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勉強ができるだけでよいのか!96 ~一点豪華主義を退ける~ [D1 父と子塾]

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2005.10.1 勉強ができるだけでよいのか! 

~一点豪華主義を退ける~96

かしこく・つよく・あたたかく~一点豪華主義を退ける~

 9月30日(金)夕食・語らい→遊び→入浴……と進んだ頃、何気なく発した一言。

私「明日は、『父と子塾(父と子の勉強会)』だよな。」
こう言いながら、台所にはってある今週のめあてを見た。
 そこには、かしこく・つよく・あたたかくの三つの面にわたって、今週のめあてが書いてある。アキコの字で。

 それを見ながら、
私「アキコは『じぶんでおきる めざましどけい』のところは、○もつかないね~。」
アキコ「1回はできたから、○だよ。」

アキコ「アキコね、今度マラソン大会があるから、つよくなるためのめあては、マラソン練習にする。いいでしょ。」
私「いいね~。」
アキコ「それから、すぐに『アヒルにならない』ようにする。」
※ 【注】我が家では、へそを曲げて泣いたり怒ったりしているのを「アヒルになっている」とか「タコになっている」と呼んでいる。
私「それも、いいね~。」(できるかな、毎日のようにアヒルになっている人が……。でも、つよくなるために、今の自分に必要なことを見出し、自分でそれを直そうとしていることがすばらしいし、すごいことだ!)

 一方クニコは、風呂から上がり、自分で一生懸命パジャマを着ている。ズボンを見ながら、「二つ線(縫い目のこと)がある方が後ろなんだな。」とつぶやきながら、一人で前後ろを判断してはいている。
 私は、そんなクニコを見て、「おお!すごい!」と、心の中で叫んでいた。

 ほんのの1カ月前は、「ねえ、着せて。」と言っていたクニコ。「どっちが前なの?」と言って前後ろがわからなかったクニコ。そんなクニコを、「しょうがないな。」と思いつつ、私も楽しみながらパジャマを着せていた。

 今週のつよくなるための、クニコのめあては、「じぶんでぬいで、じぶんできる」。9月の第1週のつよくなるためのめあて「じぶんできがえる」と同じだ。その週に教えた、前後ろの見分け方が身に付いている。うれしくなった。

私「クニコ、『じぶんでぬいでじぶんできる』というめあてはできたね。でも、あたたかい(心になるための)方のめあて、『かたたたき』はだめだな。 それとも、今やってくれる。」と言った。

クニコは、着替えた後、気持ちよくやってくれた。私と妻に。「これでいい。」といいながら。

 子どもの柔軟性はすばらしい。めあてを立て、その達成に向けてがんばり、評価するということが、もう自然に身に付いている。もしかすると、子どもの成長を止めている最大のモノは、親の間違った観念かもしれない。

 さて、間違った観念のひとつに、「勉強だけできればよい」というのがある。私の考える「かしこく」の中の、純粋な「読み書き計算」のたぐい、「いわゆる勉強に相当するところがよければよし」とする考え方である。

 ニュー・マザリングシステム(NMS)研究会の田中喜美子さんは、「ちゃんと『自分でできる子』に」(PHP研究所)の中で、「勉強だけになってはいませんか」という項目を起こし、勉強以外何もできない、一点豪華主義の育児・教育方針に警鐘を鳴らしている。


 ソニー創業者の井深大さんの幼児教育についての本を読み、一人息子に早期教育を施した母親のMさんの例が紹介されている。
 「カードを使って字の読み方を教える、サイコロのようなドットのついたカードで数の概念を教える、絵本の助けを借りて動物やものの名前を教える……」Mさん。「勉強の合間に遊ぶのも一緒、寝るのも一緒、かくれんぼうやトランプと、母子二人の生活は楽しく流れて、公園育児の必要も感じなかった」Mさん。
 その結果、「勉強のよくできる、成績のいい高校生」に成長した至君。でも、「『勉強』以外は何もできません」という。「お茶の葉を急須に入れようとすると、テーブルの上はお茶の葉だらけ」「親しい友達もまったくいません」「献身的に尽くしてくれる母親が、今でも一番好き」だそうだ。
 そして、「一点豪華主義の子育て」として、「~至君がこれから、学者になるのか、銀行員になるのか、司法官になるのかはわかりませんが、よい成績をとることの得意な至君は、どんな方向を目指すにしても、試験には受かることでしょう。しかし情緒面、生活面で『生きる力』がまったく発達していない秀才が、長い人生を楽しく暮らしていけるのかどうかは気にかかります。 お母さんのMさんにとっては、至君はいまだに、目に入れても痛くないほど大切なひとり息子です。でもMさんは至君が死ぬまでそばについていられるわけではありません。そのとき至君は、『ちゃんと勉強ができる』能力だけで、幸福に生きていけるのでしょうか。」(以上前掲書より引用)と、この項を結んでいる。


 親がどんな育児・教育方針をとるのかは、子どもに決定的な影響を及ぼす。Mさんにしても、「自立するということや社会性を育てるという面も大切にして育てていこう」という方針をとっていれば、現状は大きく変わっていただろう。

 昔から言うではないか、「知徳体の教育」と。どれも大切、かしこく・つよく・あたたかく、バランスよく育てていこう。子どもが親亡き後も、幸せに生きていけるように。

 

家族専科http://www016.upp.so-net.ne.jp/kazoku/へ 

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※ グリーンコースのハイキング中、アキコは自分の水筒を母に持たせようとした。私は、「自分のものは自分で」と、自分で持たせた。そんなやり取りが途中でも2回あった。とちらかの親が気づかなくても、どちらかの親が気づけば、自立に向けて育てていくことはできる。 

*プライベートメモ:

【10/1-2:00~3:45 第4回父と子塾】 

  ・読んだお話「旅人馬」「かたづけポイポイ」「3枚のお札」

  ・つよく:マラソンの練習グランドを走る(アキコ)

       自分で着る、自分で脱ぐ(クニコ)

  ・あたたかく:玄関掃き(アキコ)

         自分の食器を運ぶ、肩たたき(クニコ)

【10/2(日)家族の日】

・午前中PTA行事グリーンコースのハイキング&クイズに親子4人で参加


 


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あーさん

何事もバランス感覚って大事ですよね。
小さいうちは特に偏りのないように、色々な面を伸ばしていってあげたいなぁと思います。基本ができていれば、大きくなってから応用も利きますよね!
by あーさん (2005-10-02 12:49) 

泉河潤一

nice&コメントありがとうございます。
そうなんです。バランス感覚は大事だと思うのです。

そして、基本方針(戦略レベルの決定)が大切だと思います。第二次世界大戦でいうと、そもそもアメリカと戦うのかどうかというレベルの方針です。ここを間違えると、大変なことになります。頭だけよければいいのか、それとも自立や社会性も大事にして育てていくのかどうかという方針ですね。

もう一つは、長期的視野。いずれ親が死ぬということもそうですが、いずれ結婚するということも考える必要があります。この至君(仮名)の場合、母親が子離れできるかどうかが問題だと思います。
by 泉河潤一 (2005-10-02 13:45) 

mamaru

こんばんは。
本当に、人間バランス感覚が大事ですよねぇ。
一人で生きているわけではないし、親がいつまでもいられるわけじゃない。
他人とどう関わっていくか、自分がどうやって生きているのか(誰かが作ってくれたり採ってきてくれた食べ物を調理してもらって食べているとか、そういう見えないところも含めて)分かるこどもに育てたいなって思います。

井深さんの本も何冊も持ってますが、あの方は面白いですよねー。ああいう変わった人間(褒め言葉です)に育ってくれると面白いなーって思います。
by mamaru (2005-10-02 20:18) 

泉河潤一

◆mamaruさんへ……井深さんは真実を書いておられると思います。

手元に、ずっと以前読んだ「0歳からの母親作戦」という本があります。久しぶりにぱらぱらと読み返してみると、「3歳までは、どんなに厳しくしつけても悪影響は残らない」として、玩具をほしがって駄々をこねている二、三歳の子どもに負けている母親を「ここでお子さんに負けてはダメですよ。」と声をかけたくなります~と書いています。
 以下、「権威を失った母親からは、利己的な子どもしか育たない」「言葉を覚えはじめたら、まず『ありがとう』『ごめんなさい』を教える」「過保護は、子どもを意気地なしにしてしまうだけ」「夫婦ゲンカは、子どもの生理にも悪影響を与える」……などなど良いことがたくさん書いてあります。
 わたしが以前のブログの中で、「上の子をよい子に育てることが次の子への最上の教育環境づくりだと思っている」というようなことを書いていたのですが、驚いたことに、元になったのは、井深さんのこの本の「最初の子をきちんとしつけることが、下の子にとってのいい環境」という項から学んだことでした。(七田さんの本だったかな~などとおぼろげに思っていたのですが、違いました。)
 以前プロジェクトXでソニーの井深さんの書いた創業の精神を書いた文書が公開されました。「日本創建……」だったかな~、すばらしいなと思いました。
 井深さんはソニーを創ったのであり、その面でも、とてもすばらしい人だと思います。
by 泉河潤一 (2005-10-02 23:41) 

みずたま

妊娠中に、夫から渡されて読んだ「0歳の教育」。
井深さん著です。それをきっかけに子供の教育を真剣に考えるようになりました。私の育児、教育の軸となるバイブルです。
ファーザーさんと同じ方の著作物で、なんだかとても安心しました!
by みずたま (2005-10-03 08:26) 

颯希

はじめまして^^。
タイトルに引かれて遊びにきました。

息子が今年、小学校に入学し、いろんなことを感じる日々です。
「勉強だけ出来ればいい」というモノサシは学校時代だけに通用するものかもしれませんね。
どの子も個性があって、いいところはたくさんあるのに、ひとつのモノサシでその目の輝きまで奪わないようにしたいな、って見守っている最中です。

子供さんとのやりとり。
とても参考になります^^。

うちもいろいろとさらにいい面は伸ばし、苦手分野もそこそこ出来るように親のほうも工夫してみます。
by 颯希 (2005-10-04 14:50) 

C.C.mom

はじめまして^^
私も最近井深大さんのお考えに深く考えさせられ
そして颯希さんと同じく、タイトルに惹かれて
ぷらっと遊びに来ました♪

アヒルさん顔のアキコちゃんも
頑張ってるクニコちゃんの姿も
とってもかわいくて本当に素敵で
通りすがりに読ませていただいただけの私ですが
とってもうれしい気分になれました。

ありがとうございました^ ^
by C.C.mom (2006-07-29 16:03) 

C.C.mom

上のURLは井深さんのコメントがあるHPです。
これだと私のHPみたいに見えちゃいますね。
ごめんなさい、失礼しました~m( )m
by C.C.mom (2006-07-29 16:24) 

泉河潤一

>C.C.momさんへ
コメントありがとうございました。

C.C.momさんのコメントを読んで、わたしも嬉しい気分になりました。
by 泉河潤一 (2006-08-01 12:54) 

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