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最高のおみやげ 第815号 [D6 親が教える・その他]

◆リード:母が4泊5日の中国旅行から帰ってきた。いろいろなおみやげを買ってきてくれたのだが、一番のおみやげは?!

2011.4.30 最高のおみやげ 第815号

H23母の書いた書.JPG

母の書いた書

 4月27日(水)、母が4泊5日の中国旅行から帰ってきた。
 母の所属する書道協会が、中国の書道協会との交流も兼ねて、毎年実施しているものである。今回は、上海、鄭州、登封、洛陽、上海と巡り、少林寺拳法の故郷少林寺を見たり、中国最古の仏教寺院・白馬時を見学したり、世界文化遺産「龍門石窟」を見学したりするコースであった。途中、中国の書道協会の方々との交流会もあった。

 おみやげを買ってくるのにいちいち神経を使わなくても済むように、家族の希望や意見を聞きながら集約し、中国旅行出発前に(日本で)、パンダのクッキーなどのお菓子類やペンなどをファックスで注文していた。(※ これで中国旅行のおみやげと言えるのかな?)おかげで、母が中国旅行から帰ってくる前に自宅に届いていた。

 それでも、母は、中国でパンダのマークの入った服やら、時計やら、アキコ、クニコ、タカちゃんへのおみやげを少しは買ってきていた。


【最高のおみやげ】

 母が無事中国旅行から帰り、中国で撮った写真などを見ながら、みやげ話を聞いていた。「黄河はものすごく大きい。」とか、少林寺拳法の技の話、世界文化遺産の「龍門石窟」の話……などなど。

 そこで、中国の書家との交流の話となった。

母「向こうの書家との交流で、中国の書家から字を書いてもらったんだよ。」

みんな「えー、見せて!」

母「名刺ももらってきたんだけど、上海の書道協会会長の書だから、すごい価値があるよ。」

私(名刺を見ながら)「じゃあ、上海で一番書がうまい人っていうわけ。1万、2万じゃ買えないおみやげだね。」

母「そうだろうね。お母さんを入れて3名しか書いてもらえなかったんだよ。みんなすごくうらやましがってた。 でも、(弟子の)Aさんにあげようと思ってる。」

私「どうして、お母さんが(書を書いて渡してその代わりに)書を書いてもらったんだろ。」

母「そうだけど、Aさんは楽しみにしてた中国旅行に行けなくなって、かわいそうだから。」

私「別に他のおみやげやっても、いいじゃん。それ一番価値があるよ!」

 今回の中国旅行には、母の弟子2名も一緒に行く予定だった。弟子の一人Aさんもとても楽しみにしていた。ところが、5日ほど前になって、Aさんの義母(姑)が、突然倒れて入院となり、旅行に行けなくなったのだ。

母(う~ん。しばし、沈黙する母。)

 Aさんは、初めての中国旅行でとても楽しみにしており、事前に書を書いて、中国の書家からも書を書いて欲しいと願っていた。というのは、事前に中国の書家に渡す書を書いてきた人だけが、中国の書家から書を書いてもらえる条件だったのだ。

 義母が倒れ、その看病に忙しいAさんの代わりに、母は「(弟子のために)書いてもらえるように。」と強い願いを込めて、必死に練習し、作品に仕上げてもっていったそうだ。

母「でも、はじめからそのつもりで書を書いてもって行ったんだよ。」

私「でも、もらってきたらあげるねって約束してたの。」

母「約束していた訳じゃないけど…。 タカ(妻)ちゃんはどう思うね。」

タカちゃん「別にお義母さんの思った通りで、どちらでもいいと思います。」

私「う~ん、まあ最終的にはお母さんの判断だけどね……。(もったいないな~)。」
 
 欲の深~い私であった。


【初志貫徹】

母「私はAさんのために必死で書いていったんだて。執着なんてないて。」

 こう言って、母は、当初の願い通り、弟子のAさんのお宅を訪れ、書を渡した。

 Aさんは、大喜びで、

「家宝にする!」

と言っていたという。

 かくて、わが家にあるはずの最も価値の高かったであろうおみやげは、弟子のAさん所有となった。

 そこで、最高のおみやげは何かである。最高に価値あるおみやげは、Aさんの家宝となった「書」だと、私ははじめそう考えていた。

 が、中国旅行を楽しみにしながら行けなかったAさんのために、必死で書を書いた母。実際にもらってきた書を、私の誘惑にもめげず、初志貫徹、おしげもなくあげた母の生き方そのものだと考え直した。

 つまり、私は、この母の価値観・生き方こそが最高の価値あるおみやげであると。

 年齢がいくつになっても、親は子どもに生き方の手本を示せる。75歳の母にしても、そうである。
 私は子育て真っ最中。わが子に価値観や生き方の手本を示したいものだ。それこそが、わが子に残す最も価値ある遺産であろうから。


【関連記事】あったかい家族日記  「家族の広場」

『お金も、時間も惜しんで精力的に学んだ母』 第784号

『学費以外はすべて自分でかせいだ母』 第783号

『母の生き方に学ぶ』 第781号

『祖母の人生から学ぶ』 第780号

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 ◆キーワード:1 模範となる  2 親の生き方・価値観  3 親の語り

◆留意点

・書の写真は残っているので、後でアップ予定。

・後で聞いたところによると、日本にもってくれば、その書の価値は約20万円とのことであった。

・5/9アキコは眼科に行った。アレルギー性結膜炎だという。さらに、視力は0.1。眼鏡をかけた方がいいという。結論として、原久子氏の「視力回復呼吸法」にかけてみることにした。「これでダメなら、眼鏡をかけよう」と。
 今晩のところは、その最初のストレッチ体操を親子でやった。まず、3週間。そして、3ヶ月チャレンジというところだろう。


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qooo

お母様の優しい心遣いに、Aさんは、
喜ばれた事でしょうね。
本当に喜んでくれる方にあげるのが一番。。。と、
お母様はお考えになったのかもしれませんね。
感動しました。

by qooo (2011-05-13 21:37) 

ファーザー

>qoooさんへ
本当に喜んだようですね。
その話を母から聞いて、やっぱり母の考えの通りにAさんにあげてよかったのだと思いました。

私自身も母の生き方に感化され、母のようでありたいと思いました。

by ファーザー (2011-05-22 05:28) 

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