夕食の団らん時はテレビを消す 第966号ー野球放送にはまっているアキコ・クニコー

◆リード：夕食時・後の家族の団らん。朝7時に出勤し夜7時過ぎに帰宅する私にとって、命綱のような貴重な時間であり、楽しみな時間である。ところが、最近ずっとアキコ・クニコが野球放送にはまって、家族の会話がうわの空状態であった。どうしたらいいのだろうか。

2013.5.1（水）夕食の団らん時はテレビを消す　第966号

ー野球放送にはまっているアキコ・クニコー

近況：
　5月3日は市内大会の決勝戦であった。結果は惜敗。アキコは、一度も打席にも守備にも入ることはなかった。あとで聞いたら、自らスコアラーを申し出たそうだ。いつも真剣に練習しているアキコに、監督がいらぬ配慮をしなくてもよいように自ら申し出たのかさだかではないが、これではたとえ1打席でも打席に立つことはないわけである。
　それでも、親子共々必死に応援した。

【野球放送にはまるアキコ・クニコ】
　土曜日を除いて夜はほとんどテレビを見ないわが家だが（「家族ゲーム」など録画していて朝食時に見ている）、最近アキコ、クニコが夕食時とその後、野球放送を見ている。お姉ちゃんをまねるクニコまで、しっかりと野球放送にはまっている。

アキコ「あーチャンスだったのに……。」

クニコ「あっ、ホームランだ！」

　食事中に消音（画面のみ出る）にしても、アキコ・クニコの心は野球放送。親子の会話がなかなか弾まない。
　それが毎日のように続いていた。食後、2階へ行ってから妻にこう言った。

私「うーん、野球放送がじゃまだな！」

妻「しょうがないでしょう。」（アキコ、クニコが楽しみにしているんだから。）

【家族の団らんは私にとって命】

　「野球放送を聞かなくても死ぬわけじゃなし。朝7時前に出勤し夜7時過ぎに帰宅する私にとって、何よりの楽しみが、夕食時または夕食後の家族との語らいである。これが、野球番組にじゃまされて、うわの空状態になっている。
　妻は「しょうがないでしょう。」というが、私には耐えがたい。極論すれば、この食事中・後の30分あまりのために、12時間余り働いてくるわけである。それなに、わが子の心は、野球放送に占領されている。いっしょに楽しめばよいのかもしれないが、野球放送はあくまで野球放送であって、わが子の今日の活躍ぶりが放映されるわけでも、活躍したわが子へのインタビューが放映されるわけでもない。

【アキコに宛てた手紙】

　たまりかねた私は、アキコ宛てに手紙を書いた。

■アキコへ
　お父さんは、朝7時に出勤して、夜7時過ぎに帰ってくる生活が続いている。唯一の、日々の楽しみは、食後（中）の家族との会話なんだ。アキコも野球のテレビ番組を見たいのだろうけど、15分だけでいいから、番組途中テレビを消して、家族との会話に集中させてくれないか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　父より

　

これを翌日の早朝にアキコに手渡した。

【その晩の様子は……】

　7時30分頃帰宅した私だが、アキコ・クニコは、やっぱり野球放送を見ていた。
　食卓にさっそく着いた私は、

「アキコ、テレビを消してもいいか。」

と聞いた。

アキコ「いいよ。」

　かくて、夕食をとりながら今日1日の出来事ーグッド＆ニュー（よかったこと、ニュースとなるような出来事のシェア）ーなど、アキコ・クニコから集中して聞くことができた。15分と少したった頃、会話も一段落した。

アキコ「テレビをつけてもいい。」

私「いいよ。」

　かくて、野球放送再開。アキコ・クニコは、野球番組を再び楽しんでいた。
　私は私で、15分でもしっかりと家族の会話ができたので、満足していた。
　手紙を書いてよかったと思った。

【1日15分でいいから、親子の会話の時間をとりたい】

　やっぱりうわの空状態では、うまくない。1日に1回は、テレビなどの邪魔者なしで、親子の会話の時間をとりたい。
　それには、やっぱり「そうしたい」という強い親の意思が必要だ。そして、そのための具体的な働きかけが必要だ。
　夕食時の団らんという伝統一つをとっても、その伝統を続けようという強い意思の存在が不可欠なのだ。それがあって、初めて伝統というものは維持される。今回の場合、私がテレビの存在を許容すれば、集中した親子の会話の時間はなくなったであろう。
　だが、私は許容しなかった。

　私は、やっぱり1日15分でもいいから、じっくりと親子で会話する時間をとりたいのだ。野球放送をいっしょに楽しむ時間以外に、うわの空状態でなくじっくりと親子で会話する時間を。
　その後もずっと野球放送があっても、夕食時・後、15分間はテレビを消して会話に集中している。
　

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