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中3アキコ、志望校をどうするか?!その1 第985号 [F2 臨時家族会議]

◆リード:推薦入学をめざしているアキコは、12月2日に希望高校を一応決めなければならない。中1からずっと体育、音楽を含めたすべての教科で最高の評価(通知表ベース)を得てきたアキコは、県下のどの公立高校でも大丈夫だそうだ。問題はその広い選択肢の中で、どの高校を選ぶかだ。

平成25年11月23日(土) 中3アキコ、志望校をどうするか?! 第985号

近況:
 11月23日(土)は結婚記念日。今日は、勤務校は大事な式典があり出勤日であったので、夕食後にお祝いのケーキを食べるだけであった。
 その代わり翌日の今日24日(日)、9時少し前に家を立ち、カーブドッチで温泉とランチでお祝いすることにした。
 10時少し前にカーブドッチに着いて、薪小屋レストランで11時にランチの予約をとった。そして、カーブドッチヴィネスパに1時間入浴した。11時に予定通り、薪小屋でリッチなランチをとり、16年目の結婚記念日を祝った。

カーブドッチ薪小屋ランチ.jpg

暖炉の火を見ながらのランチは私の憧れだった
 そして12時15分頃、カーブドッチを後にした。
 駆け足だが、クニコが午後2時からソロバンの試験(現在は珠算・暗算ともに初段。今回はそれ以上をねらっている。点数によって2段になったり、それ以上の段になったりするそうだ。)で1時15分までに自宅に戻らねばならないので仕方がない。


【志望校を決めるリミット迫る!】

■レベルは高いか遠いNA高校か、レベルは少し下がるが近いS高校か?!
 アキコは、推薦入学を希望している。アキコの成績は抜群(というかこれ以上よくならない成績)なので、校長曰く「県下のどこの学校でも大丈夫。」だそうだ。
 それなら一番レベルの高いNI高校へという訳にはいかない。なぜなら通学に1時間30分もかかるからだ。これは除外だ。
 できれば、同じ進学校でも、自宅から一番近く、妻と私が通ったS高校がいい。私が中学生の頃は学区制があり、できる子はだいたいS高校へ行っていた。いわゆるその学区の中での進学校である。
 ところが、ずいぶん前から学区制はなくなり、県下どの高校へ行ってもよいことになったのだ。おかげで、できる子がNI高校やNA高校などへも流れるようになってしまい、私と妻が通っていたS高校のレベルが下がってしまっていた。そうでなければ、通学時間が30分で済み、親の通ったS高校ですぐ決まりなのだが……。
 つまり、レベルの高いが通学時間が1時間かかるNA高校がいいか、レベルが少し下がるが通学時間が30分で親も通ったS高校がいいかということである。
 アキコ自身両方の学校を見学してきているのだが、未だに迷っていた。

■志望校を決めるタイムリミット迫る!
妻「12月2日(月)までに、志望校を決めて推薦入学の下書きを出さないといけないみたいよ。」
私「アキコは、NA高校とS高校のどちらに行くことにしたの?」
妻「それが未だに迷っているのよ。」
私「そうだろうな。」
妻「お父さんに相談しなさいって言ったの。そしたら、アキコ『お父さん職場のことで悩んでいるから、それどころじゃないんじゃない。』って。」
私「そうか。お父さんが職場の人間関係で相当悩んでいるのを知っているんだな。(笑)」
妻「そりゃ、そうよ。」
私「でも、大丈夫だよ。大事なことだし、土曜日か日曜日にじっくりと話を聞こう。」

【アキコと二人で進路のことで話す】

 夜8時30分過ぎのことである。
 アキコの進学のことについて、二人で話し合う(というかコンサル)することになった。場所は、私ファーザーの書斎である。

■はじめにー前提となる大切なことー
私「アキコは、S高校とNA高校でどちらの高校に行くか迷っているから相談に乗ってほしいということなんだよね。」

アキコ「うん。」

私「はじめに言っておくけど、高校は大学に行くための通過点だから、大事なのは大学の選択なんだよ。もっと言えば職業選択こそが大事なんだ。でも、通過点だからと言って、大事じゃないわけじゃない。たとえ希望の大学に行く(職業に就く)ことがゴールだと言っても、途中で水をあけられてはラストスパートでの挽回も難しくなるからね。
 そこで、S高校とNA高校のどちらの高校に行ったらよりいいかということだけど、結論を言えば、どちらの高校も進学校でレベルの高い大学には行ける。NA高校の方がS高校よりもレベルは高いけれど、S高校からだって(成績上位の方から)東大生は出ているし、NA高校だって成績下位の方ならレベルの高い大学は難しいだろう。ようはそれぞれの高校で、アキコがどんな構えで高校時代を過ごすかが一番の問題なんだ。

アキコ(真剣に聞いている。)

私「そうはいっても水が合う、合わないもあるから、高校の選択は大事だよね。
 そこで、アキコは、この間、S高校とNA高校でどちらの高校に行くか迷っていて、それぞれのメリットとデメリットを紙に書き出していたようだけど、どうだったの?」

■通学時間
アキコ「S高校は自宅から近くて(メリット)、NA高校は遠い(デメリット)。」

私「そうだよね。S高校は自宅から駅まで歩いて10分、電車で15分、下りて5分ぐらいだから、30分ぐらい通学にかかるよね。NA高校は、電車に乗っている時間が40分で、駅から下りて10分ぐらいだから結局倍の60分ぐらいかかるよね。」

アキコ「うん。」

私「あと、S高校はお父さんの勤務校の近くだから、帰りに車で迎えに行っていっしょに帰ることもできるかもしれない。こっちの方がアットホーム的かもしれないね。
 それで、この近い遠いの違いはアキコにとって、Aとっても重要、Bまあまあ重要、C少しだけ重要だとするとどのランクだい?」

アキコ「Aランク。」

私「そうだろうね。毎日のことだから大きい違いだよね。他には?」

■制服か私服か
アキコ「NA高校は私服だけだけど、S高校は制服と私服の両方ある。」

私「私服だけで制服がないと困るの。」

アキコ「制服がないと、毎日何着たらいいか悩まなくっちゃならないから、嫌なの。」

私「そうなんだ。で、そのことはアキコにとってどれくらい問題(重要)なの?」

アキコ「Bくらい。」

私「あれ、結構重要なんだ!で、他には?」

■学校行事(修学旅行など)の有無
アキコ「S高校は修学旅行が沖縄だし、入学後すぐに勉強の仕方を教えたり友達を作ったりするための宿泊学習があるからいい。 でも、NA高校は修学旅行はなくてスキー合宿があるだけ。」

私「(はじめからアキコはNA高校に修学旅行がないことを不満に思っていた。)ああ、修学旅行のことね。アキコは、修学旅行の沖縄は魅力なんだよね。ただ、NA高校でも、宿泊学習という形でなくても、勉強の仕方は教えてくれると思うし、友達だってできると思うよ。 それで、アキコにとってこの問題はどれくらい重要なの?」

アキコ「Cぐらい。」

私「Cか。それで他には?」

■学力のレベル差
アキコ「S高校よりもNA高校の方がレベルが高い。」

私「そうだよね。でも、アキコにとってどうしてそれが問題なの。」

アキコ「レベルが高い高校の方が、レベルの高い大学に行ける。」

私「(どちらの高校からでもレベルの高い大学に行けると思うけど、)可能性としては高くなるだろうね。他には、どうしてそれが問題なの?」

アキコ「NA高校では周りがすごいからプレッシャーになって、精神的にきつくなる。S高校だと、成績が真ん中よりも上の方にいられて、プレッシャーが少なく精神的に落ち着ける。」(これは母親の考え方そのものだ。)

私「なるほど、NA高校ではみんなすごくて、勉強をがんばるという感じでプレッシャーなんだ。でも、プレッシャーは悪いばかりじゃないよね。いい意味で刺激を受けて、自分もがんばろうとするじゃないか。」

アキコ「うん。」

私「周りが勉強する中だと勉強していても何も言われないけど、たるんだ空気の中だと逆に勉強していると悪く言われないか、アキコは少し心配しているとか、お母さんから聞いたけど……。」

アキコ(……。)

私「まあプレッシャーもいい面と悪い面があるんだよ。で、この学力差というかレベル差は、アキコにとってどれくらい重要なの?」

アキコ「Aぐらい。」

私「確かにAだろうね。それで他には? たとえば、先生とかはどうなの?」

■教職員は?
アキコ「S高校の方が先生の雰囲気がいい感じがする。NA高校の方は近寄りがたいというか、堅苦しい感じがする。」

私「それってどこからそういうふうに感じる?」

アキコ「なんとなく。カンで。」

私「うーん、直感か。ちょっと根拠がはっきりしないけど、なんとなくという直感も大事だよね。それで、アキコにとってこの問題はどれくらい重要なの?」

アキコ「BかAぐらい。」

私「BかAか、本当は教師の力量はとっても大事なポイントだと思うけど、一回見学したぐらいじゃよくわかんないしね。あと、友達との出会いも大事だと思うけど、それはどっちの高校でもありそうだし、予想もできないしね。 それで他には? たとえば、施設面とかはどうなの?」

 

■施設・設備面
アキコ「S高校は校舎が新しいし、図書館もよかった。NA高校は校舎が古かった。」

私「それで、校舎の新しい・古いはどれくらい重要なの?」

アキコ「Cくらい。」

私「なるほどね。それで、他には何かあるの?なんでも自由に言ってみて。」

■その他「ゆとりの有無」
アキコ「S高校の方が好きなことができるというか、遊べるというか、ゆとりがある感じだけど、NA高校の方は遊ぶどころじゃないという感じがする。」

私「確かに通学時間が毎日1時間も違うし、それだけとってみてもS高校の方がゆとりがありそうだね。それにNA高校は文武両道で勉強もがんばるし、部活や行事もがんばる、勉強だけでは社会に出ても活躍できる人にならないという方針の高校だから、体育祭など何かと忙しいだろうね。でも、その分鍛えられる。 それで、このことはアキコにとってどれくらい問題(重要)なの?」

アキコ「AかBくらい。」

私「確かに結構大事な問題だね。で、他には?」

■部活の練習時間
アキコ「NA高校は、部活の練習時間が一応6時20分までなんだけど、延長できるみたいなの。でも、S高校はどの部も6時30分までで終了。だから、その時間にきっちりと帰宅できるからいい。(予定が立てやすい)」

私「確かに終了時間はきちんと決まっていた方がいいよね。 で、他には?」(ここで入りたい部についての問答が少しあったが割愛する。)

■レベルの高いNA高校に入った方がカッコいい!
アキコ「NA高校の方がレベルが高いから、カッコいい。」

私「お父さんも、その気持ちはわかるし、お父さんの気持ちの中にも強くあったけど(今も少しあるけど)、その考え方にとらわれるのはやめた。それに高校ではなくて大学で勝負すればいい。高校は、希望の大学に入るためのステップなんだから。」


【文武両道で鍛えられるNA高校か、自由度が高く自分で律していくS高校か】
私「こうみていくと、S高校の方がゆとりがあって自由になる部分が大きそうだね。ということは、それだけ自分で計画を立てて自分を律していかないとダメだということだ。たとえば、ワタミ社長だった渡辺美樹さんみたいに、早稲田と慶応に合格した先輩に受験勉強に使った参考書を聞いてそれをやりきる計画を自分で立てて実行するみたいなことを自分でしないといけないわけだ。周りに流されないで。
 NA高校だと周りががんばるから自分もがんばるようになりそうだし、文武両道で鍛えられてよい反面、自分で自由にできるゆとりはあまりなさそうだね。タイトであっという間に3年間が終わりそうだ。(間)アキコはゆとりがある程度あって自分で自由に計画を立ててやる方と、そうでない方とどっちが好きかな。」

アキコ「(間)自分で計画を立ててやる方かな。」

私「アキコは学習塾に全く通わないで、ベネッセをやってきたんだから、そうだろうね。でも、土日がほとんどない状態の野球部の練習に耐えてきたんだから、アキコならどちらでも耐えられると思うよ。」

 かくて約1時間にわたったアキコと一対一でのコンサルが終わった。
 結論はでなかったが、アキコが志望校を決定する際のヒントにはなったようだ。(本人がそう言っていた。)


【私の考え】
 アキコとの会話を通して、父親である私もあらためてアキコの志望校を考えてみた。S高校であろうと、NA高校であろうとアキコの選択を尊重することに決めてはいる。
 そのうえで、一体どちらの高校がアキコにはふさわしいのだろうか。

■妻の考え
 通学時間が短く、成績が真ん中よりも上を維持できそうなS高校の方がよいと思っている。NA高校は通学時間も倍で長く、レベルも高くついていくのがきつい。アキコの場合は、むしろS高校に行ってのびのびと学習した方がよい。S高校だって進学校だし、そこで上位の成績をキープしていれば、ある程度希望の大学に行けるだろう。

■私の考え
 おそらくアキコはNA高校に行っても、ついていくべくものすごく努力するだろう。その結果、きつさに慣れ、3年間がんばり通すことができるだろう。土日なしの野球部の練習に耐えたのだから。その結果、文武両道で鍛えられるだろう。だから、NA高校をアキコが選ぶならそれでもよいと、私は考える。
 だが、アキコとの話し合いを終えた私は、NA高校よりもレベルは落ちるが、ゆとりがありその分自分で計画してやりくりできる自由度の高いS高校の方がアキコに合っているような気がしてきた。周りがすごくて、充実したカリキュラムの中で鍛えられるという教育環境も大事だが、自分で自分を律していくということ自体を学ぶことも大切だ。そうした力を身につけておけば、大学に入った後、目標を失い、気が抜けたようになってしまったり、受験勉強という苦役(?)から解放された反動で遊びほうけるということもないのではないだろうか。高校時代に自分で計画を立てて自分を律していくということを身につけておけば、大学に合格した後は、次の目標に向けて自分で自分を律していけるような気がする。(この力は別にNA高校でも必要な力だし、身につけることもできるだろうが、相対的にはS高校の方がその必要性が高い分、より強く身につくような気がする。)

 だがしかし、S高校とNA高校に同時に入学して比べてみることはできないわけで、結婚と同じで二者択一である。どちらがよいか(よかったか)などは、結局のところわからない。
 選択した高校でどういう構えで過ごすかが一番大事なことなんだろうと思う。「選択した高校でやっぱりよかった!」と言えるように。

 どちらの高校を選んだとしても、精一杯親として応援しようと思う。


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◆留意点・その他
・アキコは推薦入学をめざすとは言っても、模擬試験も受けており、試験を受けたとしても入学できるように受験勉強をがんばっている。(11月の実力テストでは3教科平均は校内1位、5教科平均は校内2位だった。)

・平成25年11月24日(日)に第二期166回父と子塾をした。今日ははしょって、17:40~18:25の45分間だった。メインのテキストは、斎藤孝『実語教』とショーン・コヴィー『7つの習慣ティーンズ』である。
 今日読み合わせた『実語教』70p.~71p.に次の記述があった。

「…◎向上心をもって、高いレベルで切磋琢磨しよう  今、私立中学を受験しようかと迷っている人がいるとすれば、私なら「受験できるチャンスがあるなら受験するのがよい」アドバイスします。別に私立中学に入らなくても、自分でしっかり勉強すればいい大学には行けるでしょう。ただ、レベルの高い学校にはやる気のある人たちが集まります。そういう場所にいると、自然とお互いに磨き合って、一緒に上を目指すことができるのです。これを「切磋琢磨する」といいます。
 スポーツのチームも同じですが、みんなで「やろう」と思っているところに、やる気のない人が混じっていると、全体の熱が冷めてしまいます。どうせやるなら、やる気のある人が集まっている場所に行った方がいいのです。レベルの高い中学を受験する意味も、そういうところにあります。
 勉強でも、スポーツでも、少しでもレベルの高いところでやりたい、と思うようになってほしいと思います。大学受験でも、東大や京大をめざすのもいいし、世界的に有名なハーバード大学をめざすのもいいと思います。でも、有名な中学、高校、大学に入っても、それで安心してしまって勉強しないのでは意味がありません。自分を磨くことが大事です。「どこにいても、チャレンジし続ける!」この気持ちを持っている人は輝いています。」

 アキコ、クニコそして私で読み合わせたのだが、切磋琢磨するにはNA高校の方がよいよいな気もするし、別にS高校でやる気のある人と友達を作ればそれでよいとも思う。どちらの高校を選ぶにしても、「どこにいても、チャレンジし続ける!」つまり、向上心をもって努力し続けることがやっぱり大事だなとあらためて思った。


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