誕生日のプレゼントに知恵をしぼる! [K2 親孝行]
◆リード:元気で生きているうちに親孝行したい。実母の誕生日のプレゼントに知恵をしぼってみた。その結果はいかに……。
2006.10.28 検索HP『家族の広場』へ
母の誕生日のプレゼントに知恵をしぼる!
Just9月号のBig Talkは落語家真打三遊亭楽春氏による講演録だった。
学ぶことの多い講演であったが、お世話になった師匠たちへ中元・歳暮のプレゼントに知恵をしぼった話が印象に残った。
楽春氏曰く
「私の時代、ひとりに対する金額は千円と決まっておりました。ですから自分たちで知恵をしぼり、師匠たちに喜んでいただけるように心を尽くさなくてはいけません。」
氏の経験では、師匠の息子さんが気に入るミニカーを贈ったところ、これが大当たりでその息子さんが大喜びだったという。その姿を見た師匠ももちろん大喜び。この心遣いを気に入ったその師匠から、頻繁に声がかかり、稽古をつけてもらったり、自分の出番が増えたりしたそうである。
「将を射んとせばまず馬を射よ」という発想で、うまく師匠の心をとらえた楽春氏に感心した。
さて、もうすぐ実母の誕生日。何をして祝ってあげようか、何をプレゼントしようかと思ったときに、思い出したのが、先のこの講演だった。
よし、実母のプレゼントに知恵をしぼってみよう!
こう決心して始めたプレゼント選び。これが難しい。
「母には、いつまでも若く元気で長生きしてほしい。」という私にとって、贈りたい健康食品は山ほどある。
しかし、「人には自然の治癒力が備わっている。そんな健康食品なんていらない。普通にしていればいい。」という母には、健康食品のたぐいを贈っても喜ばれないどころか、使われず、逆に説教されることになってしまうのだ。
母に本当に喜ばれて、長生きさせるものは何だろう……。
そんな思いで折に触れては考え続けていると、9/10付けのY新聞の広告に、
「走快!7945km 車で行く日本の旅 DVD/ビデオ全12巻+必見ガイドブック3冊」
が目に飛び込んできた。
これがいい!
母は旅行好き。母の年齢で自家用車を運転できる人は少ない。母の友達に重宝がられている。自家用車で、友達とあちこちに出かけている。その多くは、隣接県である。(その際のインターネットでの宿予約が、私の仕事である。)
旅好きの母に、このDVDを贈れば、近隣の県以外にも旅足が伸びる可能性がある。うまくいけば、「日本中を回りたい」という生き甲斐目標ができるかもしれない。
「あそこを旅するまでは死ねない」ということで、元気に長生きする可能性が高まる!
しかも、日本の各地を旅して、ステキな思い出がたくさんできれば、すばらしい!
取らぬ狸の皮算用かもしれないが、本気でこう思って、先のDVD全12巻+ガイドブックセット(39800円)を買ったのだった。
そして、手紙を添えて、誕生日に贈ったのだった。
お母さんへ
誕生日おめでとうございます。
お母さんの子に生まれて、本当によかったと思っています。
いつまでも若々しく健康でいてください。
息子より
さて、実際の反応であるが、「こんなのいらないて、無駄遣いをして。」ということが多々ある母なのだが、今回に限っては
実母「手紙、読んだれ。ありがとう。」
実母「DVD高いんだろ。こんな高いのいらないんだよ。(プレゼントをよく見る)う~ん、おもしろそうだ。 四国・九州……こんな遠くなんて行けないて。お前が連れて行かなきゃ。 でも、見ているだけでも(行った気分になって)いいかもね。 ありがとう。」
やった! 気に入ってもらえたようだ。
実は、このプレゼント実際に購入するまで1ヶ月も逡巡していた。何せ値段が高い!
それに、孫たちが祝えば(実母の誕生日を迎える前に、いつものように娘たちにはお祝いのメッセージやプレゼント(手作りの物)を贈るようにアドバイスしていた。)、かえって喜び、正直言ってお金もかからずいいのではないかと……。こう思っていたのである。
しかし、自分の親の誕生日を祝うのは、まず息子である私であろうと思い直した。それに、一時実母がガンではないかと疑われてから実母の死を、急に身近に感じるようになった。
いつかは必ずやってくる実母の死。実母が生きているうちにではなく、元気なうちに親孝行と思って、高価なDVD贈る決断をしたのだった。わが子任せでなく、私自身が。
価値あるお金の使い方をしたと思っている。
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◆留意点・その他:
・実は、実際にDVDを見た実母からは、「旅先の映像よりも、旅行途中の車の映像が多くてダメだの。」という評価を聞いた。実母を本当に喜ばせるのは、本当に難しい。
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