TV,ゲームに子どもジャックされている現状を憂える [B2 しつけ:家族のルール・ゲーム・テレビ他]
◆リード:20日夜、家族4人でラーメンを食べに行った。ラーメンができてくるまでの、15分ほどの間は、テレビの邪魔もなく、意外にゆっくりと親子の会話ができる。そんなひとときを活かしたい。
2011.9.20 TV,ゲームに子どもジャックされている現状を憂える 第849号
ーテレビの邪魔がない貴重な時間を活かすー
*近況:実りの秋である。夕食後、しばしたってから、わが家は果物タイムである。最近は、ブドウ、なし(少し前は桃も)、栗と秋の味覚を味わっているわが家である。栗は栗ご飯ばかりでなく、ゆで栗も味わった。妻ではなく、実母が用意したのであるが、妻も実母もあまりゆで栗は好きではない。実母曰く、
「旬を味わうことも大切だから(自分は好きでないけれど)、子どもたちに出した。」
とのことであった。母親が野菜嫌いだと、そもそも食卓に野菜があまり上らず、子どもが野菜嫌いになっていくと言われる。自分が好きでなくても食卓に出す。我が母ながら、しっかりしている。
【ラーメンが来るまでの時間】
さて、20日(火)夕方、私は、無性にラーメンが食べたくなり、家族4人で近所のAラーメン屋に行った。結構混雑していた。
幸い、仕切りのある小部屋の席を取れた。
おのおのが好みのラーメンを注文。来るのを待った。
そこで、ラーメンができてくるまでの時間の使い方である。
わが家の場合、家族で外食を毎月少なくとも1回はしている。その家族そろって外食する場合、お店にある雑誌やマンガ本の類を見ることは原則として禁止してきた。雑誌やマンガが親子の会話を妨害し、家族そろって外食する価値が半減するからだ。
もう何年も(アキコが小学校へ上がってからずっと)そうしてきたので、今では特に注意する必要もない。
今回も、最近の出来事、読んだ本のこと、たわいもない会話などなど、ラーメンができてくるまでの間の会話を楽しんだ。
【話のネタ「花札」の秘密】
……(最近の出来事の会話後)
私「花札って何枚あるか、知ってるか?」
クニコ「24枚! ○△枚。」
アキコ「45枚?」
私「おしいな。同じ種類のカードが4枚ずつあるだろ。だから、4の倍数なんだよ。」
クニコ「25枚。」
私「だから、4の倍数だって。」
アキコ「36枚。」
妻「45枚で近いって言ってたでしょ。」
アキコ「40枚。 48枚。」
私「当たり。48枚。48÷4=12だろ。1種類のカードが、1年12ヶ月のどれかの月に当たってるんだ。」
クニコ・アキコ・妻(<ふーん、初めて知った>というふうな顔。)
私「じゃあ、菊の札は、何月だと思う?」
クニコ「3月? 4月?」
私「クニコ、本当に俳句の季語の勉強をしたの。去年の秋にY菊祭りに行っただろ。 10月と言いたいところなんだけど、旧暦で考えるから、9月で秋の札なんだよ。」
私「じゃあ、<月見で一杯>の、月の札は何月だ。」
アキコ「9月がお月見(中秋の名月)だから、旧暦だと1ヶ月早くなるから、8月。」
私「正解。そうだね。じゃあ、桜の札は何月?」
クニコ「4月。」
私「今の暦だと4月だから、旧暦では3月の札なんだよ。じゃあ、松に鶴は。」
こんな感じで、後「菖蒲」「藤にホトトギス」などを聞いていった。(中略)
私「花札は、今から400年以上も前に、オランダの水夫によって長崎に伝えられた<南蛮かるた>が元になっているそうだよ。以上、最近読んだ花札の本に載っていたんだ。(48枚のカードを季節ごとに割り当てる)日本の伝統文化って、よくできているな~て、お父さん感心したよ。」
何気なく見ていた48枚の花札。こんな秘密があったとは、自分自身びっくりした。俳句を学んできたクニコ、アキコにこの花札の秘密を是非教えてあげようと思っていたのだが、このラーメンができてくるまでの待ち時間を活かしたわけだ。
【DS,TV…にジャックされている子ども達】
もしも私が、待っている間、新聞や週刊誌を読み始めたら、当然そんな会話はできなくなる。もしもアキコやクニコが、マンガ本の類を読み始めたら、当然そんな会話はできなくなる。いずれにしても、せっかくの外食の価値が半減してしまうのだ。この場合であれば、この花札の秘密の話等々はできなかったわけだ。だから、わが家では、家族そろって外食する場合、お店にある雑誌やマンガ本の類を見ることは原則として禁止してきた。(DSの類を持っているのなら、持ち込むこと自体を禁止していたに違いない。)
しかし、そうでない家族は結構多い。せっかく家族で温泉に行きながら、湯上がりのほっとした時間に、DSに熱中している子ども。そんな子どもを前にして、話しかけることもできずにいる親。こんな光景はめずらしくなくなった。これでは、家族で温泉に来た価値が半減するではないかと、いつも思う。
佐渡に実家のある親しい友達がこう言っていた。
「10年前までは、カーフェリーが港に着くまでの間(約2時間半)、家族でトランプをしている光景がよく見られたんですよ。でも、最近は子どもはDSでゲームをしていて、親は携帯なんですよね。家族でトランプをしている姿はめっきり見られなくなりました。」
DSの類に、子ども達が親の手から奪われている。まさにハイジャックならぬ、
「子どもジャック」
である! そう言っていい状況ではないかと、私は考えている。(<子どもジャック>は私の造語)
ジャッカー(乗っ取り屋)は、DSばかりでなくTV,IT,携帯電話…など様々である。
これらが、どれだけ家族の会話を奪い、ふれあいの機会を奪い、おそらくは学習時間、貴重な睡眠時間すら奪っているか!
少し脱線するかもしれないが、今、子育てが難しいのは、容易に「子どもジャック」され(てい)る現状があるからである。
わが家は、親子の会話やふれあいを大切にしたい。だから、夕食時、会話をする際にはテレビを消す(朝食時は許容している)し、家族そろって外食する際には新聞、雑誌、マンガの類を読むことは禁止している。もとより、DSは、「持っていない最後に一人になれ!」と言って、買い与えてもいない。
いとも簡単に「子どもジャック」されている親の多いこと。親はあまりに無防備過ぎるのではないか! 私はそう思う。
【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」
わが家の「ゲームのルール」 第531号
ーバトルスピリッツカードの購入に当たってー
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◆キーワード:1 TV,DSのルール 2 家族のルール 3 親子の会話
◆留意点・その他
・最近、水谷修『夜回り先生50のアドバイス 子育てのツボ』を読んだ。「25 夜はゲーム、携帯、パソコンを使わせない」とあって、次のように書いていた。
「いつも考えていることがあります。
もしもゲームや携帯電話、インターネットやメールがなかったら、どれだけ日本の子どもたちは幸せだったか、悩むことなく優秀だったか。それに、子どもたちは退屈で家の中にいられなくなりますから、不登校や引きこもりの八割や九割は解決しているはずです。深刻ないじめや心の病の大半はなかったと思っています。
なぜ、機械である道具に、私たちの宝物である子どもたちがつぶされなければならないのでしょうか。道具はきちっと目的を持って使ってこそ、意味のあるものになります。たとえば、包丁は、料理をつくるために食材を切るという目的では必要な道具です。しかし、切る道具としてだけでは、人を殺す凶器にもなります。
子どもたちのゲームや携帯電話、インターネットやメールは、三歳児が手にする包丁といっしょです。三歳の子には親は簡単に包丁を持たせません。時間をかけて使い方を丁寧に指導するはずです。それまでは、手の届かない高いところや鍵のかかる場所に保管していたのではありませんか。でも、日本の親たちは指導も管理もしないまま、まずはゲームを、次に携帯、そしてパソコンを与えていきます。
今の時代、与えることはやむをえないのかもしれません。だとしたら、家族の中のルールとして、夜11時から翌朝の6時までは使わせないでほしいのです。…<中略ファーザー>…
「いい成績を取ったらゲームを買ってあげる」「成績が上がったら携帯を買ってあげる」と約束をする親がよくいますが、「なんて愚かなことをするのか。それでまた成績が悪くなるのに」と、残念でなりません。親はもっと深いところで考えてください。(同書84p~87pから引用)
同感である。親はもっと奥深いところで考えてほしいものだ。
私は、ゲームにはまっている子の保護者に、ゲームをしていい曜日を決めるとか、夕食後はゲームをしないなどのルール(歯止め)を決めるようにお願いしてきた。その結果、「土・日及びウイークデーの夕食後以降はさせない」というルールにした親もいたし、火・木・土など週3日だけ許可するという親もいた。いずれにしても、ルールを決めるようになった。
「ゲーム時間は1日1時間」とかいうやり方は(目安としては伝えても)、勧めなかった。そのやり方では、親はいつ始めたかを正確に測っていなければならず、管理しにくいからである。
「この曜日はできない」あるいは、「夕食後はできない」とはっきり決めてやれば、子どもはかえってゲームの束縛から離れ、自分でその時間を工夫して過ごそうとする。
子どもはまだ自分で自分をコントロールする力が弱い。このようにルール(歯止め)を決めてあげるのは、大事な親の役割である。
※ 『子育てのツボ』は、「第一部 子どもが幼いとき」「第Ⅱ部 子どもが小学生になったら」「第三部 子どもが中学生になったら」「第四部 子どもが高校生になったら」「第五部 子どもが問題を起こしたら」の四部構成になっている。
水谷氏が「家族の中のルールとして、夜11時から翌朝の6時までは使わせないでほしい」と書いているのは、「第三部 子どもが中学生になったら」の中である。つまり、中学生向けに「最低限のルール」として書いているのである。
私なら、<子どもがシングルエイジの間は、ゲーム機を決して買い与えない。どろんこ遊びをしたり、友達とかかわって遊び、思い切り体を動かして遊ぶ。>、<もしどうしてもゲーム機を買い与えるなら、子どもが10歳を超えてから。その際は、ゲーム機を使っていい曜日や時間帯を決めて、必ずそれを守らせる。>となるだろう。ただし、その場合、親は子どもとのふれあいや会話の時間が減る、学習時間が減るなどを覚悟しておくべきである。
花札が欲しくなりました(^^)
ゲームについてのルールは同感です。
ただ、私が住んでいる環境では泥遊びや自然に触れることを日常にするのは無理だと痛感しています。だからこそのルールだと思うのですが。。
バーチャルでは得られない物に気付いて欲しいと、子育て期をもっと大切にして欲しいと、偉そうなことは言えませんが、私も切に思います。
by momomo (2011-10-01 23:37)
>momomoさんへ
コメントありがとうございます。
わが家の場合、室内野球やビーチボールサッカーなど、6畳の部屋と廊下をつなげてやっていました(今はやらなくなりましたが)。トランプやウノ、卓上のサッカーゲーム(お互い指で操作します)やドラホッケーなど、二人以上でやるゲームもよくやりました。(こちらは、今も時々やります。)
バーチャルだと脳の前頭前野の部位がよく働かないのですが、人相手の将棋やトランプなどだと、前頭前野がよく働くという実験をNHKがずっと前に紹介していたのです。そういうこともあって、まず知能や社会性を育てるためにも、いわゆるDSゲームの類は敬遠しました。自然に触れるというよりも、人に触れることを大切にしていました。その中で、ルールを守ること、人とかかわって楽しむこと、準備や片づけのこと、親子の絆などを教えていけたと思います。この人とのふれあいがあまりないというのが、バーチャルの最大の問題だと考えています。
アキコが2、3歳頃、私の勤務の関係でアパート住まいだったことが2年間あります。目の前が砂場で、同じアパートの子どもたちとよく砂遊びをしていました。ただ、自然とのふれあいについては、私はもう少しやってあげればよかったと思っていました。
その代わり、ボーイスカウトをやっていた私としては、アキコが高学年になったら、キャンプをしたいと考えていました。ところが、まだ1回しかしていません。おまけに中学になったら部活に忙しく、なかなか家族でのイベントができにくくなりました。それでも、10月中に、1回キャンプをやる予定です。
子どもはあっという間に大きくなるので、その時期、その時期を、私も大切にしたいと思っています。
by ファーザー (2011-10-02 18:43)
※ 本文では、シングルエイジの間は決してゲームを与えないと、強い言い方で書きましたが、ほどよくつき合う道もまたあると思います。
ゲームをやってよい日を決めるようになったある子は、ゲームをやれない日に楽しく雪合戦をやったり、雪だるま作りをしたことを日記に書いてきました。ゲームをやれないことが決まっているならば、子どもは子どもでそれ以外の遊びを工夫するんですね。だから、ゲームをやってはいけない日を決めればいいと思います。
by ファーザー (2011-10-02 18:56)