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「ダメはダメ!」 は、しつけの要 [J3 叱る・不満を伝える]

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2005.11.23 「ダメはダメ!」は、しつけの要121

 昨夜(11月22日)9時頃のことである。親子四人で入浴し、私が1番、長女アキコが2番目に上がった。
 そして、アキコは寝間着を着て、あーちゃん(実母)にヘヤードライヤーで髪を乾かしてもらっていた。

 そこへクニコが風呂から上がってきた。下着を着たところで、あーちゃんに気持ちよさそうにドライヤーをかけてもらっているのに気づいたクニコ。普段からねえちゃんと同じ子とをやってもらいたがるのだが……。

クニコ「クニコにやって!(ドライヤーかけて)」
あーちゃん「風邪ひくと悪いからね。まず、クニコは寝間着を着てからね。」と言いながら、アキコにドライヤーをかけてあげている。
クニコ「(いいから)やって!」
あーちゃん「今日は、おねえちゃんが早く上がってきたから、まずおねえちゃん。今度は順番に(風呂から)先に上げるようにお母さんに頼んでおこうかね~。」
クニコ「(今すぐ)やって!」と言って、わーと泣き出す。

 そこで、一部始終を見ていた私が
私「あーちゃん、泣いたからといって、(クニコの)言うこと聞かないでね。」
 「クニコ、寝間着に着替えてからって言われたでしょ。まず、着替えなさい!」
クニコ:かまわずますます大泣き!
私「泣いてもダメはダメ!」
 「あーちゃん、やんないでね。」

クニコ:お決まりのカーテンのところへ行き大泣き!
あーちゃん「わかってるて。」と言い、かまわずアキコの髪をドライヤーで乾かしている。
 ほどなく終わって、ドライヤーを、私が取り上げる。

 しばらくして、自分の髪を洗い終えた妻が、寝間着に着替えて登場。泣いているクニコを見る。

クニコ:わーんと、ここぞとばかりに再び大泣きし、お母さんのところへ。
 妻は「どうしたの?」という目で私を見る。
私「風邪をひくと悪いから、まず寝間着を着なさいって言ってるのにダメなんだ。クニコの言うこと聞かないで……。」
妻「わかった。」
 「ほら、風邪ひくよ。先に寝間着着るの。」

クニコ:頼みのあ~ちゃんも、妻もダメ。結局、お母さんといっしょに(といってもほとんど自分で)寝間着に着替えた。

 着替えた後、お母さんといっしょにトイレに行った。そして、戻ってきて、
妻「さっ、お父さんに謝って。」
クニコ「お父さん、ごめんなさい。」
私「お父さん、まず着替えないとクニコが風邪ひくと悪いから、先に寝間着を着なさいと言ったんだよ。」
妻「そうなんだよ。風邪ひくと、クニコがつらくなるでしょう。それで注意したんだよ。クニコがかわいいからなんだよ。」

クニコ:神妙に聞いていたが、その後お母さんに抱かれてニコっとした。そして、私がほっぺにキスしてあげた。そして、またニコっとして、お母さんに抱かれたまま2階へ向かった。

 前々回のブログ記事「我が子の思いを受け止める 」 と対照的な対応かもしれないが、同じ泣くでも今回のは違う。ダメはダメである。

 泣くことで我を通す。親を操る。それは許さないつもりだ。


 さて、今回の対応は、前々回の親業訓練プログラムを創ったゴードン氏によるものとは違う。
 応用行動分析の基本的な枠組みであるABC分析の枠組みを使ったものだ。

A:おもちゃコーナーを通ったところ、我が子が母(父)である私の手を引いておもっちゃを買って欲しいと言った。

B:母は、「ダメだよ。」とおもちゃを買って欲しいという要求を拒絶したところ、我が子は大泣きした。

C:それを見た母は、「仕方がないね。」と言っておもちゃを買ってあげた。つまり、子どもはおもちゃを手にした。

                                【ABC分析】
A先行条件(Antecendent Stimulus)→B行動(Behaviaor)→C結果事象(Consequence)
 おもちゃ                   泣く           買ってもらう

 Aは「弁別(先行)刺激」、Bは「強化刺激」とも言われる。

 子どもの問題行動を減らすためには、先行条件を操作すること(予防的な手だて、行動が起こりにくい工夫)と結果事象を操作すること(起こった直後の対応の工夫、最終的に問題行動を起こすことが得にならない対応)が基本となる。
 
 泣くという行動に対して買ってもらえた子どもは、今後おもちゃコーナーに来るどうなるか容易に想像がつく。泣けば買ってもらえることを学習したのであるから、学習したとおりに行動するに違いない。

 そればかりではない。般化といって、おもちゃに限らず、欲しいものがあったら泣いて要求(ワガママ)を通そうとするようになるのである。そして、子どもが大きくなるにつれて、大泣きが暴力になっていく可能性すらある。

 このことが頭にあったから、私は絶対にゆずらなかった。ことは、髪を先に乾かすかパジャマを先に着るかの問題ではないのである。

 以前育児書で、1、2歳の我が子にテレビの主導権をとられている母親の話を読んだことがある。1、2歳の乳幼児に親の言うことを聞かせることができないでどうする!しっかりしろ! と人ごとながら言いたくなった。

 対策は簡単で、子どもが大泣き(B)しても決して言うことを聞かない(Cで最終的に問題行動を起こすことが得にならない対応)。これでよい。


 「『生きる力』と『ガマン』を育てる5つのしつけ」(田中喜美子NMS研究会、主婦の友社)の第6章「テレビ、ビデオでの子守は危険ー1日1時間以内、番組は内容を考えてお母さんが選びましょう」の項で、次のような例を紹介している。


 もうすぐ2歳になるTくんもビデオが大好きです。朝起きると「見たーい」とテレビの前にすわり込み、自分で引き出しをあけてビデオテープをとり出します。お母さんは「ビデオを見ながら食事なんてとんでもない!」と思いながらも、Tくんが泣きわめき、スプーンをほうり投げ、食事どころではなくなってしまうことを考えると、ついビデオをつけてしまいます。……(中略 私)……そんなお母さんに、子どもの泣きに負けず、テレビやビデオを見せないようにアドバイスをするとどうなるでしょう。Tくんのお母さんに実際に挑戦してもらいました。 最初、Tくんは大好きなキャラクターの名前を聞くだけで、ビデオテープをとり出して30分以上も泣き叫びつづけました。ビデオを見たがって食事をひっくり返したときもあります。そんなときは、お母さんはさっと食事を片づけて、
「ビデオを見ながらの食事はいけません」と厳しく言い聞かせました。Tくんがどんなに泣いてもお母さんは言いなりになりませんでした。そんなことを3回ほど繰り返すと、Tくんの「ビデオ見たーい」はウソのようになくなりました。いまではビデオテープを見ても、Tくんがだだをこねることはありません。(前掲書より引用)


 子どもは柔軟だ。既に身に付いてしまった不適切な行動も、同じようにして改善することができる。

 親の知恵と決意しだいである。

【関連記事】あったかい家族日記「6.30夫婦共通のビジョンで子供を叱る」

「野菜嫌いをなおす」他、サイドバーのカテゴリー「しつけ」からお読みください。

家族専科http://www016.upp.so-net.ne.jp/kazoku/

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ひなこ

うちでもよくこのような光景を目にします。
仕方なく長女に我慢してもらっているのですが、それではいけないのですね。
泣きわめくので、ついつい…。
明日…いや今日から実践してみたいと思います。
とても勉強になりました。
また来ますね!!
by ひなこ (2005-11-24 00:18) 

はじめましてYUKIMixと申します。
しつけって以外とシンプルなんじゃないかな、と考えます。
常識で考えて、いかんものはいかん!
買うときは買う!それだけだと思います。
(常識のズレはそれぞれあるとして)
確かにスーパーでだだをこねられると、周囲も気になって・・
何回か我慢させたら、だだをこねることはなくなりますよね~
でも、本人の思いも酌んでやらないといけない時もあるし、
子育てって奥が深い。。
by (2005-11-24 13:00) 

うちの子もかなり我がままに育ってしまって…先が思いやられます。
テレビやビデオは時間を決めて(家事している間)見せて、後はは一緒に遊んでます。
気に入らない事があったら泣き喚いてますね~。
でも泣かせっぱなしにしてます。特にスーパーでお菓子や玩具をせがまれたときです。
買ってあげるときは買うので、最近はだだをこねなくなりました。
周りの目を気にしてしまって、ついつい子供の言う事を聞くママさんもおられると思いますね~。
私に言っても無駄と分かっているので、パパやじいじ・ばあばにねだってます(笑) 三歳でこの有様ですよ~。
by (2005-11-24 16:36) 

泉河潤一

> ひなこさんへ
参考になって何よりです。
兄弟関係は悩み、考えますよね。
我が家も、あったかい家族日記「6.25姉妹の仲をよくするための家族会議開催 」「6.29姉妹の仲をよくするための家族会議その後  」に書いたように(カテゴリー「家族会議」から入ってください)、考えています。

> YUKIMixさんへ
子育ては奥が深いと、私も思います。そして、子育てを通して親として人間として成長していけるのだと思います。
 ABC分析のCの部分の操作のみ、今回紹介しました。Aの先行刺激を変えることで行動Bを変える方法も、もちろんあります。
 たとえば、はじめから買わない・あるいは1つだけ買うなどの約束をしてから出かける。この場合、約束したことは頑として守らせる必要があります。
 逆におもちゃを買うということを一つの褒美としてあらかじめ位置づけておき、そのために好ましい行動を持続したり、あるいは好ましくない行動を減らしたりする強化刺激Cとしてリンクさせておくこともできます。
 いずれにしても、問題行動を予測して対策を立てておき、場当たり的でなく意図的に行動したいですね。

> ぽんぽこひよこさんへ
これだけ豊かな日本ですから、よほど親が自覚してかからないと、ワガママというか自立しない子に育ってしまうと思います。私自身危機感を持っています。
 その辺りのことは、あったかい家族日記「弱い日本の子どもを脱する!」「親が変われば子どもも変わる」(カテゴリー「しつけ」から入ってください)などをお読みください。
 テレビやビデオは、我が家では原則として食事中は厳禁です。そこでは、家族の団らんの時間として、1日のグッド&ニューを紹介し合っています。ちなみに、我が家は平均してテレビやビデオ・DVDの視聴時間は1時間未満だと思います。
 テレビやビデオのことについては、そのうちまとめてかこうと思っています。
by 泉河潤一 (2005-11-26 14:15) 

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