読書バランス 第698号ービタミンCでインフルエンザ対策ー [C1 読書]
◆リード:冬休みにはいる前、親子で「課題図書」を決めた。親として是非とも読んで欲しい本があったからであり、ハリー・ポッターなどに偏っていた読書をバランスのとれたものにしたかったからである。
2010.1.9 読書バランス 第698号
ー課題図書で読書の偏りをカバーするー
【ハリー・ポッター、占い本、ケータイ小説……にはまっているアキコ】
最近のアキコ(小5)のはまっている本。
・ハリー・ポッター…すさまじい勢いで読んでいる。
・占い関連の本…例えば、『恋&ラッキーをひとりじめ! ひつみの風水じてん』、『おまじない大百科』他。
・ケータイ小説……例えば、『ウィズ・ア・プリンセス』他多数。
体が栄養のバランスの取れた食事で健全な成長をするように、心の栄養となる本もバランスが取れている必要がある。それなのに、最近のアキコは、栄養を考えずに好きなものばっかりを食べている子どものようで、偏っている気がしていた。親として少々心配していた。
【課題図書を選ぶーバランスをとらせるためにー】
そこで、読書のバランスをとらせるべく、この冬休み中に、2冊の本を読んでもらうことにした。
一冊目は、以前から読ませたいと思っていた食育(栄養)の本
■『親子で学ぶ 頭のよくなる栄養事典』 (杏林予防医学研究所長 山田豊文著、国土社 700円+税)である。
以前、父と子塾でも、「わが子の視力低下を防ぐ! 188号」というタイトルで活用したことがある。
親が「栄養のバランスを考えて食べなさい」と百回言うよりも、本人自身がその重要性をよく認識して注意するのが一番だ。
栄養の重要性を認識させるのに、うってつけの本である。小学校高学年でもわかるように、わかりやすく書いてあるのだ。
私が担任している子の保護者に貸して読んでもらったところ、ある保護者は「もう少し早く読んでおけばよかった。」という感想をもらった本でもある。
子どもにも親にもお勧めの本である。
二冊目は、伝記である。私が20年以上も前(独身時代)購入した本で、当時わが子が小学校高学年になったら読ませようと考えていた伝記のシリーズである。
10冊の中から、アキコに選んでもらった。
アキコが選んだ伝記は、
■『二宮金治郎』であった。
【アキコの感想、他】
今年1月9日(土)に、ようやく『頭のよくなる栄養事典』を読み終えた。
アキコに感想を聞いたら、
・砂糖の摂りすぎはよくない。
・栄養のバランスが大切だ。
・ビタミンCが大切だ。
と言っていた。
二宮金次郎を含めて、二冊ともおもしろかったと言っていた。つまり、発達段階に合っていたということだ。ようは、食わず嫌いというか、こちらで勧めれば、おもしろく読めるのである。
本は心の栄養だ。体が栄養のバランスの取れた食事で健全な成長をするように、心が健全に成長するには、バランスのとれた読書が必要である。
もっと言えば、良い本との出会いの有無が人生を左右する。
親として、できる範囲で、わが子によい本との出会いを促していきたい。
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◆キーワード:1 伝記・食育 2 読書 3 インフルエンザの予防
・アキコが「ビタミンCが大切」という感想をもったのは、おそらく次の「一日数グラムのビタミンCで、インフルエンザをふせぐ」という記述によるだろう。長くなるが、タイムリーな問題でもあり、そのまま抜粋する。
「じゅうらいの病気の原因は、細菌やウイルスのようになにか得体の知れないものが、外部から体にはいってくることからおこる、と考えられていました。
じっさい、コレラやチフスは細菌によっておこる病気ですし、また小児麻痺の原因になるポリオ、あるいはエイズやインフルエンザなどはウイルスによってひきおこされます。
いままで医学では、病原菌を発見し、それに対応する薬やワクチンを開発することによって、おそろしい病気をなおしてきました。病原菌が病気の原因になることはまちがいないのですが、インフルエンザが流行したときにかかる人もいれば、かからない人もいます。
それは、どうしてでしょうか。インフルエンザにかからない人には、ウイルスは入らないのでしょうか。そんなことはありません。
一日数グラムのビタミンCで、インフルエンザをふせぐ
ノーベル賞受賞者で、ワトソンとクリックとおなじ遺伝子の研究をしいていたライナス・ポーリング博士は、人の体それぞれに、ウイルスを処理する能力の差があり、インフルエンザにかかる人とそうでない人がでてくるのではないかと考えました。
そして、その能力の差というのは、タンパク質などの材料から必要なものをつくるしくみ(代謝)の強さのちがいであるというのです。
そしてポーリング博士は、病気の原因は「細菌やウイルスによるものではなくて、人間の体そのものの代謝異常による」と発表し、代謝を正しくすることで病気をなおす医学を意味する「正常分子医学」を提唱しました。
そして、その代謝に必要なはたらきをしている栄養素の一つとして、ビタミンCに着眼し、ビタミンCを一日に数グラム以上とれば、インフルエンザを予防できるという、センセーショナルな論文を発表したのです。
そしてこれまでのかぜ薬は、熱や鼻水などの症状を緩和する薬で、インフルエンザをふせぐ特効薬などはないと考えられていましたから、ポーリング博士のこの発表は、たいへんな反響を呼ぶことになりました。…中略(ファーザー)
1976年、アメリカ・ニュージャージー州にインフルエンザが流行し、若い軍人が亡くなりました。そのとき、軍人から検出されたウイルスが、60年前にアメリカで大流行して二千万人も死なせたスペインかぜのウイルスとそっくりだったため、アメリカ中がパニック状態になってしまいました。
フォード大統領は、すべての国民にワクチンを摂取させるという緊急声明をだしました。しかし、ワクチンの安全性に疑問があり、各地で老人が死亡するという事故があいつぎ、摂取を中止する州が続出しました。
ところが、ワクチンの代わりにビタミンCを補給していた人たちのなかから、ビタミンCが安全なだけでなく、インフルエンザなどの、かぜの予防とちりょうにじゅうぶんに効果があると発言する人が、次つぎとでてくるようになりました。その一人に、厚生省の保健担当次官補のテオドール・クーバーがいました。
かれは、「メディカル・トリビュー」誌のインタビューに答えて、
「インフルエンザのようの感染症にたいして、体の抵抗力を補強するのにはビタミンCがもっとも効果的である、というポーリング博士の意見の同感です。
わたしもビタミンCをとっていますし、かぜ気味のときは家族にもとらせています。」と、ビタミンの効能を疑問視していた厚生省の担当者自身が、それまでの見解とは反対の意見をのべたのでした。
いまでは、アメリカのどこのスーパーでもビタミンCが店頭におかれ、半数以上の家庭でビタミンCがとられています。ヨーロッパ諸国でも多数の人がビタミンCをとり、かぜにビタミンCを使用する医師もふえています。」(以上、『頭のよくなる栄養事典』124p~128pより引用)
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・こんなわけで、わが家では、毎日一人2,3個みかんを食べている。
・これ以外に、子どもの食生活を考えるに当たって、次の2冊もお勧めである。
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by 経験者 (2010-02-24 13:09)