『子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!』 第722号 [C2 学習]
◆リード:西角けい子『子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!』を読んだ。西角氏の経営するステージメソッド塾では、難関公立中高一貫校に、4年連続地域No.1の合格実績だという…。
2010.36.5 『子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!』 第722号
ー子どもはお母さんのために勉強している!?ー
*GREETING*
こんばんは。 ファーザーです。
今朝早くから勤務校の資源回収に参加してきました。学校サイドの責任者なので、早めに学校に着き、終わりまでいました。業者は夫婦2名だったのですが、私はトラックの荷台に乗って、雑誌を次々と受け取りながら、整理して積みあげていきました。業者の一人といったところでした。
さて、午後4時からは、「父と子塾」をしていました。
その中でいつも読んだ本の紹介コーナーがあります。子供たちに読んだ本について、話してもらうばかりでなく、父親である私も読んだ本を紹介するようにしています。
今回は、『子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!』の内容を、アキコ・クニコ一部紹介しました。
【あいさつができるかどうかで、子どもの将来は変わる】
アキコ、クニコが読んだ本を紹介した後で……
私「お父さんは、『子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!』を読んだよ。この著者の西角けい子さんは、10年愛されるベストセラー作家養成コースで半年間いっしょに学んだ仲間なんだよ。」
アキコ・クニコ(ふ~ん。)
私「この本の中で<あいさつができるかどうかで、子どもの将来は変わる>という一節があるんだ。ちょっと読んでみるよ。」
あいさつは人としての基本ですから、子どもには一緒に勉強している仲間にもきちんとあいさつするよう指導します。 ところが、一部の大手進学塾ではまったく正反対の指導をしているようです。 ゆいちゃんのお母さんは、大手進学塾に通っていた中学生のお姉さんと私の塾に通っていたゆいちゃんの違いにとても驚いていました。 高校受験を控えていたお姉さんは大手進学塾に通っていましたが、そこでは「この教室にいる自分以外の人間はみんなライバルと思え!」という指導を受けていました。 自分以外はみんなライバルですから、隣の席で一緒に勉強している人にさえ、あいさつすることはありません。 実際、受験当日に塾で隣の席に座っている子を見つけたお姉さんは、「隣の子が来ている」と言ってあわてて目を伏せたそうです。そして教室に入るまで一度も目線をあげることはありませんでした。 それに対して、ゆいちゃんは、私の塾で同じコースに通っている友だちを受験会場で見つけると、「おはよう。がんばろう」と互いにエールを交換し、一緒に教室に入って行ったのです。 お母さんは、「あまりに違うのでびっくりしました」と話し、「どうして先生はそんな指導をしているのですか?」と尋ねました(同書 152p~153pより引用)
私「さあ、どうしてそんな指導をしていると思う。(しばし間)それは、こんな理由からだよ。」(こう言って続きを読む。)
西角「あいさつは人の基本マナーであり、相手を選んでするものではありません。ですから、まずは友だちや先生からきちんとしたあいさつをしようと、口うるさく言うのです。
あいさつがきちんとできない子は、いくら超難関大を出ても、世の中で生き残っていくことはできないでしょう。私は子どもが社会に出て実力を発揮し、活躍していく子とを願って、あいさつの指導をしています」(同書154pより引用)
私「お父さんも同じ考えだよ。社会に出て実力を発揮し、活躍していくには、あいさつがきちんとできないとダメだと思うよ。」
アキコ・クニコ(ふ~んという顔で聞いている。)
私「アキコは、自分以外はみんなライバルだというこの大手進学塾と、<おはよう。がんばろう>とエールを交換し合うこの塾とどっちがいい。」
アキコ「あいさつをし合う方。」
私「そうだろ。いっしょに勉強している仲間としてお互いにがんばろうよって、声を掛け合える方がハッピーだよね!」……父と子塾での一コマ終わり
※ ハッピーなばかりでなく、その方がお互いに切磋琢磨してお互いが伸びると思う。
ちなみに、この塾では、「誰かが日本一(学力テストなど)になったらみんなでアイスクリームを食べてお祝いしよう」という感じなのである。
【子どもはお母さんのために勉強している!?】
西角氏によれば、
「子どもは、大好きなお母さんのために勉強している」
という。(木下晴弘さんも同じようなことを書いていたが、私もこの要素が非常に強いことは認めざるを得ない。)
このことをもう少し受け止めやすいように翻訳すると、
「お母さんの笑顔や、お母さんからの自分を認めほめる言葉を聞きたくて勉強している」
となろう。
だから、『子どもの成績は、お母さんの言葉で9割変わる!』となるのである。
【はぐくむ言葉とつみとる言葉】
西角「お母さんが自分を認める言葉をかけてくれたら、子どもはうれしくなり、やる気が湧いてきます。これがやる気を呼び起こす「はぐくむ言葉」です。
逆に、大好きなお母さんから否定的な言葉ばかりかけられたり、がんばっている姿を認めてもらえなければ、子どもはガッカリし、だんだんやる気を失います。
これが「つみとる言葉」です」
それぞれ次の例をあげている。
■はぐくむ言葉
□おはよう □ありがとう □気をつけてね □いってらっしゃい □そうだよね □信じてるよ □応援しているよ □うれしそうだね □うまくいってよかったね □時間どおりにできたね □約束、守れてるね □片付けたね □きちんと伝えられたね □大丈夫! □仲よく遊べているね ……<中略>…… □おやすみ
■つみとる言葉
□早くしなさい!/さっさとしなさい!/グズグズしないで! □勉強しなさい! □集中しなさい! □なんでそんなことしているの! □いつまでテレビ見てるの! □マンガばっかり読んでいちゃダメ! □いい加減にゲームをやめなさい! □あの子とつき合っちゃダメ! □あの担任(塾の先生)ハズレよね! □塾って、しょせん、お金儲けだからね □お母さんは疲れているのよ! □あなたのことを考えるだけで、気が重くなるわ! ……<中略>…… □○○さんはあんなにできるのに、どうしてあなたはダメなの! □あなたなんて(子どもなんか)産まなきゃよかったわ □お母さん、もう死にたいわ ※ 以上引用
さて、ここまで読んできた読者から
「はぐくむ言葉がいいのは、わかるのよ。でも、ついつみとる言葉を言ってしまうのよね!」
という声が聞こえてきそうである。
実は、この本がいいのは、この疑問にも答えていることだ。
西角氏によれば、三つの理由があるという。
■1「甘やかしてはダメ」という意識
■2お母さん自身の不安
■3わが子の可能性を信じられない気持ち
教師として多くの保護者に接してきた経験、私自身の親としての経験から考えても、この三つの理由は、(母)親にありがちであると思う。
例えば、私は、「このままでわが子は大丈夫だろうか」という不安感から、ついつい子どもに厳しくあたりがちな保護者を見てきた。それに対して、私は、その子の伸びている点、がんばっている点を伝えて、安心させるようにしてきた。親自身の不安感から厳しく叱責するようなやり方からは、子どもの学ぶ意欲はしぼんでしまうからだ。
中学受験、高校受験、大学受験……をやがては迎える母親(保護者)、現在迎えている母親(保護者)にすれば、できるなら子どもにはぐくむ言葉を多くかけ、子どもの学ぶ意欲を引き出し、志望校に合格させたいはずだ。
そんな母親(保護者)には、お勧めの一冊だ。
【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」
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◆キーワード:1 受験 2 ほめる言葉 3 父と子塾
◆留意点・その他:
・いっしょに学ぶ友だちを「共に学び合う仲間」と見るのか「競争相手として敵視」するのかは、天と地の違いである。今後の生き方・価値観をある側面で決定づけるほどの意味をもつのではないだろうか。
ある大手の進学塾では、「この教室にいる自分以外の人間はみんなライバルと思え!」と言っていたそうだが、親や塾の教師は、言葉遣いに慎重でありたい。
このたびは、拙著「子どもの成績は、おかあさんの言葉で9割変わる!」をお取り上げいただき、ありがとうございます。多面的に分析していただきましたこと、私自身も参考になりました。これからも一読者として、ブログ、楽しみにしています!!
by ニシカドケイコ (2010-06-10 23:50)
>ニシカドケイコさんへ
コメントありがとうございます。
受験生をもつ親はもちろん、多くの親に参考になる本だと考えて、紹介させていただきました。
「普通の子が次々日本一になったニシカド式勉強法」「難関公立中高一貫校に、4年連続地域NO.1の合格実績」とあって、武勲がずらりですね。 本ブログでは、ごく一部を紹介していますが、内容も、保護者や子ども自身の証言がたくさんあり、著者自身の失敗談も織り交ぜてあって、とても説得力が高いものになっていると思います。
この本を読んだ、わが子が中学、高校受験をめざしている親は、子どものやる気を削いでいた「つみとる言葉」を反省し、「はぐくむ言葉」を使うようになるでしょう。親が変わることで、子どもはハッピーに受験勉強することになるでしょう。つまり、親も子もこの本が出版されたことで、ハッピーになるのです。
母親である妻にも読んでほしいということで、現在本を預けています。
ところで、私も、親を変えることで、子どもも親もハッピーになるような、影響力のある本を書きたいものだと強く思いました。
by ファーザー (2010-06-12 07:05)
育む言葉、つみとる言葉。。。
とてもわかりやすい、分類ですねえ。
私は、家族に対して、特に子どもに対しては、
言葉をものすごく、選んで口にしてるんですよね〜。
とっさに、つみとる言葉がでないように、
やっている事なのかもしれません。
言葉の持つマジックって、スゴいですよね。
ご紹介の図書、是非読んでみたいと思いました。
by qooo (2010-06-14 15:05)
>qoooさんへ
紹介した図書お勧めですよ。
子どもは、「お母さんの笑顔や、お母さんからの自分を認めほめる言葉を聞きたくて勉強している」というのは、真実だと思いますから。
親は、子どもにとって最も身近なお手本であり、モデリングの対象です。言葉について言えば、親の使う言葉自身が、最も身近で最も影響の大きい言語環境です。
私など、よくない言葉遣いも子どもにまねされて、「まずい!」とはっとさせられることもあります。
by ファーザー (2010-06-20 08:55)