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アキコ、生徒会副会長選挙に敗れる その5 第940号 [I-3 親の構え・役割]

◆リード:アキコが生徒会副会長に立候補した。小6から副会長をやりたいと志していたアキコに対して、親としての精一杯サポートしたが、結果は落選であった。さて、どうケアするか。

2012.12.6 ★アキコ、生徒会副会長選挙に敗れる その5 第940号

ーケーキでケア

 

【生徒会副会長選挙で落選、その理由は】

 夕方5時頃には、選挙結果がわかるということで、妻に5時過ぎに結果を聞いた。

妻「まだ、私も結果はわからないわ。いずれにしても、ケーキを買っていくから。」

 考えることは同じで、帰宅途中で、私はお祝いのケーキを買おうと思って、電話をしたのであった。

 早めに帰宅し、玄関に出迎えに出た妻に結果を聞いたところ、

妻「アキコから直接聞いて。」

ときた。それでは…と、アキコに直接聞いた。

私「アキコ、副会長になれたか。」

アキコ「落ちたよ。」

私「そうか……。残念だったな。」

 妻も帰宅後にすぐにアキコと話したが、はじめ明るい声だったから、てっきり当選したのかと思ったそうだ。ところが、落選。

私「でも、傷ついているよな。」

妻「そうね。でも、中学3年は、テニス部男女合わせて約半数もいたのよ。むずかしいと思って、覚悟していたみたいよ。その分、まだ落ちこんでいないみたい。」

私「なんだって、3年生だけで半数もいたのか!」(妻によれば、中学校は部活のつながりで投票することが多いという。対抗馬のIさんはテニス部の出身であった。)

妻「野球部、バレー部はアキコの応援をしていたけど、卓球部はIさんの方を応援していたみたいよ。」

 かくて選挙の結果、アキコは副会長になれなかった。おそらくは接戦だったろうが、それぞれの得票数は公表されない。


【アキコとの会話】

 珍しく早く帰宅(6時過ぎ)したので、夕ご飯7時までまだ間がある。書斎で、くつろいでいると、アキコが来た。

アキコ「お父さん、修学旅行のキャッチフレーズ明日まで提出なの。お父さん、考えて。」

私「何言ってるんだ。まず、自分で考えるんだよ。はじめからお父さんを頼るな。」

 そう言われたアキコは、自室に戻り、付箋にアイデアを書いて持ってきた。「楽しい~ 協力!~……。」などと書いてあった。なんでも、<楽しい>とか<協力>という言葉を入れたいのだという。

私「アキコ、修学旅行はどこへ行くの?」

アキコ「京都・奈良・大阪。」

私「だったら、京都・奈良・大阪という言葉が入った方がいいと思うよ。」

アキコ「あっ京都の<きょう>は、協力の<きょう>だ。 奈良の<な>は仲良しの<な>になる。」

私「うまい具合に折り句にできそうだね。」

アキコ「大阪はどうしよう。」

私「(楽しい)思い出の<お>になりそうだね。」

アキコ「そうだ、京都=協力し合って、奈良=仲間と絆、大阪=思い出 がいい。」

私「そうだね。思い出の前に、吹き出しを付けて、それぞれ<楽しい>とか、<エキサイティングな>とか、<最高の>とか、グループごとに考えた言葉を入れればいいと思うよ。」

アキコ「そうだね、お父さん。ありがとう。」

 10分足らずの時間だったと思うが、アキコと二人で会話をした。


【夕食後、ケーキでケア】

私「アキコ、ケーキでお祝いするよ。」

アキコ「え!(なんでお祝いするの。落選したのに。)」

私「だって、精一杯がんばったじゃないか。」

私「アキコから、好きなケーキを選ぶんだよ。」

ケーキ.JPG

 珍しくトップに選べるので(いつもは親が選んだ後の残り二つからだから、そんなに悩まないで済む)、あれこれ悩んだアキコであった。

妻「珍しく□店から買っていたの。」

アキコ「□店のケーキもおいしいね。」

 適当にお互いのケーキを分け合い、味見し合う。
 甘い物大好きなアキコは、ごきげん!モード。

ケーキで癒す.JPG 

私「アキコのために横断幕を書いたり、応援してくれた友達もたくさんいたんだし、精一杯やったんだから、いいだろ。」

アキコ「(ケーキを食べながら)うん。」

 かくて、落選は相当ショックであったろうが、ケーキが効いたのか、そもそも落選という自体も想定して心の準備をしていたことがよかったのか、アキコのショックは和らいだ。

 アキコは、学年委員長(学級委員の中の代表)としてがんばるのだそうだ。(2年生も学年委員長)。
 別に副会長としてではなくても、その中で、立ち会い演説会のスピーチで述べたような学校をつくっていけばいいのである。
 今日、アキコは、友達2名から給食に出たみかんをプレゼントされたそうだ。そして、

「アキコさんは、児童会副会長より、学年委員長の方が合っているよ。」

と言われたそうだ(妻からの情報)。友達からもケアされて、アキコはほぼショックから立ち直ったようだ。

 家族と友人のケアがやっぱり大事なんだなと、思った次第である。

 「落選した。」「受験に失敗した」「失恋した」……など、失意の時に味方になること。支えてあげること。これは、家族(・友達)の重要な役割だ。
 これがないと、最悪の場合は自殺となる。ごく最近でも身近で高1の自殺があった。中学時代に生徒会長をした人なのだが、進学校へ進み、勉強についていけず、最近不登校気味だったそうだ。高1まで育てて、親はいたたまれなかっただろう。

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◆キーワード:1 生徒会選挙  2 家族のケア  3 親が教える

◆留意点・その他:

近況:
 昨日は、勤務校の□市全体で、ウインターフェスティバルが開催された。これは、ライオンズクラブが主催し、□市の全小中学校の特別支援学級に通う子どもたちのために、約15年以上も続いているイベントである。
 さて、このイベントの最後に、□中学校の中学生がお礼の言葉を言った。なんとその子は、私が前任校で小学校1年生から卒業までの6年間担任したA君(中2男子)であった。
 お礼の言葉の内容が、まずすばらしかった。ウインターフェスティバルでの、楽しかったという感想やその理由。A君ならではの理由付けが感じられた。手品やオペレッタ、ダンスなどを披露してくれた大学生、プレゼントをくださったライオンズクラブのみなさんへの感謝の言葉など、ありきたりな感謝の言葉ではなく、実に具体的であった。
 話す態度が堂々としていた。姿勢もよかった。ライオンズクラブの人たち、市の全小中学校特別支援学級の子どもたちと教職員の方々をあわせると、400名ほどいたと思うのだが、あがっている様子はなく、堂々としていたのである。
 話すテンポもほどよいテンポで、通常の子どもと全く変わらないどころか、通常の子どもの中でも、上位の方だろう。
 ライオンズクラブの方々から、感嘆の声も聞こえてきた。

「こんな(立派な)子もいるんだ。」

 3分ほどあった、長いお礼の言葉であった。
 スピーチを聞いているうちに、私は、A君の成長ぶりに珍しくうるっときてしまった。
 そして、私は小学校の入学式前日のリハーサルのことを思い出していた。A君は、祖父につれられて来たのであるが、ステージに上がって動き回っていたのである。そのA君がこんなに立派なスピーチをするまでに成長したのだ。
 帰宅後、約1年半ぶりにA君の自宅に電話をかけて、A君が立派にお礼の言葉を話していたことを、母親に伝えた。母親は、たいそう喜んでいた。
 本人にも直接伝えた。「今日のお礼の言葉は、とってもすばらしかったよ。」と。
 本人は、「ありがとう。先生。」と、私の賞賛に対して感謝の言葉で答えた。

 


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