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出版に成功する条件は何か!ー友人が出版に成功!- [O5 マスコミ・出版・セミナー]

2010.6.15 『友人が出版に成功!』

ー出版に成功する条件は何か!-

 20年来の親しい友人が本を出版した。それも、一度に3冊。

ダメな英語活動・よい英語活動―小学英語マイスターが語る違いはどこか

ダメな英語活動・よい英語活動―小学英語マイスターが語る違いはどこか

  • 作者: 渋谷 徹
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 単行本

メディア: 単行本

「英語ノート・5年」35時間のteacher talk―体験から語るコミュニケーション能力を育てる授業

「英語ノート・5年」35時間のteacher talk―体験から語るコミュニケーション能力を育てる授業

  • 作者: 渋谷 徹
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 単行本

「英語ノート・6年」35時間のteacher talk―体験から語るコミュニケーション能力を育てる授業

「英語ノート・6年」35時間のteacher talk―体験から語るコミュニケーション能力を育てる授業

  • 作者: 渋谷 徹
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: -

 

 小学校教員、中学校英語教員、塾の英語の講師など、英語教育に携わる人には、強くお勧めしたい三冊だ。理論的であり、実践的である。敬和学園大学客員教授で、津田塾大学オープンスクール小学校英語講師養成講師である外山節子氏が推薦文を書かれ、太鼓判を押している。

【出版に成功した原因】

■ 同じ小学校教員である渋谷さんが、出版に成功した原因は、何だろうか。

 まず、第一に英語教育について、卓越した指導力をもつ人ー第一人者ーであった。平たく言えば、その出版する分野で、トップクラスの能力があった。

 例えば、2003年~2004年NHK「スーパーえいごリアン」研究協力員を務めたし、『子ども英語』(マルク)や『小学校英語セミナー』(明治図書)などで、実践論文を発表していた。
 多くの人が渋谷さんの英語の授業を参観に訪れたし、渋谷さんもまた各学校を訪れ実際に英語の授業を見せたり、講演したりしていた。
 3年ほど前だったろうか、NHK総合テレビでも30分ほど、渋谷さんの英語の授業の様子が流れた。
 ここが大切なのだが、子供たちは渋谷さんの英語の授業を心から楽しみ、かつ英語の力を身につけていった。
 なお、渋谷さんは、平成21年度文部科学大臣優秀教員でもある。

 出版する分野で、トップクラスの能力がなければ、出版などできない。読者は、この場合で言えば、英語教育について学びたいと思っている教育関係者であり、書籍というツールを通して、自分よりもずっと優れた指導者から学びたいと思っているからである。

 
■ では、どうして渋谷さんは、そうした卓越した英語教育についての指導力をもったのであろうか?

 小学校教員として、英語教育についての実践の場があった?!
 確かにそれは、必要だ。だが、そんな人は大勢いる。それは、大々前提である。

 元々能力があった?!
 確かに渋谷さんは、石ではなく玉であった。だが、「玉磨かざれば光なし」という格言があるように、元々の能力だけでは、光を放つことはない。

 能力を磨く場、学び合いの場があった。自分の実践を発表し、それに対してフィードバックをもらう場。仲間の実践を聞き、それから学ぶ場があった。しかも、それを何年間も続けてきた。

 あとがきによれば、「PENの会(Primary English in Niigataの略称)」や「小学校英語を創る会」がそれである。

 また、そこで渋谷さんは、自分の3年間の英語教育を自己否定せざるを得なくなるような人ー小泉清裕氏、Tom Mernerーとの出会いも経験している。また、敬和学園大学客員教授で、津田塾大学オープンスクール小学校英語講師養成講師である外山節子氏からずっと指導を受けてきている。つまり、長年、質の高い学び合いの場に身を置き、能力を磨いてきたのである。

 出版に値するほどの能力を磨くためには、実践をまとめ発表する場、それに対してフィードバックをもらう場、いわゆる修行の場。言い換えれば、学び合う仲間や力のある指導者の存在は、不可欠であろう。


■ では、編集者の目にとまり、出版のチャンスをもらったのはなぜか?

 英語教育の分野でトップクラスの実力をもち、専門雑誌に登場したり、あちこちで実践を発表したりとしていれば、自ずと編集者の目にとまる。

 編集者は、その道の実力者を見つけて、その能力を引き出し、世に送り出すことが仕事である。当然、必死になってそうした人を探している。

 渋谷さんは、自称「トップクラスの実力者」でなく、周囲が認めた「トップクラスの実力者」であった。

 もちろん、出版する分野についての実力者であることはもちろん、文章にして分かり易く読者に説く力(筆力)も必要だ。
 ※ 本を読めば、その力は十分過ぎるくらいあることがわかる。もともと渋谷さんは、国語の実践家だったのだ。

 ただ、トップクラスの実力があれば本が書ける、編集者の声がかかるかと言えば、おそらくは違うだろう。

 商業出版である限りは、需要がなければいけない。著者の主張が、時代が求めていること、何らかの問題解決に役立つものでなければいけないのである。
(※ この辺りをコーディネイトするのが、編集者の大きな役割であろうと思う。)

 ここが大切だと考えるが、渋谷さんの場合、『ダメな英語活動・よい英語活動』の通り、現在よくある

①「ALTに丸投げしている状況」、

②「民間の英語塾教師に丸投げしている状況」、

③「『英語ノート』を唯一の教材とした,『英語ノート指導資料』掲載のプランに忠実な授業」

を否定し、(「上のような授業を続けていると、おそらくは英語嫌いの子どもが量産されることになる」と渋谷さんは、まえがきで書いている。)

 新しいオリジナルな英語の授業(もちろんより子どもが英語を好きになり、より英語の力が付く授業)を提案していることである。

 まとめると、

①周囲が認めた「トップクラスの実力者」であること、

②文章力があること、

③問題のある現状を憂い、何らかの問題解決に役立つことを書けること

であろう。


■ 多忙を極める渋谷さんが、3冊もの本を書きあげることができたのはなぜか?
 
 渋谷さんは、研究校であり、中心校の教務主任である。夜10,11時まで学校で勤務しているのが常態であるという。要するにメチャクチャ忙しいのである。

 家に帰ってもへとへとなはずだし、そもそも時間がないはずである。

 しかるに、渋谷さんはやり通した。

 ないなかから時間をひねり出すいくつかの工夫なり、ノウハウはあったろう。

 これまで、実践し、まとめ、発表してきた自分の英語指導に自信もあっただろう。(ここは本当に大切だと思う。)

 しかし、根本は、「ALTに丸投げしている状況」、「民間の英語塾教師に丸投げしている状況」、「『英語ノート』を唯一の教材とした,『英語ノート指導資料』掲載のプランに忠実な授業」を憂い(このままでは英語嫌いの子どもが量産されることになる)、「何としても、子供たちによりよい英語教育の場を保障したい」という熱い思いであり、志であったろうと思う。(※ この夏にあって飲み交わしながら、この辺りのことを聞いてみたい。)

 
 以上、友人が出版に成功したことから、『出版に成功する条件は何か』について見てきた。

 次号では、自分の場合は、そうした条件を満たしているかどうかを分析してみたい。


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西角けい子

ご友人のご出版、おめでとうございます。私は以前、民間で児童英会話講師をしておりました。 学会発表の後、小学校でも約1年、教えさせていただいたので、興味深いです。 ブログ、とても懐かしく気持ちで、拝読しました。 子どもに教える仕事は、工夫がすべてですものね。 私の原点です。
by 西角けい子 (2010-06-19 15:36) 

ファーザー

>西角さんへ
コメントありがとうございます。

本当に子どもに教える仕事は、工夫が最大のポイントになりますね。そのために、教師自身が勉強しないといけないと、いつも思っています。

 セミナー参加や専門書を読むことなど、ずっと続けています。
 著者の渋谷さんとは、自主的サークルを創って15年間ほどいっしょに勉強してきました。そんな渋谷さんの出版は、私にとってもとてもうれしいことなのです。
by ファーザー (2010-06-20 08:54) 

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