お父さんの誕生日 160号

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2006.3.4お父さんの誕生日160号

　３月３日誕生日の朝、ちょうど６時を回った時。
　バタンとトイレのドアを開閉する音がしたと思ったら、アキコが寝間着のまま書斎に入ってきた。そして、

「お父さん、誕生日おめでとう！」

と言って、寝室に戻っていった。

　う～ん、心地よい１日のスタートだ！

　
　そして、６時４０分頃。台所に妻、アキコ、クニコが集まった。アキコと私は、食卓にこれから着くところなのだが、クニコはいつものようにストーブの前に座布団を敷き、横になっている。指をくちゅくちゅしながら。

　クニコからの「お父さん、誕生日おめでとう！」がないので、

私「クニコ、お父さんに何か言うことない？」
妻「これから言おうと思っていたところなんだよ。自分からそんなこと言わない方がいいよ。」

　「それなら」ということで、しばらく待っていたが、クニコは一向に何も言わない。

　妻がクニコを抱っこして、

「ほら、お父さんに○○て言うんだったでしょ。」

と言っても、クニコは黙ったまま。
　妻がお手本を示して

「お父さん、誕生日おめでとう。」

と言っても、クニコは黙ったままだった。
　私は、「しょうがないな～。」と思いつつ、出勤した。

　仕事も無事終わり、職場から自宅へ車を運転しつつ、「う～ん、アキコがクニコぐらいの時は、すっと言えたのになあ。『お父さん、誕生日おめでとう。』も言えないなんて、困ったなあ。」「帰宅後は、言えるようになっているかなあ。」と思いめぐらしていた。

　さて、帰宅後。クニコがばたばたと一番に玄関に出迎えに来たかと思うと、私に飛びついてきて（これはいつものこと）

クニコ「お父さん、誕生日おめでとう。」

と言った。

　私は、とてもうれしかった。祝福されたからなのはもちろんだが、クニコのあったかい心の成長がうれしかったのである。

　ほどなく食事。我が家では、食事中は原則テレビはつけない。みんなで会話をしながら団らんをするためである。

　実母も含めて全員食卓についたところで、何とクニコが

「お父さんに誕生日おめでとうって、あーちゃん（実母）も言おうよ。」

と言ったのである。

　それを受けて、「みんなで一斉に言おう。」ということになり、みんなから笑顔で、

家族一同「誕生日おめでとう！」

と祝福を受けた。とてもうれしかった。

　近年の誕生日は、自分から１万円くらいのものを「○○をお願い」ということが多かったように思う。今回も、そうしていた。だから、それで終わりかなと思っていた。
　そしたら、その代金を実母が払い、妻は別途に服を買ってくれていた。

妻「はい、これプレゼント。」
私「えっ！」

　包みを開くと、とっても素敵な服が入っていた。色もデザインも一発で気に入った。

私「ありがとう！　これとっても気に入った。色もいい。」
妻「クニコが色をえらんだんだよ。」
私「そう、とっても素敵な色だな。」

　出勤後クニコにどう教育したのかなと思って、後で妻に聞いてみた。私が出勤後すぐに、妻は「どうして誕生日おめでとうって言わなかったのか」クニコに聞いたという。そしたら、クニコは、「お父さんが帰ってきたら言う（言いたい）。」と答えたのだそうだ。つまり、はじめからそのつもりだったのである。う～ん、クニコの頑固者というか、融通が利かないというか……。

　いつもと違って手紙による祝福のメッセージはなかったが、十分満たされた誕生日だった。

　どれが一番うれしかったか。クニコの一言がきっかけで、家族一同が「誕生日おめでとう！」と笑顔で祝福してくれたことである。そこに家族の絆とクニコの成長を見れたから。
　次にうれしかったことは、思いがけない、妻の服のプレゼントである。
　
　してみると、お金のかからない、心のこもった祝福の言葉。そして親にとっては我が子の成長。これこそが何よりの力があり、最良のプレゼントであるようだ。

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コメント 8

ファーザーさん、お誕生日おめでとうございます！
ご家族からの、そしてお嬢さまからのあたたかい 「おめでとう」 が、とても
すてきでした。私もいずれ大きくなる娘と息子に、こうしてお祝いをしてもらえる
ように、なんとか母親にならなければ・・・と思います。
ちなみに、私は小さい頃、「おめでとう」はプレゼントとセットで言わなくちゃ！
朝一番に手ぶらでは言えない・・・と思っていました（涙）。少し違うかも～とは
思いますが、クニコちゃんのこだわりと似たものを感じてしまいました（笑）。
by (2006-03-04 10:03) 

お誕生日おめでとうございます☆
遅くなりました～。何せ、開かない。週末は込んでますね。
おまけに最近うちの息子が夜そばにいないと、すぐママを探すんです。
自分の更新もままなりません。
・・・・と本題！クニコちゃんの気持ち、可愛いですね。
子どもなりの論理というか理由というか。
上手く言葉でいえない分いとおしさを感じます。
奥様のプレゼントも光ってますね。
うちなんて、なし、なし。（笑）
ファーザーさんにとって、健康で良い１年となりますように！！
by miyu (2006-03-05 13:36) 

三月三日がお誕生日なんですね、絶対忘れませんね〜！
おめでとうございます〜
我が家も長女は朗らかで素直、なので親戚からも絶大の人気を誇っています（笑）で、次女は愛嬌があって甘え上手だけどちょっと頑固。目立った自己主張をするわけではないので姉の影で目立たない存在です。
そんなわけでいつもファーザーさんのブログを拝見していると、ちょっと我が家と似てるな〜って微笑むことが多いのですが今回の一件もしかり。
クニコちゃんもこだわりの強いタイプなんですね。
でも将来的にこのこだわりがとっても強い味方になってくれそうです！
うちの子もそうであってほしいな〜！
by みずたま (2006-03-07 09:35) 

＞とどようこさんへ
祝福ありがとうございます。
「娘と息子に、お祝いをしてもらえる」よい方法を一つお教えします。それは、父親（夫）の誕生日を娘と息子にお祝いするようにしつけることですね。父親を祝って、母親を祝わないわけはありません。逆に父親もそのように娘と息子を動かすはずです。もちろん、娘と息子の誕生日もお祝いする必要はあります。与えるものが受け取るものということでしょうか。
by 泉河潤一 (2006-03-07 21:21) 

＞miyuさんへ
祝福ありがとうございます。
妻のプレゼントですが、もらってわりとすぐ「これ、３割引か半額セールだろ。」と聞いたのです。妻は「それ、答えなきゃいけない？」と聞くので、「どっちでもいいよ。」と、私は答えました。翌朝、妻は、「実は５０％引きだったの。」といい、「お店の人にプレゼント用の包装するのかどうか聞かれて困った。」ともいいました。私はと言えば、「やっぱり。」という感じです。妻には、「かえって、その分お金が家庭に残ってうれしいよ。」と答えていました。内心は賢く、節約の妻でよかったと思っています。同じ物なら、安い方がいいですから。
by 泉河潤一 (2006-03-07 21:29) 

＞ちゅんくるさんへ
祝福ありがとうございます。
そうですね、姉妹はかなり性格が違いますね。だからこそおもしろいですね。
よくけんかもしますが、基本的には仲がいいです。さっきまでけんかしていたと思っていたら、「お姉ちゃん、さっきはごめんね。」とやっています。
　お姉ちゃんのよい刺激を受けて、クニコはとっても得だと思っています。もちろん、お姉ちゃんも。
「たった二人しかいない姉妹なんだから、仲良くしてほしい。」と思っています。
by 泉河潤一 (2006-03-07 21:48) 

同じテーマでブログを書いていたなんて偶然ですね！
子供にとって家族のお誕生日ほど、家族を意識する日はないようですね！
本当に心からそして、一生懸命誕生日をお祝いしてくれたお子さん達と、お母さん、そして奥様、家族って本当にあったかいですよね！
by bintan (2007-09-23 23:33) 

>bintanさんへ
本当に、家族の誕生日を祝うということは、家族への所属感を高めるうえでとても重要なことだとお思います。

我が子の誕生日を祝うだけでなく、お互いの誕生日を祝い合いたいですね。

我が子にとっても、してもらってうれしかったことは、相手にもしてかえすということを実践する良い機会でもあります。
by 泉河潤一 (2007-09-24 11:30)