夏休み科学研究・自由研究のまとめ方 第917号 [D4 家庭学習・自由研究・夏休み他]
◆リード:クニコの初めての科学研究『タマネギを切ったとき目にしみなくする方法調べ』が完成した。初めての科学研究でもあったので、「テーマ(調べたいこと)」の決定から「調べる方法」を考えること、「実際に調べてみる」こと……までサポートしてきた。いよいよまとめに入り、クニコといっしょに「調べた結果」や「結果から気づいたこと・考えたこと」などをまとめた。
2012.8.20 夏休み科学研究・自由研究のまとめ方 第917号
ークニコの科学研究をまとめるー
近況:
ピカッ、ゴロゴロ、ドッカーン。
20日の夜は、すごい雷であった。2階にいるアキコ、クニコ、妻と私は、エアコンを消し、蛍光灯なども最小限にして、廊下の電灯の下でおとなしくしていた。
私「雷は高いところに落ちる性質があるんだよ。だから、家に落ちる前に隣の学校に落ちると思うんだけどね。」
妻「学校には避雷針があるかしらね。」
私「普通はあるんだけどね。 アキコ、クニコ、こういう場合、高い木のそばも危ないんだよ。原っぱに一人立っているのも危険なんだよ。(その中では立っている人が一番高くなるから。)車の中は雷が落ちても安全なんだよ。タイヤからアースされて電気は抜けていくんだ。」
妻、アキコ、クニコ(不安そうにピカッと光る外を見ている。)
私「雷の正体は、電気なんだよ。何でも、1回の雷を貯めると電気料金約15万円ぐらいになるんだって。」
ピカッ、ゴロゴロ、ドッカーン。
妻「今の、すぐ近くに落ちたわよ。」
アキコ・クニコ「恐~い。」
私「今ので約15万円。 いや、すごい音だったな。(30万円分かな。)」
約30分ほどだったろうか。すごい雷だった。
【わが家の科学研究・自由研究】
私が小学校教員ということもあって、アキコもクニコも作文と夏休み科学研究・自由研究の指導は、私の担当である。妻は、「お父さんお願いね。」「お父さんに聞いてね。」と、一貫して、私や子どもたちに話してきた。
実際、アキコも、クニコも、ずっと指導してきた。
■アキコの場合
○小3での自由研究http://kazoku.blog.so-net.ne.jp/2007-09-14-1…「いろいろな色の名前とその由来」
○小4での自由研究http://kazoku.blog.so-net.ne.jp/2008-11-03…『東北一周旅行記』(いわゆる夏休み自由研究「旅行記」のまとめ方がわかる。)
○中1での科学研究http://kazoku.blog.so-net.ne.jp/2011-08-28-2…第1段階で「落ちやすい汚れ、落ちにくい汚れについて調べる研究」をした。第2段階で「落ちにくい汚れ落とすにはどうしたらよいかを調べる研究」をした。
■クニコの場合
○小3での自由研究http://kazoku.blog.so-net.ne.jp/2011-09-10…初めての自由研究『俳句の季語調べと俳句作り』
かくて、夏休み科学研究・自由研究の指導をすることで、私はわが子を賢くするばかりでなく、親子の絆を深め、わが子と妻の信頼を得ることとなった。
何より、わが子に教えることは、楽しいひとときであった。
【クニコの初めての科学研究】
19日(日)に、クニコといっしょに科学研究をまとめた。
次の通りである。(実物は、写真も載っている。)
『タマネギを切ったとき目にしみなくする方法調べ』
4年 ファーザークニコ
1 テーマ(調べたいこと)
○ タマネギを切ったときに、目にしみなくする方法を調べる。
2 調べたいと思ったわけ
○ 以前にカレーライスを作るときに、タマネギを切っていたら、目にしみてなみだが 出てきて困ったから。
本で調べてみたら、「タマネギをれいぞうこで冷やすと目にしみにくい」と書いてあった。
この方法以外にも、まだあるのではないかと考えて、それを見つけてみたいと思った。
3 調べる方法
「タマネギをれいぞうこで冷やす」以外に、温めたり、氷らせたり、水・砂糖水・塩水につけたり、りんごといっしょにしたりすることで、タマネギは目にしみなくなるかもしれないと考えた。
りんごといっしょにしたのは、「キューイフルーツをりんごといっしょにしておくと、甘くなる」ので、わが家ではよくいっしょにしておくことがあった。もしかしたら、タマネギもりんごといっしょにすると、変化があるかもしれないと考えたからだ。
(1)じゅんびするもの
①タマネギ10個 ②りんご1個 ③水 ④砂糖 ⑤塩 ⑥なべ
⑦れいぞうこ ⑧オーブン ⑨カップ ⑩ビニール袋 ⑪軍手
(2)手順
①そのままのタマネギを切る。
②タマネギをれいぞうこで2日間ひやして切る。
③タマネギをれいとうこで2日間こおらせる。そして、2時間でかいとうさせて切る。
④タマネギを日光に当てて(2日間)、切る。
⑤タマネギをりんごといっしょにビニール袋に入れて2日間置いて切る。
⑥タマネギを水(水250ml)につけて2日間つけて切る。
⑦タマネギをお湯につけて(約10分。ほぼゆでるかたちになった。)切る。
⑧塩水(水250ml+塩7g)を作り、タマネギを2日間つけて切る。
⑨砂糖水(水250ml+砂糖7g)を作り、タマネギを2日間つけて切る。
⑩タマネギをオーブンで10分間焼いて切る。
4 調べた結果
(1)そのままのタマネギを切る
×目にしみてなみだが出た。
(2)タマネギをれいぞうこで2日間ひやして切る
◎目にしみなかった。
(3)タマネギをれいとうこで2日間こおらせ、2時間かいとうさせて切る
○目にしみなかった。けれども、タマネギがぬるぬるして使えそうになかった。
氷らせてすぐに切ろうとしたら、固くて切れなかった。そこで、2時間ほどかいと うさせてから切った。目にはしみなかったけど、タマネギがぬるぬるして料理には 使えそうになかった。
(4)タマネギを2日間日光に当てて切る
×目にしみてなみだが出た。
(5)タマネギをりんごといっしょにビニール袋に入れて2日間置いて切る。
△最初しみなかった。切り始めて1分ほどしたら、しみてきた。
(6)タマネギを水(水250ml)につけて2日間つけて切る。
◎目にしみなかった。
水が茶色ににごった。においをかいでみたら、タマネギくさかった。
(7)タマネギをお湯につけて(約10分)切る。
○目にしみなかった。けれども、ゆでたかたちになり、生で使えなくなった。
お湯が茶色ににごった。においをかいでみたら、タマネギくさかった。
(8)塩水(水250ml+塩7g)を作り、タマネギを2日間つけて切る。
○少しだけ目にしみた。
塩水が茶色ににごった。においをかいでみたら、タマネギくさかった。
(9)砂糖水(水250ml+砂糖7g)を作り、タマネギを2日間つけて切る。
○切り始めて1分ほどしたら、少しだけ目にしみた。
砂糖水が茶色ににごった。においをかいでみたら、タマネギくさかった。
(10)タマネギをオーブンで10分間焼いて切る。
○しみなかった。けれども、こげめもつき、そのまま生で使えなくなった。
5 調べた結果からー気づいたこと・思ったこと・考えたことなどー
(1)◎とてもこうかのあった方法
②タマネギをれいぞうこで2日間ひやして切る
⑥タマネギを水(水250ml)につけて2日間つけて切る。
(2)○効果のあった方法
③タマネギをれいとうこで2日間こおらせる。そして、2時間でかいとうさせて切る。
⑦タマネギをお湯につけて(約10分。ほぼゆでるかたちになった。)切る。
⑧塩水(水250ml+塩7g)を作り、タマネギを2日間つけて切る。
⑨砂糖水(水250ml+砂糖7g)を作り、タマネギを2日間つけて切る。
⑩タマネギをオーブンで10分間焼いて切る。
(3)△・×あまり・まったく効果のなかった方法
①そのままのタマネギを切る
④タマネギを日光に当てて(2日間)、切る。
⑤タマネギをりんごといっしょにビニール袋に入れて2日間置いて切る。
(4)結果から考えたこと その1「えきたいに入れるとなぜこうかがあったか」
・水、塩水、砂糖水の中に入れるとこうかがあった。その場合、水、塩水、砂糖水は、茶色くにごり、タマネギくさくなっていた。だから、タマネギのしみる成分が水にとけたのではないか。そのために、切っても目にしみることがなかったのではないかと考えた。
・オーブンで焼いても、こうかがあった。オーブンは焼いていたと中に、汁がジュージュー出ていた。このことで、タマネギのしみる成分が出て行ってしまったからではないかと考える。
・お湯に入れても、こうかがあった。これも、タマネギのしみる成分が出ていったためではないかと考えた。
・れいぞうこでひやしても、こうかがあった。これは、つまたいとタマネギの目にしみる成分がじょううはつしにくくなって、タマネギを切った時に、めにしみなかったと考えた。
・こうらせてかいとうしても、こうかがあった。これも、れいぞうこでひやすのと同じく、つめたいとタマネギの目にしみる成分がじょうはつしにくくなって、タマネギを切った時に目にしみなかったと考えた。
(5)結果から考えたこと その2「おすすめの方法」
結果から考えると、次のふたつの方法がよい。
②タマネギをれいぞうこで2日間ひひやして切る
⑥タマネギを水(水250ml)につけて2日間つけて切る。
けれども、⑥の水につける方法は、カップを用意したり、カップに水を入れたりする手間がかかる。②の方法は、れいぞうこに入れるだけで、手間があまりかからない。
だから、れいぞうこでひやす方法が一番よいと思う。
今後、どれくらいれいぞうこにいれておけばよいのか、水にどれくらいつけておけばよいのか、調べてみたいと思う。
【科学研究をまとめるコツ】
科学研究をまとめるコツは、いくつかあるのだが、「①科学研究のまとめフォーマット(書式)を知っていること」は、必須である。
それには、いくつかの「科学研究の実物」を読んで見るとよい。もちろん、このクニコの例も、参考になる。
そのうえで、研究を始める時点で、まとめ方まで見通しをもてている状態が好ましい。
たとえば、「スタート時点で、・1 テーマ(調べたいこと) ・2 調べたいと思ったわけ ・3 調べる方法 の三つは、完成している」はずである。そうでなければ、そもそも調べること(実験をすること)はスタートできない。クニコの場合は、ほぼ完成していた。
そのうえで、調べた結果(実験の結果)はこんなふうになりそうで(結果の予想)、そうなったら、こんなことが言えそうだ(結果の考察)というように。
実際に調べること(実験をすること)をスタートしたら、「4 調べた結果」と「5 調べた結果からー気づいたこと・思ったこと・考えたことなどー」を書くこととなる。
「4 調べた結果」を書くためには、「②調べた結果とそこに至るプロセス(実験の様子など)の記録をしっかりと取っていること」が必須である。つまり、このことが科学研究をまとめるもう一つのコツである。
今は、デジカメがあるので、大変楽ではある。がしかし、それに頼りすぎないよう、デジカメ記録と合わせて文章による記録も忘れないことだ。クニコには、タマネギを切った後に目にしみたかどうかの結果を、すぐにメモさせておいた。
最後に、「5 調べた結果からー気づいたこと・思ったこと・考えたことなどー」つまり、「結果の考察」を書くわけだが、ここも頭を使うところだ。「どうしてそういう結果になったか。」「結果から言えそうなことは何か。」いろいろと結果について考察するのである。
これに、今後調べてみたいことなどを加える場合もある。
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◆留意点・その他
・そもそもテーマを決めるときに、○子どもが本当に興味をもったテーマにすること ○しかも、子どもの手で実験したり調べたりできそうなテーマ にすることは、大前提である。
・ところで、私のブログは読み切りではなくて、ずっと参考にして使えるように考えて作ってある。読者には様々あり、参考にしたい記事がタイムリーにアップされるわけではない。かといって、私のブログ記事を検索するには、約千記事もあり、そのままでは難しい。
そこでトップページに検索しやすいように、これまでの記事を分類してある。今回の場合で言えば、
【D 親が教える】
……
D4 家庭学習・自由研究・夏休み他
の項を参考にすればよい。幸いそのような活用の仕方をされている方も増えているので、トップページを作ってよかったと思っている。
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