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親に感謝する子に育てる その2 第1000号ー内観法で親の愛に気づかせるー [K2 親孝行]

◆リード:親を軽んじたりバカにしたり親を親とも思わないような言動をなぜするのだろうか。前号では、8つの原因をあげ、中でも原因6「親がいろいろ子どもの世話をするのは、当たり前であって感謝の念がないから」を最も大きな原因としてあげた。では、どうしたら親に感謝する子に育てることができるのだろうか。

平成26年2月2日(日)

親に感謝する子に育てる その2 第1000号

ー内観法で親の愛に気づかせるー

【親に感謝できないことが最大の原因】

 前号で、親を軽んじたりバカにしたり親を親とも思わないような言動をする8つの原因をあげ、中でも原因6「親がいろいろ子どもの世話をするのは、当たり前であって感謝の念がないから」を最も大きな原因としてあげた。

 そして、最後に次のように書いた。

 私は、働いて親として家族(子ども)の生活費を稼ぎ、家族(子ども)のために、炊事・洗濯・掃除…などの家事をしているならば、子どもからの感謝・尊敬に値すると思うし、少なくとも軽んじられたりバカにされたりすることは断じてないと思っている。つまり、普通の親であれば、子どもからの感謝・尊敬に値すると思うし、少なくとも軽んじられたりバカにされたりすることは断じてないと思うのだ。
 毎日夜遅くまで働き、毎日炊事・洗濯…などの家事をしている親たち。こうした親に感謝できなかったら、一体だれに感謝できるというのだろう。

 ところが、現実には親としての務めを果たしているにもかかわらず、感謝・尊敬どころか、軽んじられたりバカにされたりする場合すらある。親としてはつらいところであろう。 子どもにしたって決して心地よい状態ではないだろう。子どもにとっても、自分の親に感謝したり尊敬したりできた方が、ずっと心地よいはずだ。

 一体どうしたら、こうした現状を変えられるのだろうか。(前号終わりより)


【親に感謝する子に育てるには?】

 「親に感謝する子に育てるにはどうしたらよいだろか?」

 

 

 第一に、親自身が自分を育ててくれた親に感謝することだろう。親自身がお手本を示すのだ。
 第二に、夫あるいは妻として、妻の母親としての働きあるいは夫の父親としての働きー仕事・家事労働等ーに対して感謝することだろう。少なくとも決して軽んじたりバカにしたりしないことだ。
 第三に、実際に年齢相応の家事を分担させること(お手伝いをさせるようにすること)があげられよう。以前のブログ記事「お手伝いをさせる理由!  第738 号」に書いたように、実際にお手伝いをやってみることで、家事労働の大変さがわかるのだ。お母さんの大変さを思いやることができるようになっていくのだ。(「お母さんは、こんな大変なことをしてくれていたのか」ということが実感としてわかれば、感謝の気持ちも自ずとわいてくる。……)

 おそらくは、この三つで大丈夫だと思う。


【父親にさして感謝の念をさして持てなかった自分】

 しかし、このうち一つでも欠けていたら危うい。

 たとえば、私自身、第二のことが十分ではなかった。母親が父親の悪口を言ったり軽蔑したりする傾向が少なからずあった。

 「おかげで」と責任転換するわけではないが、子どもの私は(成人してからも)、何かと母の味方ばかりして一緒になって父を責めたり軽蔑したりすることすらあった。父に対して、さして感謝の念を持た(て)なかったのである。

 仕事から遅く帰ってきてさらに家事をしている母に対しては、私は感謝の念をもてた。だから、どうしても母親寄りになりがちであった。しかもその母が夫である父親を責めたり軽蔑したりすることがあったので、私自身もどうしても母親と同じように父親のことを軽視するようになってしまいがちであった。


【父親に対する態度を180度変えた内観】

 そうした父親への態度が180度変わったのは、内観法に出会ったからである。
 内観法というのは、お世話になったこと」「お返ししたこと」「迷惑をかけたこと」とい3つの視点で自分の人生をふり返っていくものである。
 普通は母親から順番に調べていく。まず、母親に対して行ったとき、お世話になっていると思ってはいたが、これほどお世話になっていたとは……!と母親への感謝の念が深まった。
 次に、父親に対して内観してみて、ようやくいかに父にお世話になってきたか気づいた。
 「父に感謝する子108号」から一部引用する。

 それは12月の末。寒い雪の降る夜のことでした。
 銀行員であった父が夜9時頃「帰ったれ~。」と言いながら帰宅したシーンです。
 小学生だった私は、「お父さんだ!」と思い、すぐに玄関へ行きました。そして、「お帰りなさい。」と言いながら、融けた雪でさらに重くなった黒いカバンを引きずりながら居間に運んでいました。

 そのシーンが思い出された瞬間。
「そうなんだ! 父が毎日毎日遅くまで働いてくれたおかげで、僕は大学まで行け、就職もできたんだ! 父が毎日毎日40年近くも働いてくれたおかげなんだ!」と、ようやく深くお世話になったことに気づいたのです。そのとたん、涙が溢れ出てきました。

 父に対して、さして感謝の念を持たなかった自分。それどころか何かと母の味方ばかりして一緒になって父を責めたり、軽蔑したりすることすらあった自分。その父がいなければ、現在の自分はなかったのに……。
 その大恩ある父に対して、感謝の念を抱かず、それどころか軽蔑すらしていた自分。そのことに気づいたとき、涙が止まらないくらい溢れ出て、奥底から大きく変わった自分がいました。

 それから父への態度が180度変わりました。母の味方ばかりしていたのが、父の味方もするようになり、感謝の念で言葉遣いも自然と優しくあたたかくなりました。
 退職して朝のゴミ出しなどしていた父に「ありがとう。」と伝えたり(それまでは、「僕がかせいでいるんだから当たり前、適度な運動になって健康にいいだろう」などと思っていました。)、寿司を食べに連れて行ったり、おこずかいを渡したりとお返ししようと自然に体が動きました。

 実は、その父は8年前に急死しました。結納が終わり、結婚を1カ月後に控えた時期でした。しかし、内観をしていたおかげで、父に感謝しており、それまで優しく接していたので、後悔の念はありませんでした。(……以上、一部抜粋)


【かくてアキコに内観を!】

 こうした経験から、私はアキコが産まれてから「15歳まで(中学生のうち)に絶対に内観を経験させる」と決めていた。
 しかも、内観研修所は全国にあるが、私が受けたのと同じ、原アカデミーでの内観をさせると決めていた。

 かくて野球部での活動が終わってから、原アカデミーと連絡を取り、10月13日(日)東京で内観1日セミナー(心の曇りが晴れるセミナー内観ー)一人7,000円を受けさせることにした。
 当初は、アキコを会場に連れて行った後は、自分は東京見物でもしていようかと思っていたが、私自身も久しぶりに内観をしてみることにした。

【アキコの内観の成果】

 内観1日セミナーに出たアキコは、<この間のセミナーを受けてから、お父さんやお母さんへの見方が変わった。受けてよかったと思ったよ。そのセミナーの後も、他の本とか読んで心からお父さんやお母さんには感謝しなきゃだなあって思って、あのセミナーのおかげでアキコの心は大きく変われたと思う>と手紙をくれた。

 効果はあった。ただ、大人に交じっての内観は相当プレッシャーがあったようだ。

 やり方がわかったところで、一人で内観をしてみるように勧めた。
  アキコは、11月4日(月)午後から3時間だけ応じてくれ、私やあーちゃん(アキコからは祖母)など家族についてやってみたそうだ。

 私にお世話になった中で特に心に残っていることを一つだけ教えてほしいと言ったら、「小さいときに絵本を読んでくれたこと」と、アキコは答えた。

 あーちゃんについて同じように聞いたら、

①お世話になったことでは「クニコのお見舞いの帰りに海に連れて行ってくれたこと」、

②お返ししたことでは「敬老の日に手作りプレゼントをしたこと」、

③迷惑をかけたことでは「一人で淋しい思いをさせたこと」をあげていた。※ これは若い世代(つまり私たち夫婦とアキコ、クニコ)が2階で食事をしたりテレビを見たりして、その間あーちゃんが一人1階で過ごしていた時代を指している。

 もともと思いやりがあり、親や祖母思いのアキコであるが、そのアキコをもってしても、<心からお父さんやお母さんには感謝しなきゃだなあって思って、あのセミナーのおかげでアキコの心は大きく変われた>というぐらい、内観法には親への感謝の気持ちを育てる力があった。

 中3になっているアキコは、相変わらず私が出勤する際(朝6時50分から7時5分の間)、玄関口で「いってらっしゃい」と言ってくれる。帰宅時も、家に居れば「お帰りなさい。」と言ってくれる。内観を含めて、これまでの教育の成果だと考えている。

 内観を受けさせてよかった!


◆関連記事

革ジャンに込められた母の愛 第116号

◆キーワード:1 内観  2 親への感謝  3 親への反抗

◆留意点・その他

・内観というのは、「自分の内側ー心ーを観る」という意味です。
 赤ちゃんから乳児、園児、小学生、中学生、高校生、大学生そして就職……と、人が生まれてから現在までの人生を順に観ていきます。
 母親、父親、配偶者、兄弟、恩師、友人、職場の上司・同僚などの周囲の人との関わりを通して観ていきます。
 はじめにお母さんとの関わりを観ていきます。観点は、決まっていて「お世話になったこと」「お返ししたこと」「迷惑をかけたこと」の3点です。

 この内観は、通常、内観道場で、朝の6時頃から夜の9時頃まで1週間かけてじっくりとやります。私語は一切なし。黙々と自分と向き合います。

 1から2時間おきに、面接官が来て「この時間、誰についてどんなことを調べてくださいましたか。」と、聞きに来きます。
 そこで、「この時間は、お母さんについて、小学校4年生から6年生の頃について調べました。お世話になったことは、セーターを編んでもらったことです。お返ししたことは、よく豆腐を買いに行ったりお使いをしたことです。迷惑をかけたことは、高いお金を出して買ってもらった英会話教材をほとんど使わず無駄にしてしまったことです。」などと、報告します。

・本来の内観は1週間かけて全国各地にある内観研修所で行うものです。私自身は原アカデミーでの内観以外に、栃木県喜連川町にある瞑想の森内観研修所で1週間の内観を経験したことがあります。
 原アカデミーでは呼吸法なども使うことで、1日ないし2泊3日で行っています。それでも、素晴らしい成果が出ています。

・内観は、内観研修所等で面接官が付いた正式のやり方で一度はやってみて正しいやり方を体験してから独習した方がよいと思います。

・内観関連の本は創始者の吉本伊信氏の本をはじめたくさんありますが、次の3冊を推薦しておきます。


内観ワーク―心の不安を癒して幸せになる

内観ワーク―心の不安を癒して幸せになる

  • 作者: 三木 善彦
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本

感謝力―人生に成功と幸福をもたらすミラクルパワー

感謝力―人生に成功と幸福をもたらすミラクルパワー

  • 作者: 原 久子
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本

瞑想の人間学―真の願いをかなえるスーパーメソッド

瞑想の人間学―真の願いをかなえるスーパーメソッド

  • 作者: 原 久子
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 1998/05
  • メディア: 単行本


近況:
 ブログ「あったかい家族日記」がようやく1,000号を達成しました!

 ブログ年齢8年8ヶ月にしての快挙です。
 9年近くもの
間、よくがんばったと自分でも思います。
 ブログ開設当初は、ほとんど誰も見ていなかったと思いますが、現在では毎日500人以上、アクセス数も1日1,000以上となりました。
 内容もさることながら、続けたことの力であると思っています。

 ブログ「あったかい家族日記」の誕生日は、アキコが小学校1年生に入学した春「2005年5月24日」です。
 本ブログは、その日以来ずっとアキコ・クニコの成長に合わせて、そのときの親としての思い・対応を真摯に綴ってきたつもりです。

 2006年5月20日200号達成記念号には、『あったかい家族日記』プロフィールを載せています。
 基本路線はそのときと変わらないので、その記事から抜粋・引用する形であらためて本ブログについて紹介します。

 
■ブログ『あったかい家族日記』のプロフィールやめざすものなどを紹介します。

【ブログ名『あったかい家族日記』とその由来】
○あったかい家族を創ろうと決意した父親が、妻、長女アキコ(小2)、次女クニコ(3才)、祖母の5人家族との日々のかかわりとその思いを綴った日記です。

 当初は、家族の記録として始めたブログでした。つまり、父として記録、家族(娘の成長など)の歩みの記録、将来の娘へのメッセージとしてのブログです。
 現在は、「自分のミッション・ライフワークとして、あったかい家族を創り出し、その歩みとしての『あったかい家族日記』を書き続け」ています。

○「あったかい家族」という名前の由来:家族の憲法(2004年8月改訂版)を創るときに、今までめざしていた『落ち着ける家族』(2000年8月作成の初代家族の憲法)から、「助け合いと対話を大切にして、一人一人と心のつながりのある『あったかい家族』」をめざしたことから、この名を付けました。


【本ブログのめざすもの】
 本ブログは、親または家族を構成する一員として、あったかい家族、幸せな家族を創り出していくという願い(志)のもとに、日々生活している一家族の実践記録です。

 そして、その実践をブログ上に公開&シェアしていくことで、大きく言えば日本中にあったかい家族、幸せな家族が満ちていくことをめざしています。さらに、その幸せが地域社会、日本そして世界へ広がっていくことを夢見ています。 

【対象とする読者】
 家族で幸せに成功したい人、育児に悩みながらも真剣かつ楽しく我が子と関わっていこうという人を対象としています。

【本ブログを書く構え(特長)】
1.記事の内容について、役に立つこと、ためになること、心あたたまる内容を書くということです。私は、最低一つでよいから何か読者の心に残るものを書きたいと思っています。

2.記事を書く心構えについて、誠実に書くということが同じくらい大切なことだと思っています。本当に思ったこと・感じたことを書く、真実を書くという姿勢ですね。 そして、自分がやってもいないこと、確かめてもいないことをやったことのように、確かなことのように書かないということです。

3.自分が読者に「役に立つこと、ためになること」だと判断したことは、出し惜しみせずに、どんどんオープンにしていくということです。

 最近のブログ記事の例で言えば、自分がやってみてうまくいった「名文暗唱の方法」や読んで参考になった「ほけんだより」、「子供に受けた本」……など、どんどんオープンにしています。
 そうした情報をお互いにシェアし合う中で、大きく言えば「日本中が幸せな家庭になっていけばよい」と思っているからです。

4.より役に立つように、より参考になるように、追試(まねて試すこと)できるように書くように心がけています。コメントによく「参考になりました」とか「自分もやってみます」とかありますが、私がそのように意図して書いているのです。たとえて言うならば、おいしそうな料理の写真を載せるばかりでなく、「私もつくってみたい」と思った人のためにその料理法(マニュアル)も一緒に載せるという書き様です。

5.最後に、これが一番大切なのかもしれませんが、共通の悩みを持つ同じ親としての立場で書くように心がけています。

 「我が家では、こんなふうにしていますが、どうでしょう。」とか「私は父親としてこんなふうに考えて行動していますが、どうでしょう。」という感じで、あくまで評論家ではなく実践家としてのスタンスで書いています。

 これからもこのような心構えで、一つ一つ心を込めて、時には弱さや欠点もさらけ出しながら、息長く書き続けようと思います。

 今後とも、ご愛読のほどをよろしくお願いいたします。
 ……以上「2006.5.20 『あったかい家族日記』プロフィール」より抜粋・引用

 なお、ブログ1,000記事を達成した現在、本ブログについての感想などお寄せいただけると幸いです。


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