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親子「論語」塾開始 第542号 [D1 父と子塾]

◆リード:12月27日(土)、第二期7回目の父と子塾で、論語塾を始めた。テキストは、『親子で楽しむこども論語塾』である。「案ずるより産むが易し」で、やってみると、子供たちに好評だった。

2008.12.27 親子「論語」塾開始 第542号
ー第二期7回目の父と子塾にてー

 27日(土)午後2時20分から約2時間。第二期7回目の父と子塾を行った。
 メインとなる学習は、論語である。

【親子論語塾の構想】

 実は、この論語の学習、半年以上前から構想していた。
 親子でチャレンジした『暗唱文集』で七段までクリアーした後、何かそれを活かした続編はないものかと思案していたのである。
 暗唱文集の中に、既にいくつかの論語があり、論語は生きる指針になりうるものだから、論語を扱おうかと考えていた。
 子供向けのテキストも、岩越豊雄『子供と声を出して読みたい「論語」百章』、しちだ・教育研究所『暗唱文集 論語編』、安岡定子著『親子で楽しむこども論語塾』などを購入して、どれを使おうかと考えていた。

 折しも、2009年1月号の月刊誌『致知』で、岩越豊雄&溝本定子(安岡定子)氏の対談「『論語』の素読で子供は輝く」が特集されていた。そこでは、岩越氏が3年、安岡氏が4年子ども相手の論語塾を既に実践しており、子供たちもそれを楽しんでいる様子が伝わってきた。それぞれの論語塾でのやり方も書かれていた。

 安岡氏が子供相手に論語塾を始めたのが、「皆さん、どこかしら心の奥で子供たちのために何かをしなきゃいけないという危機感をお持ちでした。そういう方たちとたまたま意気投合し、自然発生的に論語塾ができたという感じ」(前掲書56ページ)だという。

 私の場合も、この危機感を持っている。この荒れ、乱れた世の中にあって、子供に知識や技能ばかり教えているのでは、いけないのではないか。何か心の糧となるもの、生きる指針となるようなものを教えていくべきではないか。親として、そのようなことにかかわっていくべきではないかという思いである。

 かくてこうした思いを具体化するものとして、私も父と子塾の中で、「論語塾」を取り入れることにした。端的に言うならば、論語を学ぶことが、わが子の生きる指針となることを願って始めたわけである。仏教も、キリスト教も、それぞれにすばらしい教えだと思うし経典や聖書を読んでいるが、儒教とは言っても論語はいわゆる宗教団体の色が付いていないのもよい。

 子供向けのテキストとして、一番平易で文字も大きく、20章(論語全体で499章ある)に精選してあった『親子で楽しむこども論語塾』を選んだ。これを、私・アキコ・クニコの分、3冊用意した。

【論語塾の実際 その1 導入】

私「今日のメインの学習は、『論語』だよ。はい、これプレゼント、ボーナスからだよ。」
(『親子で楽しむこども論語塾』を、アキコ・クニコに配る。)
アキコ・クニコ「ありがとう。」
アキコ・クニコ「あっ、論語の本だ。と言って、ぱらぱらと本をめくり、読み始める。」(アキコ・クニコは、『暗唱文集』で、いくつか論語を暗唱しているので、なじみがある。)

私「論語は、今から二千五百年ほど前に生まれた孔子という人の教えをまとめたものなんだよ。」(こう言いつつ、『子供と声を出して読みたい「論語」百章』に載っていた孔子の絵を提示する。)

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アキコ・クニコ「ふ~ん。」(絵に見入る)

私「実は、世界の三大聖人と言って、世界にとっても偉い人が3人いるんだ。イエス・キリスト、釈迦、孔子の3人なんだよ。」

アキコ「この間のクリスマスって、キリストの生まれたのを祝う日でしょう。」
私「そうそう。イエス・キリストは、キリスト教をつくった人なんだ。釈迦は、お釈迦様と言って、仏教をつくった人。そして、この孔子は、儒教をつくった人なんだよ。お釈迦様が一番早くて、今から約二千五百七十年前に生まれて、孔子はそれより十五年ぐらいあとに生まれて、イエス・キリストは今から約二千年前に生まれたんだ。」
アキコ・クニコ「ふ~ん。」(と言いつつ、本をめくっている。)

私「今から二千五百年ほど前に、孔子が教えた生き方をまとめたのが、論語なんだけど、お父さんはこの論語から生きる智恵を学んでほしいんだよ。 テキストの最初を開いてみて。」
アキコ・クニコ(テキストの最初を見る)
私「ほら、最初に「論語は、美しい言葉と智恵の宝庫です」と書いてあるね。」

 こう言いながら、最初のはしがきにあたる部分を読んで聞かせた。

日本人は昔から、素読といって、先生が声高らかに読まれる通りに、こどもも声を出して読みあげました。意味はまだよくわからない点があったとしても、くり返しよんでいくうちに、だんだんと、その言葉のすばらしさに、引きつけられていたものです。
 この本では、『論語』全体で約五百章ある中から、短くてわかりやすい言葉二十章を選び出しました。『論語』の入り口に立つ入門の書に過ぎませんが、そのどれをとってみても、だれの心にもひびく内容が融かしこまれています。
 できましたら、お子さんと一緒に、声に出して読んでみてください。そして気にいったものがありましたら、その中のいくつかを、暗唱してみてください。そこには、父母・祖父母・兄弟・姉妹たちとの、至福の場が生まれるかもしれません。」…
後略(『親子で楽しむこども論語塾』2,3ページより引用)

私「さあ、毎週の父と子塾で、1章ずつ音読することにするよ。では、お父さんがとっても好きな論語の言葉から。テキスト20ページを開いて。」
クニコ「えっ、最初からじゃないの。」

【論語塾の実際 その2 音読】

私「お父さんの後について音読するんだよ。 『子曰わく』」
アキコ・クニコ「『子曰わく』」

私「『之を知る者は』」
アキコ・クニコ「『之を知る者は』」

私「『之を好む者に如かず』」
アキコ・クニコ「『之を好む者に如かず』」

私「『之を好む者は』」
アキコ・クニコ「『之を好む者は』」

私「『之を楽しむ者に如かず』」
アキコ・クニコ「『之を楽しむ者に如かず』」

 正しい姿勢とはっきりとした美しい声で音読してほしいと願っていたが、既に暗唱文集で論語に触れていたせいか、はっきりとした美しい声で音読できていた。
 これを4回くり返した。

私「今度は、通して音読するよ。『子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。』」
アキコ・クニコ「『子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。』」

 これを3回くりかえした。その後、今音読した言葉が「書き下し文」と言い、その隣に書いてある「子曰、知之者、不如好之者。好之者、不如楽之者。」を「原文」または「白文」と言うことを教えた。

【論語塾の実際 その3 意味を語る】

 その後、白文の隣に書いてある「現代日本語訳」を読んだ。

私「今読んだ文を、現代日本語で言うと、こうなるんだよ。『孔子先生がおっしゃった。あることを知っているだけの人よりは、それを好きになった人の方がすぐれている。それを好きになった人よりは、そのことを楽しんでいる人の方がもっとすぐれている』お父さんのとても好きな文だ。」

 この後、アキコ・クニコに一人ずつ現代日本語訳を読ませた。
 そして、意味を少し話した。

私「『スキーを知っているだけの人よりは、スキーを好きになった人の方がすぐれている。スキーを好きになった人よりは、スキーことを楽しんでいる人の方がもっとすぐれている。』こんなふうに、『之』のところに、何か入れてみるんだよ。」
アキコ「『メロンを知っているだけの人よりは、メロンを好きになった人の方がすぐれている。メロンを好きになった人よりは、メロンを楽しんでいる人の方がもっとすぐれている。』

私「メロンよりも、趣味とか習い事とか学習することとか入れてみるといいね。例えば、野球とか習字とかね。野球をただ知っている人よりも野球を好きな人の方が、野球を好きな人よりも野球を楽しんでいる人の方が幸せだろ。だからそっち方がいいんだよ。」(私は、「知っているだけでは余り価値がない。好きになり楽しむようになって初めて価値が出る。」というように解している。)
アキコ・クニコ(「なるほど」というふうな顔)

 ここでまた、1回音読した。
 そして、隣のページにある、「現代日本語訳」をさらに子供向けにやさしく説明した「こども用解説」を、読み聞かせた。その後、アキコ・クニコが一人ずつ読んだ。

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クニコ「『知る・好きになる・楽しむ』の三段跳びか。おもしろい!」

 かくて意味もわかったところで、最後にまた3回ほど声を揃え、正しい姿勢で美しい声で音読した。

私「今度から(週1回の)父と子塾の中で、論語を1章ずつやっていくよ。それから、明日から毎朝、起きたら論語の1章を3回音読することにするよ。きっと気持ちがいいよ。」

 かくて、第二期父と子塾の中で、初めての論語塾が終わった。
 子供たちが最初から張りのある声ではっきりと音読できたのに驚いた。これまで暗唱文集で慣れていたせいもあるだろうが、深く味わいのある意味をもつ「論語」自体のリズム感や語調が大きいのだろうと思う。アキコ・クニコの食いつきもいい。やっぱり子供は、音読・暗唱が好きなのだ。
 
 私はと言えば、子供の食いつきがいいので安堵した。
 同時に、私は、生き方や信念・価値観のレベルで、わが子を直接教えるというかかわりができて、うれしかった。学力向上、体力向上はもちろん大切だ。そして、それは「能力」レベルでのかかわりだ。その上位に位置するのが生き方や信念・価値観であると考えているので(ある信念・価値観の指令もとに学力も体力も使われるのだから)、そこにかかわれたことがうれしかったのだ。
 これから学んでいく論語が、実際の生き方に反映するのは、5年後、10年後、20年後かもしれないが、それでもいつかきっと役に立つはずだ。
 わずか1回15分程度の時間である。
 親子で、まずは、20回20週やり続けるつもりである。

【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」

親子「論語」塾 その2 560

アキコ・クニコ 暗唱 最高段位7段 達成!
 

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◆キーワード:1 親子論語塾 2 父と子塾  3 論語

◆留意点・その他
・最近のアキコは、小林よしのり『おぼっちゃまくん』にはまっている。「ともだちんこ」とか「はおよーぐると」とか「こんにちわわ」などと言って、笑っている。そんなアキコでも、論語には興味を示した。何と、この日すぐに、岩越豊雄『子供と声を出して読みたい「論語」百章』を見たいと言って、私の手から持っていった。子供たちは、本当は古典大好き、道徳大好きなのかもしれない。何せ生き方を教えているのだから。そういえば、ずっと以前に、韓国の子供たちに一番人気のある教科は道徳だと、テレビで伝えていたことを思い出した。何を好むようになるかは、ひとえに親など大人の用意する環境次第なのかもしれない。

・先に紹介した『致知』の対談の中で、岩越氏はこう言っていた。
「…素読で大事なのは繰り返すことです。例えば「学じ篇」を学び終えてもすぐ先に進まずに、次の時間にもう一度「学じ篇」を最初から読む。このように繰り返してやると自然に頭にはいるし、こちらが気持ちいいくらいの大きないい声が出るようになります。高尚な内容が簡潔なリズムで伝わってくるので、子供はとても喜ぶんですね。…」
確かにいい声が出るし、子供はとても喜ぶ。

・今朝(28日)に、起きてきたアキコ・クニコに、さっそく昨日教えた論語の一章を読むように促した。それぞれ起きてすぐに3回音読した。短い文章なので、ほとんど覚えていた。私は、もう一度「現代日本語訳」を読んであげ、「お父さんは、知っているだけではあんまり価値がないと思うよ。好きになって、楽しめるようになれば、それで生活が豊かになって幸せになるだろ。そこまでいって、初めて価値が出ると思うよ。」と話した。これは私流の解釈だが、本音でもある。親子でいっしょに「論語」を学んで楽しもうと思う。

・子どもに論語を教えるなら、下の2冊はお勧めだ。

こども論語塾―親子で楽しむ

こども論語塾―親子で楽しむ

  • 作者: 安岡 定子
  • 出版社/メーカー: 明治書院
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 大型本

子供と声を出して読みたい『論語』百章―人の品格を磨くために

子供と声を出して読みたい『論語』百章―人の品格を磨くために

  • 作者: 岩越 豊雄
  • 出版社/メーカー: 致知出版社
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本

・大人向けかつ、実践的なものは、こちら↓がお勧め。

使う!「論語」 (知的生きかた文庫)

使う!「論語」 (知的生きかた文庫)

  • 作者: 渡邉 美樹
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫

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村石太マン

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楽しく 見聞録 広めたら おもしろいですね。
知識が たくさん 知りたいですね。知識と現実
by 村石太マン (2013-04-03 21:34) 

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