嫁と姑の問題 その6 第908号ー京都旅行よりも普段の生活が第一ー [K4 嫁と姑]
◆リード:嫁と姑の問題は、嫁と姑が同居している、ほとんどの家庭で直面している問題であろう。姑が嫁のやり方に不満をもつ。嫁は、姑のやり方に不満をもつ。間を取り持つ夫(この場合、私)が神経をすり減らす。わが家も、ずっとこの問題に悩まされてきた。
2012.8.7 嫁と姑の問題 その6 第908号
ー京都旅行よりも普段の生活が第一ー
近況:ここ1週間の夕食後のことである。
私は、入浴後の9時過ぎ、「おやすみ」を言いに、実母の所へ行った。
実母「クニコを呼んでくれの。いっしょに桃を食べよう。」
(9時15分だから、難しいんじゃないのかな。)と思いつつ、2階へ行くと、予想通りクニコは布団に入っていた。(クニコは原則として夜9時就寝)
私「あーちゃんが、桃食べないかって。」
クニコ「もう寝るから無理。」
私「お母さん、クニコはもう寝てるから、無理だって。」
実母「まったく桃をもらっても、意味がない。……ぶつぶつ。」
私「しょうがないんだて、クニコはいつも9時過ぎに寝てるんだから。」
実母「昔は9時ぐらいなんともなくて、みんなで桃を食べたりして(楽しく)たのに。……ぶつぶつ。」
私「ただ少し時間が遅かっただけなんだて。」
実母(ぶつぶつ。セリフは忘れたが、不満一杯の実母)
私「あー、おいしいね、この桃。」
私は、一人実母の切った桃を、実母の愚痴を聞きながら食べていた。
【翌日の夕食後】
さて、翌日の夕食後、
私「さて、少ししたら、みんなでスイカを食べよう。」
夕食後の7時半過ぎ、みんなでスイカを切って食べた。
私「おいしいね。」
クニコ「おいしい。」
妻「おいしいわね。」
実母(うれしそうにしている。)
私「アキコは今ロシアで何してるかな。(スケジュール表を見る)ああ、今日はロシア料理体験があったはずだ。」
妻「去年のロシア交流のDVDで見たやつね。」
実母「きっと楽しいんだろうね。」
こんな感じで会話が弾んだ。実母はうれしそうにしていた。
昨日、実母は不満や愚痴で一杯であった。実母の言動の肯定的な意図は、夕食後にみんなでいっしょに楽しく語らいたいということである。そもそもの不満の原因は、桃がムダになることでも、桃を食べたいということでもない、みんなでもっと語らいたいということである。この目に見える言動ー不満や愚痴ーの背後にある、肯定的な意図・願いに応えていけば、不満はなくなるわけだ。
【失敗した京都旅行作戦】
確か一昨年の秋だったと思うが、家族5人及び義母・義兄を含めて、京都旅行を計画したことがあった。夏休み中に宿の手配もすべて済ませておいたのだが、
実母「京都なんか行かない。」
の一点張りだった。実母にその気がないので、とうとう京都旅行をあきらめた。
その代わり、近隣でどこか小旅行に行こうと誘った。それに対して、
実母「(そんな単発の)旅行より普段の居心地がいい方がずっとよい。」
と言った。
私は、はじめこそ、「親孝行したいというこっちの気持ちも知らないで(旅行を断って)。」と思っていた。
しかし、よくよく考えてみると、実母の言っている「旅行より普段の居心地がいい方がよい。」というのが正しい気がしてきた。つまり、単発で旅行に連れて行き、その時だけ楽しい雰囲気で、さも親孝行をしたという気になるのは、子どもである私の自己満足であること。そうではなくて、普段の居心地ーあったかい家族に囲まれて疎外感がないことーこそが、実母が本当に求めていることであり、そのような状況を作り出すことこそが、本当の親孝行であると。
かくて、私は「特別な旅行1回よりも、普段の居心地のよさ」をこそ第一に考えることにした。そして、そこがうまくいったなら、その延長線上に親子の旅行もありだと考えた。
【普段の生活の心地よさ】
実のところ、普段の居心地のよさは、これまでに心がけてきたことでもあった。
具体的には次のようである。
■あいさつ……「行ってきます」「ただいま」「おやすみ」のあいさつは、私がお手本を示しつつ、アキコ、クニコに徹底して躾けた。(朝は、あーちゃんが寝ているので言えないことが多い。)
■誕生日祝い……アキコ、クニコ、妻、私の誕生日に招待することはもちろん、実母の誕生日も祝ってきた。最初こそ、「この歳で誕生日を祝うこともない。」と言っていた実母も、2回目からはうれしそうにしていた。
■アキコやクニコの学校行事などに誘う……運動会、文化祭、マラソン大会などの学校行事に実母(義母も)を招待し、いっしょに応援していた。また、学習参観などにも行ってもらったりしていた。
■普段の会話……私やアキコ、クニコは、学校から帰ってくると、必ず実母と会話した。私自身そのようにしたし、アキコ、クニコもそのように躾けた。
■土曜日の夜は家族そろって夕食を食べる……これは1階と2階に棲み分けてからずっと続けている。その後、アキコとクニコはそのまま、実母の部屋で過ごし、寝ることになっている。
■金曜日の夜は実母がアキコ、クニコの料理を作る……金曜日は、習字のある日。この日は、実母がアキコ、クニコの料理を作り、アキコ・クニコと3人で夕食を食べている。その間、私は妻と二人2階で食べている。
■日曜日の午前10時頃の家族そろってのお茶タイム……などなど。
実母のために結構心を砕いてきたと考えていたのだが、これでもまだ足りなかったのだ。
(続く)
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