陸上大会の結果と親の対応 第750号 [J2 ほめる・励ます・認める]
◆リード:アキコ(小6)は、9月の陸上大会、10月のマラソン大会を目指して、7月の下旬から毎朝走り始めた。朝練を続けるアキコだが、校内の練習ですら陸上部のBさんに勝てない。親としてのサポートもしたが、結果は……。
2010.9.30 陸上大会の結果と親の対応 第750号
ー陸上大会800m走・マラソン大会に向けて その3ー
第746号で書いたように、アキコは、7月の夏休みに入る直前から陸上大会当日の9月30日までの約2ヶ月間、親友と二人で朝練を続けた。
第747号で書いたように、親としていっしょに練習したり、アドバイスしたり、大会1週間前の生活管理(睡眠時間の確保、食事など)をしたりしてきた。
しかし、差は縮まってきたにしても、校内の練習ですら、陸上部のBさんに勝てない。
まして市内大会である。昨年の市内大会では、5年女子800m走で第1位であったが、今年は厳しい情勢である。
めあては、ベストタイムを出すこと。
最高のめあては、母(妻)が6年生だった時の記録「800m走第1位 記録2分47秒9」を破ることであった。
約2ヶ月間も、自主的に朝早く走ることを続けてきたアキコを見ていた親としては、できるだけのことをしてあげたい。が、当日の今となっては、応援するしかない。
私と妻は、午後から年休を取り、実母と義母と合わせて4人で応援した。
【6年女子800m走の結果】
5年女子800m走が終わり、6年女子800m走が始まる。
市内7校の代表選手がスタートラインに並んだ。
アキコの学校からは、アキコと親友でずっといっしょに朝練を続けてきたAさん、そしてあと2名の4名が並んだ。
「位置について。用意。バン(ピストルの音)」
一斉にスタートするアキコたち。私は、スタート時に転んだ経験があるので、スタートがスムーズに行くように祈った。
短距離走のように、すさまじい速さのスタートだ。
半周200mを過ぎた所で、アキコは1位に躍り出た。
300m、1周が過ぎたところでまだ1位。去年と同じような展開だ。
ただ、前回は2位以下を20m~30mほども引き離していたが、今回は7~8m後ろにぴったり2位以下が3名ほど付けていた。私の心には、不安がよぎった。
500m、600m、700mも、まだ1位だった。
ラスト直線コースの100m。前半はまだ1位。しかし、後半ラスト50mを超えた辺りから、2位以下がラストスパートをかけてきた。もともとすくなかった差がどんどん縮まっていく。
「アキコ、がんばれ!」(後ろ来てるぞ!)
ゴール直前10m、アキコは他校の子供に抜かれた。
義母によれば、そのとき一瞬アキコの顔がゆがんだという。
そこで気が少し抜けてしまったらしい。
その後、もう一人に抜かれた。
なんとゴール半m前でさらに二人に抜かれた。
かくてアキコは、5位となった。
1位のタイムは、2分50秒3
2位のタイムは、2分52秒2
3位のタイムは、2分52秒6
4位のタイムは、2分52秒9
5位のタイムは、2分53秒4(アキコのタイム) であった。
アキコはベストタイムは出した。
校内でずっと負けていたBさんにも勝てた。
しかし、最後の最後で力が尽きた。アキコは、後ろから追い上げてきているのはわかっていたという。(ただ、こんなに大勢いたとは思わなかったろう)でも、抜かれても抜き返す余力はなかったのである。
中学校体育専門の教師も応援に来て、アキコの走りを見ていた。妻によれば、<2位ぐらいに付け、体力を温存しておいて、ラストスパートをかければ勝てだろう>と言っていたそうだ。
妻も、「1位を取った子に負けたのはしょうがないけれど(差が3秒ある)、ゴール直前で抜かれたのは気を抜いたからだわ。」と残念がっていた。義母や実母も、「『後ろ来てるよ!』と大声を出せばよかったかの~。」と言っていた。
アキコにしてみれば、去年は同じように1位を走り続け、そのまま逃げ切った。だから、同じようなやり方をするのも無理はない。1位の子は陸上部で鍛えられていた子だったし、なぜか今年のアキコの通う学校では、夏休み中は全く練習しなかったのである。それに、2回あるはずの総合グラウンド(大会の会場)での練習も、雨のため2回ともできなかった。アキコの体も太めになってきた…。
こうした中で、7月から約2ヶ月も自主的に練習を続けたアキコ。そして、自己ベストタイムを出したアキコ。ゴール10m前まで1位を走り続け、最後までがんばり通したアキコ。
1位はとれず、母親が30年前に出した記録も破れなかったが、アキコは本当にがんばったし、すばらしいと思う。
【400mリレー結果及びその後…】
その後、しばらくしてアキコは、6年女子400mリレーの第一走者として出場した。こちらは、今年も第1位を取った。記録は、1分1秒3であった。
9月からの練習で、雨も多く、さほど多くの練習をしていないだろうに。(もっとも他校もそうかもしれないが)
それでも、チームで協力し合って、800m走では取れなかった1位をとった アキコは、大喜びだった。もちろん、私を含めて家族4人、みんな喜んだ。
がしかし、私は、800m走第5位ベストタイムの方がずっと価値があると考えた。2ヶ月間も、親友といっしょに、自主的に朝早く起きて練習を続けたのだから。最後の最後まで力の限り走り切ったのだから。
そこで、アキコにこう伝えた。
私「アキコ、がんばったね。お父さんは、400mリレー1位もすごいけれど、それよりも、800m走第5位の方が価値があると思うよ。ずっとAちゃんと、毎朝走っていただろ。」
アキコ「うん。」
私「また、アキコは本当にがんばったから、子ほめ条例で好きな本を買ってあげようかな。」
アキコ「うれしい! ○△本がいい!」
こうして、小学校生活最後の陸上大会は幕を閉じた。私は、アキコにとって、去年以上に価値のある大会だったと思う。
そして、家族みんなが応援し、その絆もまた一つ深まったように思う。
【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」
マラソン大会「わが子の優勝目指して親子で練習」 648号
◆キーワード:1 子ほめ条例 2 ほめる 3 陸上大会
◆留意点
めあてが、『ベストタイムを出す事』というもの。
とてもよいですね〜!!!
本当に、アキコちゃん、頑張りましたね。
お疲れさまでした!
by qooo (2010-10-09 10:14)
>qoooさんへ
コメントありがとうございます。
ベストタイムは、自分との戦いで、クリアーできる目当てですから。1位にこしたことはありませんが、これは相手のある話ですから、本人の努力だけでは、必ずクリアーというわけにはいきません。
相手には関係なく、アキコはベストを尽くしたと考えています。
次号に詳しく書きましたが、本当に価値ある5位だと考えています。
過程をも含めて、ベストを尽くしたアキコに拍手ですね!
by ファーザー (2010-10-12 21:09)