせられることがあります。
今回の対応は、アキコが母親を好きで、何かと助けてもらっているということと、これまでの信頼関係の存在が前提になっています。あと、クニコの存在も大きいですね。
きちっとした信頼関係があれば、おそらくはどのような対応をしても、元の鞘に収まっていたとは、思います。ただ、お互いのために、できるだけ早く関係改善を図りたいですね。
by ファーザー (2010-10-23 17:56)