習い事をめぐっての家族会議 第792号 その2 [F2 臨時家族会議]
◆リード:小2のクニコは、習い事で月曜日から土曜日まで埋まっている。そうした中で、新体操では来年度、育成コースを立ち上げるという。元オリンピック選手の指導者から直々に誘いの電話を受けたが、どうしたものか?!家族会議が始まった。
2010.3.15 習い事をめぐっての家族会議 第792号 その2
前号からの続きです。
前号の話し合いでは、既に月曜日から土曜日まで習い事があり、育成コースのハードな練習日程ではとても参加できないこと。他の塾を辞めてまで参加する気がないこと。オリンピック選手になりたいというような気持ちはないことなどから、育成コースには参加しないというのが、昨夜のわが家の結論であった。
そのことを、新体操教室で妻が送迎する際にs先生に伝えることになっていた。
《育成コースのハードな練習日程》
月曜日は、5:00~8:00
水曜日は、7:00~8:30
木曜日は、5:00~8:00
土曜日は、10:00~2:00
ところが、私が帰宅すると……。
妻「お父さん、ゴメン。ちょっと(新体操の件)違う方向になったわ。」
クニコはニコニコしている。
私「さては、やることにしたな!」
妻「週2回ということでね。詳しくは夕食後に話すわ。」
こう言って、夕食を作り始めた妻。
私「だったら、どれか塾を辞めなければダメだぞ!」
こう一言だけ言っておいた。
【家族会議再び】
妻「『やりたい気持ちもあるんですけど、他にも習い事が多くて…、残念ですけど無理です。』と言ったら、『どれくらいだったらいいんですか。』と聞かれたの。だから、『週2回ぐらいだったら、なんとかなります。』って答えたの。そしたら、『それでもいいです。何曜日と何曜日がいいんですか。』と言われたから、『水曜日と木曜日なら』って答えてきたわ。」
クニコ(週2回でもよいということになり、うれしそうな表情をしていたクニコであったが、私がそれでも反対しそうで、心配そうに見ている。)
私「だったら、他の習い事をどれか辞めなきゃだめだ!」
妻「水曜日の新体操は、5時から6時に元々あったのを7時から8時30分にするだけだし、木曜日ぐらいソロバンの時間はずらしてもらえるから(辞めなくても)なんとかなるでしょう。」
私「何言ってんだ!1日だけ増えるって言ったって、5時から8時の3時間もじゃないか。育成コースをやるなら、習い事のどれかを辞めなきゃだめだ!」
妻「結局(子供の希望ではなくて)親が辞めてもいいと思うのを辞めさせるのよね。」
私「そんなことは言ってない。どうしてもやりたい1番を残すなら、2番以下を切らなきゃだめだと言ってるんだよ。(間)冷静になって、クニコの習い事の現状を見てくれ。」
《クニコの習い事の現状》
■月曜日…4時15分~5時45分までエレクトーン教室(家から車で5分。年少から通っている。)
■火曜日…3時10分から4時30分まで小学校の児童館で過ごした後、4時30分から6時20分までソロバン教室(小学校のすぐ前。小1の9月から通っている。)。
■水曜日…5時から6時まで新体操教室(家から車で10分余り。小1の2月から。)
■木曜日……3時10分から4時30分まで小学校の児童館で過ごした後、4時30分から6時20分までソロバン教室(小学校のすぐ前)。
■金曜日…3時15分から4時30分まで書道教室(自宅で祖母が開いている。もちろん、クニコ以外にも、時間帯は違うが、小学生から大人まで教えている。保育園年長から。)
■土曜日…10時から11時30分。七田チャイルドアカデミー(N市。車で1時間。2才から。)
月曜日から土曜日まで全部埋まっているんだよ。クラスの中に他にこんな子がいるか!? まだ小学2年生だぞ。睡眠時間だって9時間必要だから9時に寝せるとなれば、帰ってきてお風呂に入って寝るだけだ。家族の交流の時間なんかなくなるぞ。」
妻「うーん。他の子が自由におしゃべりしたり好きにしている時間に習い事をしていると考えれば……。それに2日間だったら、習い事を辞めなくてもいいと、お父さん言わなかった。」
私「そんなこと言ってないぞ。だいたい1日増えると言ったって、5時から8時の3時間だろ。ソロバンは火・木と1時間30分ずつで3時間だから、ソロバン2日分増えると同じだろ。」
クニコは、さっきまで育成コースに参加できると思ってニコニコとしていたのが、一転して声を上げて泣いている。
妻「私が悪かったのよ、(育成コースは)やめるということで本人はいったん納得したのに。(方向転換して)クニコ、ごめんね。」
クニコは泣きながら、「いいの。」と言う。(クニコは、お母さんはクニコのやりたい気持ちを汲んでくれての行動だと知っている。)
私「ボクだって、クニコのやりたい気持ちに応えたいんだよ。でも、今でいっぱいいっぱいだよ。睡眠時間の確保も大事だし、家族の交流の時間も大切だし、大会に参加となれば家族旅行も制限されるだろうし……。家でゆっくりとくつろぐ時間も大切だし、宿題をする時間だっているんだよ。新体操の練習時間を増やすんだったら、他の習い事を切らなきゃダメだよ!」
妻「お父さんが言っているのは、ソロバンを辞めろということ。」
私「エレクトーンでもいいよ。月曜日のエレクトーンを辞めるということは、その時間ばかりでなくて、週2,3回しているエレクトーンの練習時間も減るというだから。」
クニコは、話し合いの間の約30分間、育成コースに参加したくてずっと泣き通していた。こんなに泣いているクニコを見るのは、初めてであった。
だが、私も必死であった。どう考えても、クニコの習い事はいっぱいいっぱいだと思ったし、時間が限られている中で他の習い事を切らずに育成コースに2日間新たに参加することは、無理がくると思えたから。家族と遊んだり会話を楽しんだりする時間、睡眠時間、ゆったりとくつろぐ時間、宿題などの学習をする時間、読書やテレビを楽しむ時間、友達と遊んだり会話したりする時間……が犠牲になると思えたから。
私「目を覚ませよ!」
結局8時から8時30分余りに及んだ家族会議の結果、おそらくはs先生にとって破格の条件であったろう育成コース2日間案への参加も取りやめとなった。
翌日の木曜日、クニコがこう私に話した。
クニコ「あのね、クラスのみんなにどれくらい習い事をしているか聞いてみたら、3つというのが一番多くて、習い事5つというのは、クニコしかいなかった。」
私「だろ。納得したかい。」
クニコ「うん。」
妻は、「クニコが大きくなり高学年になったら、ソロバンを辞めて、中学の部活のような感覚で新体操をやらせてみればよい。」と、今は考えている。
クニコも、それまでは今まで通り、週1回のコースで続けることに納得といか、がまんできた。お姉ちゃんのように、高学年になってからやってもよいと思っている。
今日金曜日。妻は、s先生にやっぱり2日でもだめなことを話した。
S先生は、クニコにとても期待していて、すごくがっかりされたという。
妻は、「高学年になってももしOKだったら、よろしくお願いします。」と話したという。
クニコには、もう一度こう言った。
私「時間は限られているんだから、やりたいからと言って増やせないんだよ。家族と話したり遊んだりする時間も大切だし、睡眠時間も大切なんだ。ゆっくり休む時間も大切だし、友達と遊んだり、本を読んだり、テレビを見たりする時間も大切だろ。宿題をしたり、エレクトーンの練習をしたりする時間だって大切なんだ。だから、他の塾を減らせないんだったら、新しく習い事を増やすのはダメなんだよ。」
クニコは、わかったというように、黙って聞いていた。
以上が、習い事をめぐっての、家族会議の顛末である。
私としては、クニコの可能性を一つつぶしたのは間違いないが、正しい決断であったと考えているし、ほっとしている。
少なくともクニコが高学年になるまでは、私は、アキコの時のように、たっぷりじっくりクニコとかかわりたい。絵本の読み聞かせをしたり、いっしょに遊んだり、いっしょにお風呂に入ったり、いっしょに映画を見たりしたい。父と子塾も毎週したい。親としてクニコに一番近い存在、いつもそばにいる存在でありたい。
いつまでも、「ねえ、お父さん。ねえ、お母さん。」ではないだろうから。
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◆留意点
・クニコへの読み聞かせであるが、クニコが小1の間に、「ほるぷ」こども図書館こじかコースを全部私が読み聞かせた。
今まで私がクニコに読み聞かせた中で一番長い本は、『マリと子犬の物語』で1時間半ほどかかった。ちなみに、私がアキコに読み聞かせた中で一番長い本は、『十五少年漂流記』であった。
今週クニコに読んであげた本は、小学館学習まんが人物館シリーズ『アンネ・フランク』であった。
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