5月の生活目標「あたかい言葉をかけよう」の全校朝会でのお話 第1113号 [L 仕事]
◆リード:私は現職の小学校教員である。5月の生活目標「あたたかい言葉をかけよう」について5分間の話をした。その顛末記。
第1113号 2018年5月1日(火)
5月の生活目標「あたかい言葉をかけよう」の全校朝会でのお話
―劇風にして具体的に場面をイメージさせて、かつ信念・価値観を変える―
5月1日勤務校の全校朝会の場で、私が生徒指導担当としてお話を5分ほどすることになっていた。テーマは、5月の生活目標「あたたかい言葉をかけよう」についてのお話である。つまり、全校児童に向けて今月の生活目標について話し、その生活目標に向けてがんばろうと思わせることが、私の役割である。
【私のお話の内容】
ステージの下には、ホワイトボードに貼られた大きな「5月の生活目標」の紙。そして、話の中で児童2名にやってもらう劇に使う、机と椅子などが用意されている。
中央に出て、「おはようございます。」とあいさつして一礼した上で、
私「5月の生活目標は、<あたたかい言葉をかけよう>です。
あたたかい言葉をかけるというのは、どんなことでしょう。(間)
例えば、教科書を忘れて困っている時、「貸してあげようか」と声とかけてあげる。一人ではできなくて困っているとき、「手伝おうか」と声をかけてあげる。ひとりぼっちでいる友達がいたら、「一緒に遊ぼう。」と声とかけてあげる。こんなことだよね。そうしたら、きっと声をかけれらた相手は、うれしくなるよね。
…たとえば、こんな感じです。劇でやって見せますね。
■1「教科書を忘れて困っている場合」
私「国語の時間です。花子さん、教科書を忘れてきて困っているようです。」
太郎「おおきな かぶ おじいさんが、かぶの たねを まきました。あまい あまい かぶに なれ。おおきな おおきな かぶに なれ。」(小道具:1年生の国語の教科書)
花子(隣の席の太郎さんが音読しているのに、音読できないで困っている。)
(でも、隣の太郎さんは気づかないようで、そのまま声もかけない)
私「(太郎さんの肩を叩いて)花子さん、教科書を忘れて困っているみたいだよ。」
太郎「(おどろいた表情をして)一緒に見よ。」と花子さんに声をかける。
花子「(うれしそうに)ありがとう!」
太郎と花子「あまい、げんきの よい、とてつもなく おおきい かぶが できました。」
私「はい、拍手」(と言って、劇を一旦中断)
私「花子さん、教科書を見せてもらってどんな気持ちだった。(花子「うれしかった」と答える)そうだよね。こんなふうにして、あたたかい言葉をかけてあげるといいね。」
私「先生は、いろいろな教室で授業をするんだけれど、隣の子が教科書を忘れているのに、そのことに気がついていないのか平気で自分ひとりで見ている子をよく見かけるんだよ。「どうして見せてあげないの?」と聞いてみたら、その子は、「見せてと言わないから。見せてと言ってきたら見せてあげる。」と言うんだよ。なかなか自分から言えない場合もあるから、気づいたら声をかけてあげるといいと思うよ。」
私「忘れてきた子に、「見せてって言えばいいじゃない。」と言ったこともあるんだよ。そうしたら、その子は「忘れてきた自分が悪いんだから、言わない。」と答えたんだよ。でもね、人間だもの、忘れることもあるよね。忘れてきたら「見せて。」って言ってもいいんだよね。(信念・価値観を変える働きかけ)
私「はい、次の場面にいきます。
■2「図工の時間、筆洗をひっくり返して困っている場合」
T「図工の時間です。絵の具で色ぬりをしています。」
太郎「(絵の具で色ぬりをしている時に、肘で筆洗をひっくり返し、その水をこぼしてしまう)あーやっちゃった。」(小道具:水の入っていない筆洗、絵筆、雑巾)
花子「(手伝ってって言われなくても)手伝おうか。」と言って床の水を拭くのを手伝い始める。
太郎「(うれしそうに)ありがとう!」
太郎と花子が二人で雑巾で拭いている。(もちろん、本当の水は入っていないので、拭くまね。)
T「こんなふうにして、あたかい言葉をかけてあげるといいね。困っていることにと気づいたら、「手伝おうか」と声をかけてあげるといいね。拍手。」
T「こんなふうに、あたたかい言葉をかけることで、言われた方はうれしいし、言った方も「ありがとう」と言われて気持ちがよくなるね。そして、きっと仲良しになれるね。そして、あたたかい言葉をかける人は、きっとどんどん友達ができてくるよね。
もう一度言います。今月の生活目標は<あたたかい言葉をかけよう>です。
教科書を忘れて困っている時、「貸してあげようか」と声とかけてあげる。一人ではできなくて困っているとき、「手伝おうか」と声をかけてあげる。ひとりぼっちでいる友達がいたら、「一緒に遊ぼう。」と声とかけてあげる。
~こんなあたたかい言葉をかけあうことで、あたたかい友達関係、あたたかいクラスを作っていきましょう。」
【うまくいったわけ】
全校の子どもたちは、シーンとして集中して聞いていた。
太郎さんと花子さんは、リハーサル通り、うまく演技ができていた。
学級担任をしていない私は、先週のうちに4年生の図工の授業に出ているクラスのこどもたちに、お願いしていたのである。ジャンケンの結果、勝って選ばれた二人である。当日朝を含めて練習・リハーサルは、2回で済んだ。
たまたまこの日、6年生のあるクラスの書写の時間、私が入教(担任でないににその時間だけそのクラスに入って授業をすること)していたら、後片付けの時、墨をこぼす子が出た。なんと、片付けを4人も手伝っていた。効果は、あったようだ。
私は、現職の小学校教員である。久しぶりに学校での様子を紹介してみた。
近年は、学級担任を離れて、新採用教員を教える仕事をしたり、特別支援教育コーディネーターをしたり、いろいろな学級に入って授業をしたりしている。これはこれで、とてもやりがいを感じている。
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