SSブログ

『祖母の人生から学ぶ』 ーアキコへのキャリア教育 その1-第780号 [D1 父と子塾]

◆リード:『祖母(ボクからは実母)の人生から学ぶ』ということを、今年の父と子塾のテーマの一つにした。いつもアキコに優しい祖母だが、もうじき中学生になるアキコにとって、祖母の人生から学ぶことは、価値あることだろう。とりわけ、将来の職業選択に当たって、大きなヒントが得られるに違いない。こう考えていたところで、思いがけずこのテーマの学習がスタートした。

2010.1.15 『祖母の人生から学ぶ』 第780号

ーアキコへのキャリア教育 その1-

 アキコ(小6)に優しい祖母(ボクからは実母)。その祖母の人生から学ぶということを、今年の父と子塾のテーマの一つにした。あと2ヶ月余りで中学生になるアキコにとって、祖母の人生から学ぶことは、価値あることだろう。とりわけ、将来の職業選択に当たって、大きなヒントが得られるに違いないと考えたからである。

 このように考えていたところへ、思いがけず、この「祖母の人生から学ぶ」ことがスタートした。


【あーちゃん(祖母)の話】

 土曜日の10時頃、1階で生活しているあーちゃん(アキコの祖母)とアキコ(小6)と私ファーザーで、ティータイムをもつことが習慣化している。(※ 妻はクニコ(小2)を七田チャイルドアカデミーに連れて行っている。)

 以前の記事「ティータイムのマナー」でも書いたが、お茶やお菓子と同じくらい大事なモノとして、「なごやいだ雰囲気の中での会話」をあげた。

 ところが、アキコはなかなか質問には答え(られ)ず、表情もぶすってしていて、会話に参加するという感じではなかった。

 そこで、あーちゃん(と私)が、アキコに説いた。

あーちゃん「アキコ、そんなぶすっとした顔では、ダメられ。笑顔じゃないと。」

アキコ(ぶすっとしている。)

あーちゃん「あーちゃんは、東京の編み物専門学校に行って学んでいたとき、先生は<おのぼりさんは、すぐわかる>って言ってたんだよ。おのぼりさんというのは、地方から東京に出てきた人を言うんだけど、ぶすっとしていて笑顔がなくて無口だから、地方から来たおのぼりさんは、すぐわかるって。」

私「あーちゃんは、昔編み物の先生になるために、東京の編み物専門学校に行っていたことがあったんだよ。」

アキコ「ふーん。」

あーちゃん「先生は、<あなたたちは、やがて地元に帰って、編み物を教えるようになる。そうすると、いろいろな人が教わりに来る。だから、そんな時にぶすっとしていてはダメ。いつも笑顔で。声も地声ではダメ…。>と教わったよ。」

私「へえ~、編み物のスキルばかりじゃなくて、そんなことも教えるなんていい学校だったんだね。」

あーちゃん「あーちゃんは、若い頃から人に笑顔で接するようにしているし、地声じゃないよ。」

私「あーちゃん、編み物専門学校から帰ってきた後、お家で編み物教室を開いて教えていたんだよ。そして、お父さんのお父さん、つまりあーちゃんの夫よりも稼いでいたときもあったんだよ。」

アキコ「編み物の先生だったことは、前にあーちゃんから聞いたことがある。」

あーちゃん「あーちゃんは、中学1年生の時に、将来、編み物の先生になることを決めてたんだよ。」

私「えっ! 中学1年生の時に、もう決めてたの! そりゃすごいな!」(これは初耳だ!)
アキコ(びっくりしたような表情)

あーちゃん「そうなんだよ。春休みや夏休みにも、地元の編み物の先生の所へ、編み物を習いに行ってたんだよ。」

私・アキコ(興味津々で聞いている。今で言うなら、春期講習、夏期講習のようなものか。)

あーちゃん「そして、高校を卒業したら、東京にいる日本一の編み物の先生の所へ学びに行くと決めてたんだよ。」

私「えっ、中学1年生でもう! あーちゃん、すごいな、アキコ。」

アキコ(うなずく。)

あーちゃん「当時は東京に行く人なんか本当にまれで、近所で東京に行った人なんか、まずいなかったんだよ。だから、東京の学校へ行くというのは、今で言うと、ちょうどアメリカに留学するくらいのことだったんだよ。」

私「そっかー、すごいな。」(東京の編み物専門学校に行ったことは知っていたが、それが当時としては留学するくらいのことだったことには、気づいていなかった。)

あーちゃん「だから、親を説得するのが大変で……。親は<○市(県都)なら行ってもいい>と言ったんだけど、それだったら行っても意味がないんだよ。東京の日本一の先生のところじゃないと意味がないんだよ。」

アキコ(興味津々に聞いている。)

あーちゃん「それで、あーちゃんは<嫁入り道具も何も要らないから>と言って説得したんだよ。」

私「タカちゃん(妻)は、お父さんの所へ嫁に来るときに、100万円以上もする桐箪笥を持ってきたろ。そんなものは何も要らないからと言って、親を説得したということだよ。」
(このことは、以前、私はあーちゃんから聞いたことがある。)

アキコ(興味津々に聞いている。)

私「すごいね~。あーちゃんは、中学1年の時に、将来の職業も、高校卒業したら東京の編み物の先生所に学びに行くことも決めたんだ。すごいだろ、アキコ。」

アキコ「うん。」(ニコニコしながら返事をした。)


 実母ながら、実際すごいと思う。実母が中学1年生の時に抱いた「編み物の先生になりたい」という夢は、単なる夢ではなかった。編み物の先生になるまでの基本的な戦略(東京の日本一の先生の元で学ぶ。当時母親がとっていた「婦人クラブ」や「主婦の友」の付録の編み物の本によく載っていた有名な人で、その人の元で学びたいという。)も明確になっていた。そのために、中学校の春休みや夏休みのうちから、地元の編み物教室に通っていた。しかも、「嫁入り道具は何も要らないから」と、東京行きに反対する両親を説得するほど、本気で叶えたいと思っていた夢だった。

 実際、実母は、東京の編み物専門学校に行き、戻ってきて地元で編み物教室を開いた。中学1年生の時に立てた夢を叶えたのである。そして、夫以上に稼いでいたのである。

 ビジョンと戦略、戦術(地元の編み物教室に通う)、反対する両親を説得する強い意思と本気度、ついに実現した夢……。

 中学時代に、アキコに将来の職業選択をさせ、それに基づいて高校・大学を選択させたいと考えていた私にとって、願ってもない、アキコへのキャリア教育となった。(続く)

【関連記事】あったかい家族日記  「家族の広場」

今年の子育て計画 第773号

かったらnice! ブログを書く意欲はあなたのnice!に支えられています。

 
◆キーワード:1 キャリア教育・進路指導  2 将来の夢  3 実母との会話

◆留意点・その他:

・私にとって、実母のこの話は、何度も聞かされたことのある話だ。しかし、今回、中学1年生で、将来編み物の先生になること、そのために高校を卒業したら東京の編み物の先生の所に行くことを決めていたことは知らなかった(聞いたけど忘れていたのかも)。

・「今年の子育て計画」という記事に書いたように、父と子塾で、キャリア教育をスタートさせている。伝記と合わせてその人の仕事について学んだり、「サークルリンクお仕事タウン」にアクセスしたりしている。
 最初の伝記は『オードリ・ヘップバーン』であった。アキコが女優になりたいと言っていたことがあったので。
・15日(土)夜、オードリ・ヘップバーンの「ローマの休日」を家族5人で見た。
モノクロの、昔の映画なのに、小2のアキコ、小6のアキコ、私と妻、実母のすべてが楽しめた。約2時間、一気に見た。これも、キャリア教育の一貫である。


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 2

qooo

素晴らしいですね〜!!!
おばあさまのお話、アキコちゃんにも考えさせられる点が
多かっただろうな。。。
中学一年で進路を、卒業後の進路を、きちんと決めて、
行動して。。。見習う所が多いです〜。
私も、今、ほそぼそと、編み物指導員の資格を取ろうと
学習中ですが、がんばります〜!!!
おばあさまのお話、とても元気をもらいました。
by qooo (2011-01-26 06:12) 

ファーザー

>qoooさんへ

元気をもらったそうで、よかったです。

私は、高校2年で教師になるという志を立てました。アキコには、おばあちゃんに習って、中学2、3年生のうちになりたい職業が決まればいいなと思っています。

そのためには、アキコが知っている職業から選ばれるわけですから、広い視野やたくさんの体験を持たせたいと考えています。
by ファーザー (2011-01-29 08:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0