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ヘルプからサポートへ~子どもの心のコーチング~ 第801号 [I-3 親の構え・役割]

◆リード:NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事、『子どもの心のコーチング』他多数の子育て本を執筆している菅原裕子さんの講演&体験セッションに参加してきた。演題は「親子がしあわせに自立する子どもの心のコーチング~ハートフルコミュニケーション~」であった。

2011.4.3 ヘルプからサポートへ~子どもの心のコーチング~ 第801号

 午後1時から4時30分まで、菅原裕子さんの講演&体験セッションに参加してきた。

 菅原さんの本は3,4冊読んだことがあり、せっかく近くに来られるのだからと、参加してみた。
 さすがに講演はうまい。まず、具体例が多く、聞きやすかった。どの具体例も、「習い事を辞めたいと言い出した子への対応」「朝一人で起きれない子への対応」など身近で共感できそうだったり、「社会人になった息子が風邪で会社を休むのに、母親が電話連絡した」などあれっと思わせ興味を引く事例だった。声の調子も、子どもと母親、あるいは怒っている時と機嫌がいい時など、立場や状況に応じて使い分けており、聞きやすかった。

 時間配分や構成もうまかった。
 2時間の講演のうち前半は、自立を促すために次の三つが必要なことを話された。

①愛することで自己肯定感を育てること
②責任(自分の課題ー朝起きるetc.ーに自分でチャレンジする)をもたせること
③人の役に立つ喜びを教えること

 後半は、「子どもの話を聞くコミュニケーション」について、いかに親として子どもの話を聞いていないか、それを変えるにはどのような聞き方がよいのか、ペアでロールプレイを交えながら話された。
 講演に参加された親たち120名ほどは、私を含め、初めから最後まで退屈せず聞き入っていた。


【体験セッションで】

 その後、休憩を挟んで、約1時間の体験セッションがあった。6,7名ずつのグループに分かれての体験セッションがあった。

 テーマは、「ヘルプとサポート」であった。

 講演の中で、菅原氏は「できないことをやってあげることがヘルプ。魚を捕れない人にとってあげることです。それに対して、サポートは魚の釣り方を教えてあげることです。0才児にはほとんどヘルプですが、成長するにつれてヘルプの部分は減っていきます。……」(文責ファーザー)と言い、いつまでも魚を捕ってあげていってはいつまでたっても、自分で魚を捕れるようにならない。「サポートしながら子どもにさせるのは大変で、自分でやった方が手っ取り早い」と思いがちだけど、釣り方を教え、自立させる必要があると話されていた。

 これを受けての「ヘルプとサポート」というテーマであるから、参加者の頭の中は、「ヘルプからサポートに移行することがよいことで、それには親としてどうしたらよいか。」という前提があった。

 一人で朝起きること、自分で着替えること、一人でトイレに行くこと……。

 多くの参加者から出されたのは、

○子どもにやらせるよりも、自分でやった方が速いし、楽だから、つい自分でやってしまう。

○親自身がつい感情的になって叱ってしまい、後で後悔してしまう。落ち着いているときはうまくできるのだけど…。一貫性がなくて、子どもはきっととまどっているのでは…。(この間はやってくれた・OKだったのに、今度は「自分でやって」と言われた・叱られた……。)

 この2点であった。
 グループ内に1名おられる司会の方が一人一人の話を共感して受け止めながら、できるところからサポートに切り替えていく方向へうまく話し合いをリードしていた。

 わが家でも、妻がカレーライスや野菜サラダの作り方を「母と子の料理教室」で教えるとき、「自分一人でやった方がずっと楽だわ。倍疲れるわね。」と言っていたのを、今思い出した。しかし、妻は子どもをサポートして、魚の釣り方ーカレーライスや野菜サラダの作り方ーを教えた。最近は、トイレ掃除の仕方を教えた。

 おかげで、アキコは一人でカレーライスを作れるようになり、クニコも一人で野菜サラダを作れるようになった。トイレ掃除も原則として毎日やってくれていて、妻はトイレ掃除から解放されている。
 ちなみに、私はご飯の炊き方をアキコ、クニコに教え、ご飯炊きから解放された。

 私も確信をもってこう言いたい。

「教えて身に付くまでは確かに大変ですが、十分に報いられますよ!」

と。あと、

「子どもが『やりたい! やらせて! 自分でやる!』と言ったときが、いいタイミングですよ。」

と。

 だが、私が体験セッションの場で言ったことは、少し違っていた。

「…今中学1年生になった長女は5年生前半までで、一緒にお風呂に入れなくなりました。今は小3の次女と二人でお風呂に入っています。そこで、いつも髪を洗ってあげるというヘルプをしています。長女並みに考えると、あと2年ほどで髪を洗ってあげるヘルプはできなくなります。それまでヘルプを楽しもうと思います。」

「…できるようになるために、あるいは…できるんだから、自分でさせることも大切でしょう。でも、お茶を入れてあげたり、水をこぼしたら拭いてあげたりすることで、愛情が伝わることもあります。だから、ヘルプで愛情を伝えることも大切じゃないでしょうか。」

「わが子がなかなか自分でできるようにならなくて、イライラしている妻に『…そんなに心配しなくても、あと3年もすれば、みんな自分でできるようになってるよ。』などと言ったこともあります。ほおって置いても(サポートを強く意識しなくても)、自然にできるようになることもあります。」

 ヘルプを楽しもう! いつかヘルプをしたくてもできなくなるから。

 ヘルプを楽しもう! 子どもはそこに愛情を感じるから。

 自立、自立とあせらないで、子育てを楽しもう! いずれ子どもは自立していくから。

 もちろん、いつまでもヘルプではいけない。タイミングを見て、やらせてみよう!いずれは、自分で魚を捕れなければいけないのだから。そのことは、子どももわかっているから。

【関連記事】あったかい家族日記  「家族の広場」

わが子のトイレ掃除 第776号

お手伝いをさせる理由!  第738 号

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◆キーワード:1 ヘルプとサポート  2 自立  3 子育て講演会

◆留意点・その他:

・こちらは、教育の専門家であるから、もちろん自立を目指している。今この子には、どこまで要求できるか。言い換えれば、サポートがどこまで必要か(減らせるか)をいつも考えている。サポートの仕方も、どんなサポートが必要かいろいろ知恵をしぼっている。ただ、日本人は真面目なので、ヘルプよりサポートがいいと考えると、とたんにヘルプをすることに罪悪感をもってしまったり、サポートしなくてはいけないのにそれができていない自分を責めたりということがある。だから、今回は、「ヘルプも大切だよ。ヘルプを楽しもうよ!」という発言になった。

・親であっても、一人の人間。イライラしていて、いつもは叱らないでいることを叱ってしまったり、感情をぶつけてしまうことも、時にはある。
 今日も午前中アキコに「ねえ、嵐の新しいCD、ipodに入れて。」と頼まれた。私は、「今日はこれから講演会に行くんだ。忙しいからダメだ。」と言った。アキコは「いつならいいの。」と言うので、「じゃあ、明日の夜ならね。」と答えた。親だからある程度は、感情をコントロールすることは必要だ。だが、相手の都合やイライラに配慮できるように少しずつ育てていくことも大切だ。「ああ、今は仕事で忙しいからだめなんだな。」と。いつも自分中心で回っているわけではないことを、子どもにも教えていく必要があると考えている。
 そういえば、妻も「私はあなたの召使いじゃないのよ。」と、アキコに言っていたことを思い出した。


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NLPファン

今度参加してみたいです。
by NLPファン (2011-04-06 02:35) 

ファーザー

>NLPファンさんへ
是非機会があったら、参加されるといいですよ。

NLPについては、5年間毎月東京に通って、マスタープラクティショナーまでとりました。現在でもとても役立っています。
by ファーザー (2011-04-08 21:55) 

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