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危機的な状況で子どもの味方になる 第931号ー子どもの信頼を得る方法 その8ー [O5 マスコミ・出版・セミナー]

◆リード:子どもの信頼関係を得ることは、あらゆる教育活動のベースになる。信頼関係があって初めて子どもは指導を受け入れるからである。では、その信頼関係を得るにはどうしたらよいのか。(その8)

2012.10.12 危機的な状況で子どもの味方になる 第931号

ー子どもの信頼を得る方法 その8ー

近況:
 私の子育て本の出版企画は、D社で検討が続いている。私は、見切り発車で原稿を書いている。ゴーサインが出てからばたばたして書くよりも、じっくりとよいものを書きたいからだ。
 私は、読者を相手に紙面で授業をするイメージで書いている。本という媒体を使った授業である。一節ごとに、ねらいを決め、そのためにどのようなエピソードを提示し、どのように書き進めていくか、読者の反応を予想しながら自問自答しつつ書いている。まるで研究授業の学習指導案を書いているようでもある。
 基本的には、読者のある現状がなぜ問題かを投げかけ、その問題性を掘り下げ(弊害を明らかにする)
、その原因を解き明かす。そして、問題を解決することのメリットを明示し、合わせて解決の方法(なぜ提案する解決法が有効な解決法となりうるかも含む)を提案するという流れである。私は誠実にかつ楽しみながら書いている。
 本ブログ読者には、特別に一節の一部のみ紹介する。読んだ後、コメントなどいただけるとありがたい

◆要点:子どもの信頼関係を得ることは、あらゆる教育活動のベースになります。信頼関係があって初めて子どもは指導を受け入れるからです。では、その信頼関係を得るにはどうしたらよいのでしょうか。その8つの方法を述べます。(本ブログで紹介するのは、そのうちの8つめだけです。)

【信頼関係があって初めて子どもは言うことを聞く】

 「(A先生と)同じことを言っているのに、なぜ私の言うことは聞かないの!」

 こう言って、子どもを叱っている教職員を見たことがあります。この人は、言っていることが正しいなら、誰が言っても同じように言うことを聞く(べきだ)と考えているようです。

 「何を言っているかではなく、誰が言っているかが大事。」

 これは、中学校の教職員の間では常識です。子どもは、意識的にであれ、無意識的であれ、このように考えて行動しているのです。(われわれ大人だって、大なり小なりそうではないですか。)
 そこで、問題は、<子どもを「あなたの言うことなら聞く」という状態にもっていくにはどうしたらよいか>ということです。
 その結論を言えば、<子どもの信頼を得る>という一点に尽きます。子どもが親を信頼しているならば、多少無理難題を言っても、子どもは言うとおりに動きます。逆に、子どもが親や教師を嫌っていたり軽んじていたりする状況であれば、いくら正しいことを言っていても、子どもは言うことを聞きません。
 

【子どもの信頼を得るには?】
 では、子どもの信頼を得るためにはどうしたらよいのでしょうか。
 粗く言って、8つの方法があります。
*本ブログでは、その8「危機的な状況で味方になる」についてのみ紹介します。

◆子どもの信頼を得る方法 その8「危機的な状況で味方になる」

【親の愛を深く自覚できる内観】
 子どもが親のことを、「私のことを本当に考えていてくれる。私の気持ちをわかってくれる。私を大切にしてくれる。」と思っているならば、間違いなく親子の信頼関係は太く強い状態です。
 このように、親の愛を深く自覚できる方法の一つに、内観があります。

■「内観」を知っていますか
 内観とは、自分の人生をふり返り、①お世話になったこと ②お返ししたこと ③迷惑をかけたこと の三つの視点から、これまでの自分と他者との関係を調べていくものです。 通常、他者の中で一番お世話になった母親との関係について、まず調べていきます。
 たとえば、次のようになります。

■小学校時代の母親への内観例
(1)お世話になったこと
・毎日帰宅すると、洋裁の仕事などをして働いていた。
・毎日おいしいご飯を作ってくれたり、掃除や洗濯をしてくれた。
・毎週水曜日の夜、体操教室に連れて行ってくれた。
・誕生日会で、希望の物をプレゼントしてくれたり、特別においしい料理を作ってくれたりした。
・貧しい中で、みんなと同じ新しい習字道具を買ってくれた。
・いろいろな料理の作り方や、裁縫の仕方などを教えてくれた。
・風邪を引いたときに看病したくれた。

(2)お返ししたこと
・玄関はきをした。
・豆腐を買いに行くなどのおつかいを時々した。

(3)迷惑をかけたこと
・母が学習の遅れを心配して学習塾に連れて行ってくれたのに、ろくに行かないで、結局やめてしまった。
・10万円もした英語教材なのに、初めに少し使っただけで十分活用しなかった。

 こんな感じで、中学校時代、高校時代、就職後から現在まで他者ー母親ーとの関係を調べていきます。この内観をすすめていくと、今まで当然と思っていた母親からお世話になったことに感謝の念が湧いてきて、心からありがたいと思うようになるのです。その結果、母親との関係はもちろん、周囲の対人関係も劇的に改善されて、人生全般が好転していく例がたくさんあるのです。
 全国に一週間集中して内観を行う内観研修所があるのですが、実は私も<瞑想の森 内観研修所>でこの集中内観を受けたことがあります。
 内観前は母親に対して「きっとずいぶんお世話になってきただろうな。」と思って始めたのですが、内観後は「こんなにもお世話になってきたとは!」とあ然とするくらいでした。そして母親への感謝の思いに満たされ、母の愛を深く自覚することができました。


【危機的な状況で味方になってくれた母】
 母親について内観をしていたとき、「危機的な状況でいつも味方になってくれた母親」に気がつきました。たとえば、

○風邪を引いて学校を休んだとき、おいしいおかゆを作ってくれたり、氷枕をしてくれたり、大好きなフルーツ蜜豆を食べさせてくれた。
○プールの中で上級生に水中に頭をもぐされるいじめに遭ったときに助けてくれた。
○高校1年の時、人間関係ですごく悩み、成績もガクンと落ちた。そんなとき、母「別に偉くならなくたっていいんだよ。おまえはそのままでいいんだよ。」と励ましてくれたこと。(ボクはすごく気が楽になった。)
○失恋と大学受験のために十二指腸潰瘍となり、腸壁が破れて緊急入院したときに、約2ヶ月間ずっと看病してくれたこと。
○就職がなかなか決まらないとき、奔走してくれたこと。
○交通事故を起こしたときに、なかなか被害者との示談がうまくいかずにトラブルになっていたのを、うまく解決するようにサポートしてくれたこと。

 ふり返ってみると、風邪、いじめ、受験、就職、深刻なトラブルなど、危機的な状況でいつも母親が味方になり守ってくれていました。私は、母親に守られているという安心感、無条件の愛を受けて、ここまで育ったのだと心底思い、私は母への感謝の念で満たされました。
 内観前から母親を信頼し、母親の言うことは聞くようにしていたのですが、内観後は心から母親を大切しようと思いました。

 実は、内観ではこの後、父親、祖父母、兄弟・姉妹、配偶者、子ども、先生、友人、会社の上司、先輩、後輩、部下、取引先など自分がお世話になったと思われる人から順番に、一人ひとりに対して深く調べていきます。
 尊敬する人、信頼する人は、決まって失意の時励ましてくれた人や助けてくれた人、つまり危機的な状況で手を差し伸べてくれた人だということがわかります。たとえば、私のよく知っているBさんの場合、高校時代の担任のF先生がそうでした。
 F先生は、Bさんが学業や人間関係のことなどで悩み苦しんでいたとき、真摯に相談に乗ってくれたそうです。いじめられ不登校になりかけたBさんは、おかげで乗り切ることができたそうです。その後、Bさんは、休み中に印刷業務を手伝ってほしいという呼びかけに、先生の役に立ちたいと応じたり、急死されたときにも真っ先にかけつけたりしたそうです。そして、Bさんは、F先生をとおして、教師という仕事のすばらしさを感じて、教師になりました。
 つまり、危機的状況で支え味方になってくれた人の言うことなら、喜んで聞き従うのです。その影響力はきわめて大きくなるのです。これは、おそらく子どもばかりでなく大人でも同じでしょう。


【危機的な状況で相手を無視したらどうなるか】
 逆に危機的な状況で救いの手を差し伸べなかったらどうなるでしょうか。あなたへの信頼は、大きく損なわれるに違いありません。
 たとえば、ここに熟年離婚の例があります。五十代半ばの夫が、次男が大学を卒業するとき、妻から離婚を言い渡されたという例です。その大きな理由の一つが、<まだ子どもたちが幼かった頃に、妻が熱を出して起きられない状態のとき、「自分は動けないので、今日は出かけずに、子どもの面倒をみてほしい」と頼んだにもかかわらず、夫は「前からの約束だから、今から断るわけにはいかない」と、病気の妻と幼い子どもたちを残して、つき合いゴルフに出かけてしまった>ということです。このとき妻は、「この人は私や子どもたちのことはどうでもいいんだ」とはっきりわかり、「この人とは、とても一生やっていくことはできないと思った」そうです。
 成熟した大人であっても、危機的状況で救いの手を差し伸べなかったら、信頼が崩壊してしまうのです。子どもだって同じです。
 危機的状況は、あなたへの信頼が絶対的にものになるか、大きく損なう機会になるかの、分岐点なのです。子どもが風邪を引いた。大きなケガをした。万引きなどの事件を起こした。いじめられている。受験に失敗した(そうだ)。……。危機的な状況のときに、わが子を決して見捨てず、しっかりと守り支えること。そうすれば、ピンチは親子の強い信頼を築く大きなチャンスとなるのです。

※ 読者のみなさん、読んでみてどうでしたか。読んだ価値はありましたか。さらに、続きを読みたくなりましたか。

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◆留意点・その他:


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