桂三枝独演会で感じた落語のすごさ 第879号2.5&2.0期ー1分間に3回笑わせるすごさー [D6 親が教える・その他]
◆リード:2月桂三枝独演会で、家族4人初めて生の落語を聞いた。やっぱり「プロ中のプロはすごい」と実感した。大いに笑ったし、学ぶことがたくさんあった。
2012.2. 桂三枝独演会で感じた落語のすごさ 第879号2.5&2.0期
ー1分間に3回笑わせるすごさー
近況:2月末、定例家族会議をやった。2月の振り返りで、クニコは、一番心に残った、楽しかったこととして、桂三枝の落語をあげた。
確かにおもしろかった。
【桂三枝の独演会チケット予約】
去年のことである。市のたよりを見て、2月□日に、桂三枝独演会があることを知った。
私「おっ、<新婚さんいらっしゃい>の落語家桂三枝が、市の文化会館に来るぞ! みんなで聞きに行こう!」
妻「うーん、落語か。」(それほど興味ないわね~)
アキコ「興味ない。きっと途中で寝ると思う。」
私「落語のプロが、アキコを寝かすかな!? まあ電話でチケットを予約しておくぞ。」
全席指定で3,500円(当日4,000円)。私は、さっそくチケットを予約した。なぜなら、どうせ観るなら、よい席で観たいから。
【桂三枝独演会当日】
いつの間にか、数ヶ月が過ぎ、桂三枝独演会当日を迎えた。
妻とクニコは、最前列で隣同士。私とアキコは、3列目で隣同士である。
前座の人の落語があり、桂三枝の登場となった。
はっきり言って、うまい!前座の人が、3分に1回笑いを取るとすると、桂三枝の場合は、1分に3回以上笑う感じである。格段の差である。
アキコ(中1)は、隣にいたのだが、私と同じ、1分に3回以上笑っていた。(というか、会場全体の人が、1分に3回以上笑っていた。)とても寝ている暇はなかった。
プロ中のプロのすごさをまざまざと感じた。
【桂三枝を通してみた落語のすごさ】
1回の落語は、1時間の授業に共通するものがあると感じた。
身近なネタから入り、まくら(授業では導入3分と言う)で一気に聴衆を引きつける。
余計な言葉は削りに削り、テンポよく話を進める。たとえば、三枝さんは、「ある老人が亡くなった。それからまもなく葬式の運びとなった。」などと説明する代わりに、葬儀屋をいきなり登場させ「喪主の方はどちらさまですか。」と言っていた。この一言で、聴衆は、「あっ亡くなったんだ。葬式に場面が進んだんだ。」とわかった。
登場人物や状況によって声の調子を実にうまく変えて、臨場感を出していた。一人で何役もこなすわけだが、見ていなくても、声だけで誰がどんな気持ちや状況で言っているかよくわかった。声の調子の変化だけでも笑いを取っていた。
表情、手や扇子ひとつなどを上手く使って、気持ちや状況を伝え、臨場感を出していた。手を顔に当てる動作だけで、だれだかよくわかるのだから、すごいと感じた。表情の変化だけで笑わせていた。
伏線とオチ、よく考えられていると感心した。
私が一番感心したのは、ディテールを大切にしていることであった。本当のことか、落語上のフィクションかわからないぐらい、ディテールの描写がすぐれていた。今もって、あの話はどこまでが本当の話で、どこからがフィクションかわからない。それくらいディテールの描写がすぐれていた。この点は、私が話をするときにはまねようと思った。
今回の桂三枝独演会。500名ほどが聞いていたが、年配の方が多かった。おそらく小3のクニコ、中1のアキコ以外、小・中学生はまず見かけなかった。
それでも、小3のクニコをして、2月で一番心に残ったこと、楽しかったことにあげさせた。中1のアキコを決して睡らせず、それどころか1分に3回笑わせた。
桂三枝(及びその弟子たち)の落語は恐るべしである。
アキコ、クニコに落語を聞く経験をさせて本当によかった。
私は、わが子に<できるだけ本物に触れさせる>という教育方針だが、今回も当たりだった。
桂三枝(及びその弟子たち)さん、本当にありがとう!
久しぶりに心の底から何度も何度も笑いました。
一人3,500円は安かったよ! ありがとう!
◆キーワード:1 父親を立てる 2 夫婦関係 3 クッキーday
◆留意点・その他:
・「新婚さんいらっしゃい」は、この4月で42年目を迎える(た?)という。一人の司会者(桂三枝)がずっと同じ番組を続けている中では、最長だそうだ(日本で)。私も子供の頃見ていたが、42年と聞いて納得した。
・同じ笑わせるでも、落語のプロは違う。以前の記事「低俗なテレビ番組に、いじめの責任の一端あり!」で、「……これは、笑いをとっているのではなく、笑われているだけだ。品が悪い!見ていて不快だ!」と書いたことがある。落語はユーモアがあり、知的だ。落語家は、頭がいいと思う。
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