放課後児童クラブでの「子どもへの基本的な接し方」 第1199号1.5〜2.0期 [junnichi最新情報]
第1199号1.5〜2.0期 2018年10月11日
放課後児童クラブでの「子どもへの基本的な接し方」
―「○市放課後児童クラブ」研修会講師をする その2骨子―
【「放課後児童クラブ」研修会の講演内容骨子】
前号で書いたように、○市教育長から放課後児童クラブ研修会の講師を依頼された私は、研修会の準備を始めた。
前号では、そのための準備―現場に足を運ぶ、現場で悩んでいることを聞くーを行った。そして、そもそも「放課後児童クラブの役割」や「どんな場であることが期待されているか」などを自分なりに考えてまとめてみた。(詳しくは前号)
本号では、研修会の講演内容の骨子を書く。
1時間程度の講演ならば、原則として話す骨子は3つにしていることが多い。放課後児童クラブの職員にはどんな内容が、その重要な骨子たり得るのか!?前号に書いた放課後児童クラブのそもそもの役割、どんな場であるか、そして当の職員が悩んでいることなどをふまえて、「子どもへの基本的な接し方」と称して、次の三つに決めた。
「子どもへの基本的な接し方」
◆1.子どもをできる状態において挑戦させ、ほめる
◆2.安全で・よりよい環境を用意する
◆3.子どもが「わかる・できる指示」を出す
将来、子育て講演でも生計を立てようとしている私にとって、ある意味、企業秘密でもあるのだが、2割程度公開しようと思う。
◆1.子どもをできる状態において挑戦させ、そしてほめる
―子どもをそもそもできない状態において叱っていないかー
(1)叱るよりもほめる
発達障害の専門医である平岩幹男氏は、次のように言っている。
○ほめられたことは蓄積されるが、叱られることはなれるだけである。
子どもたちの自尊心を高めるためには「ほめる」ことが重要な役割を果たす。発達障害の子どもたちは、行動特性から叱られる場面が多くなりがちだが、どのように行動したらよいかをしっかりと教え、教えられたとおりに行動したことをほめることによって成功経験を積ませていくことが基本である。ほめられることによって、よい行動を強化することにもつながる。叱られ続けると、自尊心が低下し、情緒のこじれから二次障害につながることもある。
(2)叱る場面は短く、具体的に
どうしても叱らなければならない場合には、…(以下、省略)
◆2.安全で・よりよい環境を用意する
(1)安全な環境にする ー危険な要素を除くー
・机などの角にクッションテープを張っておく。
・「そっちは危ないから行かないで!」と注意する代わりに、コーンでブロックしたり、「あぶない!いかない!」と張り紙をしたりする。
・遊具は安全点検しておく。…(以下、省略)
◆3.子どもが「わかる・できる指示」を出す
全体に指示を出しても、ちっとも指示に従わない子どもがいて、イライラすることがある。
子どもが指示に従わ(え)ない原因の一つに、そもそも指示が伝わっていないことがある。そこで、指示を出す際の7つのポイントを紹介する。(※泉河潤一『うちの子、どうして言うこと聞かないの!と思ったら読む本』の「原則8 子どもがわかる・できる・やりたくなる「指示」を出しましょう」等を参考)
▼ポイント1 やる意味や価値を伝える
ただやることを示すのではなくて、やる意味や価値―言い換えれば「やってほしい理由」―を伝える。たとえば、…(以下、省略)
2割程度公開と書いたが、同じような場面で講演をする人にとっては、重要な情報となるはずである。
最後に、次のようなお話をして、講演をしめくくった。
【おわりに】 ―感情に流されずに、立ち止まって考えましょうー
子どもは「子ども」、まだ成長途上だから、よく間違えるし失敗もする。なかなか言うことを聞か(け)ず、イライラさせられる。
だから、ついついイライラして大声で叱責したり、その後で落ち込んだりしがちである。 大人はそうした感情に流されずに、立ち止まってよく対応策を考えることが肝要。
① できる状態において挑戦させているか、そしてできたらほめているかどうか
② 安全で・よりよい環境を用意しているかどうか
③ 子どもが「わかる・できる指示」を出しているかどうか
そして、「押してもだめなら引いてみな」という格言のとおり、効果のない方法はきっぱりとやめて、他の方法を探ってみる。そのために、この3つの視点をから探してみることを勧める。 …私泉河の講演レジメより
以上、ここまで40分の講演である。
残り20分程度は、Q&Aとして予めいただいた質問に答えた。(続く)
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