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卒業式 色紙・賞状・感謝の手紙 第796号 [O4 特別支援教育]

◆リード:6年生になって特別支援学級に在籍したAさん、そして1年生からずっと特別支援学級に在籍していたBさん。卒業式の後、二人には写真とメッセージの入った色紙と賞状を贈り、保護者には手紙とプレゼントを贈った。逆に子どもと保護者からも色紙と手紙とプレゼントをいただいた。

2010.3.25 卒業式 色紙・賞状・感謝の手紙 第796号

【卒業式での呼名をどうするか?!】

 卒業式練習が本格化する3月はじめ頃のことである。

 私は、2名の卒業生を担任していた。(正式には31日まで担任であるが)

 一人は、6年生になって特別支援学級に在籍したAさん。結果として体育や音楽、理科などを除くほとんどの学習を、私が個別指導することになった。(全校で一番指導が難しいと言われていた子)

 もう一人は、1年生から特別支援学級に在籍していたBさん。今年度は、Aさんに私がほぼ全面的に付くことになったので、1日1時間しか見られなくなった。しかし、手塩にかけて1年生から大事に大事に育ててきた子である。
 この子が卒業するまで私が責任をもって指導して、この子が卒業するとき私もこの学校を卒業(転勤)しようと決めていた。


【卒業式の呼名は親の希望で】

 卒業式練習が本格化してきた3月の初め頃のことである。

私「卒業式の呼名をどうしたらいいでしょうね。私としては、これまで真摯に教え育ててきたので自分で名前を呼んであげたいのはやまやまだけど、来賓の方、地域の方も来られるし、この子達はこの地域で生きていくのだから、通常学級担任が呼名した方がいいでしょうかね。」(特別支援学級に在籍していることが、来賓の方、地域の方に分かってしまう。もっとも、ほぼ分かっているだろうが……。)

 初めは、「特別支援学級に在籍しているのだから、先生でしょう」という感じであったが、保護者に呼名の希望を取っている学校もあることが分かり、結論として保護者の希望を尊重することにした。

 まず、Aさんの保護者に電話。

私「~卒業式の呼名は、A先生から(通常学級担任)がいいですか、それとも私からがいいですか。~」

Aさんの保護者「(遠慮がちに)他の子と同じように、そのままA先生からお願いします。」

私「わかりました。そのようにします。」

 次に、Bさんの保護者に電話。

私「~卒業式の呼名は、A先生から(通常学級担任)がいいですか、それとも私からがいいですか。~」

Bさんの保護者「(間髪入れずに)B先生(私のこと)にお願いします!お父さんと相談して、卒業式では先生に名前を呼んでもらうようにお願いしようと決めてました!」

 予想していたとはいえ、正直うれしい!

 Bさんの場合1年生から6年生までずっと指導してきたので、私の手で名前を呼びたかったのが、本音である。

 Aさんもこの1年間かかりっきりであったが、1年生から5年生は通常学級に在籍していたし、Aさんの保護者の選択は、それはそれで尊重したい。

 それぞれの保護者の希望を尊重しての、卒業式での呼名となった。


【卒業式後…】

 卒業式が終わり、記念撮影が済んだ後、Aさん、Bさんとその保護者(二人とも母親)は、特別支援学級に集まった。
 そこで、私は、AさんとBさんにそれぞれ写真とメッセージの入った色紙と賞状を渡した。
 それぞれの保護者にも、手紙とあるプレゼントを渡した。

■1年生からずっと担任してきたBさんへの賞状

『大きく成長したで賞』

 6年前入学して以来、Bさんは着実に成長してきました。ご飯をはじめ野菜、豆腐まで食べられるようになりました。漢字やローマ字を読んだり書いたりでき、日記も毎日書くことができました。特に日記は、見たこと感じたことが、あたたかく表現されていて、読んでいて気持ちよかったです。
 交流活動も、音読発表会、運動会、修学旅行、陸上大会、音楽発表会、六送会と同じ学年のみんなと仲良くできました。特に委員会では、紙芝居の発表もできました。本当に成長しました。先生はとってもうれしいです!
 これまでの努力をたたえ、それを賞します。


■Bさんの保護者への手紙

拝啓
 ご卒業おめでとうございます。
 6年前、Bさんと共にこの学校に着任して以来、Bさんを担任し、Bさんの成長ぶりを見てきました。

 「大きく成長したで賞」には、書ききれないぐらいの成長があり、ドラマがありました。
  お米を食べること、毛筆やローマ字に挑戦すること、音楽発表会に参加すること、文化祭で同じ題材に挑戦すること……。
 ジャンケンを知らなかったBさんにジャンケンを教え、勝ち負けが分かるようになると勝ちにこだわり負けるとパニックを起こしたBさん。そのBさんが、普通に七並べや大貧民などのトランプ遊びを休み時間にみんなと楽しめているのです。

 はじめからあきらめることをせず、やれそうなこと、可能性のあることはやらせていこうという方針でやってきました。 
 こちらの根気が試される場面も多々ありましたが、Bさんは見事にそれに応えて、素直に努力を続け、着実に成長していったと思います。
 そんなBさんと6年間共に学習できて本当によかったです!
 お父さん、お母さんの協力もとても助かりました。
 ありがとうございました。

 4月からはA中学校での学習になります。よいスタートが切れるように、中学校の先生方には、Bさんのことしっかりと引き継いでいきます。
 よいスタートが切れ、楽しく充実した中学校生活を過ごせることを心から祈っています。                                    敬具  
 
                                                                  
                                  
    追伸 『就労=自立を実現する教育』をプレゼントします。Bさんは絶対に就    職できます。そのために、親としての支えが大きなポイントになります。参考にされてください。


 私がBさんに賞状を渡し、保護者への手紙とプレゼントを渡したと同時に、Bさんからは色紙を、保護者からは手紙とプレゼントをいただいた。

 Bさんからの色紙も、保護者からは手紙もそれはそれは心のこもったものだった。

 ここには紹介できないが、色紙も手紙も永久保存版である。

【関連記事】あったかい家族日記  「家族の広場」 

O4 特別支援教育

感動した卒園式 第575号


◆キーワード:1 卒業式  2 特別支援教育  3 保護者

◆留意点・その他:

・Bさんは入学時一粒もお米が食べられなかった。1年余りかけて、ようやく食べられるようになった。


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