実母の80歳誕生日を祝う 第1036号 [E2 誕生日・記念日を祝う]
◆リード:この10月。実母は、80歳の誕生日を迎えた。「家族全員の誕生日を祝う」ことは、わが家の伝統である。わが子に「祝ってもらう喜びばかりではなく、祝う喜びを味わわせたい」という、親の願いを体現した伝統でもある。始めた当初こそ、「もう70歳になろうというのに、祝う年齢じゃないよ。」と言っていた実母であったが、もう10年以上も楽しみにしている。
2015年10月21日(水)
実母の80歳誕生日を祝う 第1036号
近況:
○10月31日(土)は、近くに住む義理の兄と実母の誕生日祝いをかねて、回転寿司に行った。お寿司大好きの家族なので、みんな楽しみにしていた。
○10月26日(月)は、勤務校の文化祭の振替休日であった。たまたまクニコの通う中学校を含め、市の音楽発表会だったので、発表会を聞きに行った。クニコの姿は遠くでやっと見えるくらいだったけれど、見に行けてよかった。
○新体操の練習にがんばるクニコ(中1)である。発表会場が遠かったり、都合が付かなかったりでなかなか発表会を参観できないことが多いのだが、新体操発表会のビデオは、欠かさず見ている。この間も、夕食を食べながらみんなで鑑賞した。
【実母への誕生日プレゼント「アルバム」】
10月21日は、実母の誕生日であった。
わが家の伝統は、家族みんなの誕生日を祝うというものである。
今回は1ヶ月前から誕生日プレゼントを作っていた。なぜかというと、今回の誕生日プレゼントは、義母(8月が誕生日であった)と同じく、アルバムを贈ることにしたからだ。
写真とアルバムは、私が用意した。あと、アキコとクニコに写真をはってもらい、かつ文言を書いてもらうという計画である。忙しいアキコ、クニコを動かすとなれば、1ヶ月程度の余裕は必要である。9月の定例家族会議で、このアルバム作成を依頼し、当然アキコ、クニコはOKした。そして、1ヶ月後の実母の誕生日に向けて、アルバムの作成をがんばった。
【実母に手紙】
私はと言えば、実母宛に感謝の手紙を書いた。
感謝の内容とあわせて、「ボケを遠ざけるココナッツオイル」を食べてほしいという内容である。もの忘れが気になり、この夏に認知症の専門医に詳しく診てもらったところ、手前だという診断だったからである。幸い車の運転に支障をきたすほどではなかったので運転を止められることはなかったのだが、私としては具体的な対策を新たに加えたいと思うのは当然である。
・あ:歩く
・は:話す
・は:働く(家事)
・あ:遊ぶ
専門医によれば、この4つ「あははあ」で笑う生活をすれば、進行を遅れさせたりよくなったりするそうである。
この4つに加えて、私が実母に取り入れてほしいことが「ボケを遠ざけるココナッツオイル」を食べるという食習慣である。
なかなか口酸っぱく言っても、「自然体でいい」と言って食べたり食べなかったりの実母。その実母になんとか食べる習慣を確立してほしいと思いで書いたものである。
■実母あての手紙
誕生日おめでとう!
いつのまにか80歳だね。
今まで育ててくれてありがとう。
おいしい料理を作ってくれてありがとう。
孫のアキコ、クニコは、毎週金曜日のお母さんの料理を楽しみにしています。
今も働いてくれて、ありがとう。毎月の3万円は助かっています。
年の割に若々しいお母さんだけど、いつまで元気で若々しくいてほしいです。
そのために、一つだけお願いがあります。
1日大さじ2杯(から3杯半)の「ボケを遠ざけるココナッツオイル」を食べてほしいです!テレビでもボケが治ったり、予防したりできる効果が実証されていると放映されていました。
「自然体」というと聞こえはいいけれど、実は何も対策をとらないことです。
ボクは、父親から考えて「自然体」で何も対策をとらなかったら、とうにハゲていたと思います。毎朝、毎晩ハゲ止めの「□□」をすり込みながらマッサージしているので、未だにハゲずに髪の毛が残っているのです。
お母さんも、せめて自然の食品である、ココナッツオイルを食べるぐらいは、対策してください。少し忘れっぽくなっているので心配です。そして、息子や孫のことがわかり、車の運転もでき(ボケると道がわからなくなって運転できなくなります)、それこそ「自然体」で楽しく会話しながら過ごしてほしいです。
別に朝のコーヒーに少し入れたり、食パンにぬったり、ラーメンなどの料理にまぜたり、夕ご飯のみそ汁に入れたりすればいいのです。直接飲んでもいいそうです。(ヘアートリートメントをしてもらっているおばあさんは、80代ですが、そうしているそうです。)
予防が一番です。ボケになってからでは飲むことも忘れてしまいます。
これくらいは、きちんと対策してください。
息子からのお願いです。
よろしくお願いします。
息子より
当日朝4時から1時間余り書いた手紙(実際は手書きで書き直して渡した)なのだが、身近な友人が認知症で医者から車の運転を止められるということが起きたこともあって(最近もの忘れがひどいと訴えている友人を、母が車で専門医まで連れて行った)、ようやく朝のコーヒーに入れたり、夕食のみそ汁に入れたりするようになった。
具体的な対策を打つこと、その対策に応じて、ボケが加速したり、ゆっくりと進行したり、逆に改善したりするわけである。少しでも実母の健康寿命を長くしたい私としては、必死であった。
【当日夜】
当日は、妻がショートケーキを買ってきた。
新体操の練習で9時過ぎに帰宅するクニコを待って誕生日祝いを始めた。
まずは、記念撮影。これでいつもの定番である。
次に、「ハピィバースディツーユー~♪」を歌う。
そして、ショートケーキを味わう。選ぶ順は、誕生日の人が一番先である。
それから、誕生日プレゼントのアルバムを渡した。
アルバムを見ながら、本当にうれしそうな母。
「ありがとう。あー、とっても素敵な写真。あーこれも。これも…」
しばらくアルバムに見入っていた実母であった。
【与える喜びを教える】
そうした本当にうれしそうな祖母の姿を見て、うれしそうにしていたのがアルバムを作ったアキコ(高2)とクニコ(中1)であった。
うれしそうな母の姿を見て(喜んで見せているのではなく本当に喜んでいた)、私ももちろんうれしかった。それに、アキコ・クニコが祖母の喜ぶ姿を見てうれしそうにしていたことが、私はうれしかった!
これこそ、誕生日を祝うことの教育的価値である。
いつかこの経験をベースにして、アキコ、クニコはきっと新しい自分の家族でも同じように家族全員の誕生日を祝うようにすることだろう。このわが家の伝統は、引き継がれていくに違いない。
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◆留意点・その他
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