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読売新聞「慣用句こんなに誤用」ー正しい慣用句の使い方を身に付けるにはー [D6 親が教える・その他]

◆リード:妻が「役不足ってどういう意味か知ってる?」と聞いてきた。私が答えると、「大体そういう意味ね。」と言った。そして、「私違う意味だと思っていたわ。」と妻。慣用句を誤用している場合が多いという。

2007.9.25 慣用句こんなに誤用

ー正しい慣用句の使い方を身に付けるにはー

 9月8日(土)朝のことである。

妻が
「<役不足>ってどういう意味か知ってる?」
と聞いてきた。

私「役割や立場が、自分の能力を十分発揮できるものでない。物足りないという意味だろ。」

妻「大体そういう意味ね。 私、ある役割を果たすのにそれだけの能力がない。足りないというように、逆だと思ってたわ。」

 後で、その日の読売新聞を読むと一面に「慣用句こんなに誤用」とあって、「そうは問屋が卸さない(正)・そうは問屋が許さない(誤)」「出る杭は打たれる(正)・出る釘は打たれる(誤)」……などの例が載っていた。

 妻に質問された「役不足」については、<「本人の力量に比べ役目が軽いこと」と正しく理解していた人も40.3%のとどまり、50.3%は「役目が重すぎる」と回答していた。>(読売新聞9月8日土曜日より引用)そうである。

 
私「う~ん、よくあるんだよ。高校時代の体育の時間、クラスメイトがランニングをしていて、あまりに辛そうだったから、『そんなに辛いなら少し休めばいいよ。』と言ったら、体育の先生がたまたま聞いていて、『こら、<情けは人の為ならず>という言葉を知らんのか! 甘やかしてはいかん!』と叱られたんだよ。」

妻「あれ、そのどこが問題なの?」

私「えっ、だって<情けは人の為ならず>という意味は、<人に情け(思いやり)をかけると、めぐりめぐって自分に返ってくるから、人に情けをかけるのは、他人のためばかりでなく自分のため>という意味だろ。」

妻「そういう意味だったの。高校の体育の先生と同じようにとらえていたわ。」

私(……)

 う~ん、妻の名誉のために書かないでおこうと思っていたが、書いてしまった。
 ちなみに高校の先生は、体育の教師であって、国語の教師でない。もし国語の教師だったら問題だ。

 かく言う私も例外ではない。後で新聞を読んでみたら、自信のないものがあったからだ。

 では、親も我が子も慣用句の正しい使い方を身に付けるにはどうしたらよいのか!?

 本来は、日常使う語彙の豊かさに比例して、慣用句も正確に使いこなす姿がのぞましい。

 家庭生活、学校(保育園)生活……等の豊かな言語生活の中で、自然と身に付くのがよいのである。

 だがしかし、<慣用句こんなに誤用>という見出しで報道された実態から考えると、それは無理であろう。周囲が間違った使い方をしていれば、間違った使い方が身に付いてしまうではないか。<朱に交われば赤くなる>のである。

 対症療法的と批判されるかもしれないが、きちんと慣用句の正しい使い方について、テキストや教師等から学ぶことが肝要だと考える。これが正攻法であろう。

 そして、対症療法的でない対策としては、

①本をたくさん読む。

②迷ったら、あるいは迷わなくても、辞書をまめに引く。

 これが基本だと考える。

 家庭(親)は、最も身近で影響力のある言語環境である。

 日常会話の中で、親が正しい慣用句を使いこなしていく姿を見せていけば、それを聞いて育った子供はきっと正しく慣用句を使いこなしていくことだろう。しかし、親自身が間違っていれば、それは子供に伝播し、複製されることになる。

 親自身が正しい慣用句の使い方のお手本を示したいものだ。そして、我が子の間違った使い方は、親自身の手で正してあげられるようでありたい。

 それには、親自身も学ぶ必要があるだろう。危うい妻、そして同じく危うい私も。

【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」

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親に対する言葉遣い」

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◆キーワード:1 慣用句の誤用  2 国語力のアップ  3 言語環境

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コメント 6

知らなかったー!
勉強になりました!
役不足の意味は一時会社で話題になりまして、
上司と「じゃあ今までの意味で言うと何て言うの?」
ということになり、あれ?なんだっけなー?
ど忘れしちゃいました・・・
by (2007-09-26 03:55) 

みずたま

クイズなどの題材にもなるので
上記のようなのは間違えやすいんだ・・・とインプットされていますが、
多分色々問題が出てきたら、私も全然自信がありません。

 ただ、誤解している人の方がおおいような言葉は
正しい使い方が分かっていても、使わないようにしています。
言葉って変化していくものだし・・・。
今は正しいとされていても、昔は違う意味合いだったという言葉は
たくさんありますもんね。 

そうはいっても、コンビニやファミレス言葉は
・・・聞いていて不快なこともしばしば・・・結構短気なので(笑)
by みずたま (2007-09-27 00:10) 

泉河潤一

>ぺんたごんさんへ
妻は賢い方だと思うのですが、それでも「情けは人のためならず」の意味を誤解していました。

国語の教師でないとはいえ、高校の体育の教師も誤解していました。

こうなると、一般的でない慣用句は使えません。意図したことが正しく伝わらないばかりでなく、逆にとられる危険すらあります。

本文に書いたように、きちんと学ぶ必要があると思います。私も含めて。
by 泉河潤一 (2007-09-30 22:48) 

泉河潤一

>ちゅんくるさんへ
「誤解している人の方がおおいような言葉は、正しい使い方が分かっていても、使わないようにしています」とは、同感です。

結局大勢の人が使っていることが、正しい使い方になるわけですから。(そのような切り口でブログの記事を書くことも考えました。)また、わざわざ正しい使い方を解説して使うのも、相手に失礼ですよね。
by 泉河潤一 (2007-09-30 22:56) 

miyu

私の場合、昔は正しく分かっていたのに
だんだん自信がなくなってくる言葉があります。
この頃は、口から四字熟語も出てこなくなっちゃって、
間違い以前に消えてる!
子どもの教育の前に自分自身だなと
つくづく思います。
by miyu (2007-10-01 11:28) 

泉河潤一

>miyuさんへ
コメントありがとうございます。

確かに使わないでいると、鈍ってきますよね。

私も、教える人はさらに学ぶ人でなければならないと思います。

国語の教師でなくても、間違った使い方はまずいですよね。もっと言えば、わが子の一番身近な国語教師が親ですもの。
by 泉河潤一 (2007-10-04 22:27) 

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