父母への感謝のはがき 第718号ーきっかけ作りがポイントー [B1 しつけ:あいさつ・感謝他]
◆リード:担任している6年生児童を連れて、修学旅行の引率をした。一日目の夜、児童全員は、父母への感謝のはがきを書いた。それは……。
2010.5.29 父母への感謝のはがき 第718号
ーきっかけ作りがポイントー
*GREETING*
こんにちは ファーザーです。
昨日の夕方、一泊二日の修学旅行の引率から帰ってきました。私は、現在特別支援学級4名の男児を担任していますが、そのうち2名が6年生なのです。私と指導員1名が、通常学級6年生の担任等以外に引率として付きました。
体験活動、買い物、入浴、食事、見学…それぞれに配慮しながら、修学旅行を無事楽しませることができました。
【「父母への感謝のはがき」の提案】
さて、夕食・入浴の終わった、一日目の夜のこと。
通常学級6年生の担任から、「今回の旅行の準備をしてくれた父母に感謝のはがきを書きましょう」という提案がなされた。
担任「さて、1日目が終わりました。楽しかった人。」
児童(全員が挙手)
担任「そうだね。では、今回の旅行ができたのは、誰のおかげですか。」
児童「お母さん。」「お家の人。」
担任「そうだね。お父さんやお母さんのおかげだね。それじゃあ、そのことを感謝している人。」
児童(全員が挙手)
担任「では、そのことをお家に帰ったら、言葉ではっきりと言える人。」
児童(2,3名挙手)
担任「じゃあ、少し恥ずかしくてなかなか言えそうにない人。」
児童(多数挙手)
担任「そうだよね。面と向かってなかなか言えないよね。そこで、今日はこれからお母さんか、お父さんまたはお母さんに<感謝のはがき>を書きましょう。」
【感謝のはがきの指導】
ここまでは、書く意欲を引き出す働きかけ(動機付け)であって、意欲だけで書ければ、教師の苦労はない。
この後は、書き方の指導が必要だ。
夜遅くで時間も限られている。6年担任がとった手法は、書き方のフォーマット(お手本)を示すことだった。私もそうしただろう。
まず、宛名書きをさせた。
次に、自分が子どもになったつもりで書いた「感謝のはがき」を読み上げた。(省略)
そして、「感謝のはがき」の書き方例(担任自作)のコピーを配布した。
それには、次のように書いてあった。(実物は縦書き)
① 修学旅行の一日目が終わりました。
② 今日は、
[ ・船がとても揺れて気持ちが悪くなり、ずっと寝ていました。
・トキの森公園では、トキの首が灰色で驚きました。
・ろくろ体験では……
・夕ご飯は…… ]
③ とっても[ 楽しい ]です。
④ 今回の旅行がこんなに楽しいのも、お母さんがいろいろと準備してくれたからです。
[ ・新しいカバン、とても使いやすいです。
・いっしょに荷づくりしてくれましたね。
・帽子を届けてくれました…… ]
ありがとうございました。
⑤ 今晩は、[ これからみんなと寝るのが ] または
明日は、[ たらい船に乗るのが ]楽しみです。
配布したこの書き方例を読み進めながら、担任は書き方を指導した。
※ [ ]内は、人それぞれ違う内容となる。
要するに、書き方例を参考にして、
①書き出し……「修学旅行の一日目が終わりました。」
②今日の出来事
③楽しさ
④感謝の気持ちとその理由
⑤今晩 または 明日のこと
について、書くように指導したのである。
【子供たちが書いた感謝のはがき】
担任の日頃の作文指導にもよるだろうが、子供たちは、宛名書きも含めて、20分ほどで書き上げることができた。
【きっかけ作りがポイント】
このまま学校での実践紹介で終わったのでは、当ブログの方針である「家庭での子育てに役立つ記事」にはなりにくい。
ここでの実践を通して私が言いたいことは、「どの子も父母への感謝の気持ちがあった」ということ。しかも、「その感謝の気持ちも、そのままでは埋もれてしまって、父母へ伝えられずに終わってしまう」ということ。だから、「働きかけが必要だ」ということである。
日本中で修学旅行は行われているが、旅先で父母宛に感謝の手紙を書き、それを父母が受け取るという例は、修学旅行に行った子のうち百人に一人どころか、千人に一人もいないだろう。
実際のところ、私もアキコからはもらえなかった。
しかるに、この子たちの場合、今頃は、旅先で子どもが書いた感謝のはがきに感激して、涙を流した親もいるに違いない。
では、感謝のはがきを出さなかった子は、父母に感謝の気持ちがなかったかと言えば、おそらくそんなことはないはずである。
要は、教師の方で子どもの中にもともとあった感謝の気持ちを引き出し、はがき書きへとつなげるという働きかけ、言い換えれば「きっかけ作り」をされていたかどうかの違いである。
幸いなことに、日本には、「父の日」、「母の日」、「父母、祖父母の誕生日」etc.がある。
ここに、家庭教育で活かす機会がある。
私は、「妻の誕生日」や「母の日」に妻への感謝の手紙を書き、子どもへも「お母さんへの感謝の手紙」を書くように働きかけてきた。
妻も、お返しに「私の誕生日」や「父の日」に「お父さんへの感謝の手紙」を書くように子どもに働きかけてくれた。
今では特に働きかけなくても、伝統・習慣化して、誕生日や父の日には、毎回感謝の手紙とプレゼントをもらっている。とってもうれしいことだ。
子ども自体にはそんなに違いはないはず。要はきっかけ作りの有無である。
しかしである。1年に1回でも、父母宛に感謝のメッセージを書き続けた子どもと、大人になるまでほとんど感謝のメッセージを父母宛に書いたことのない子とでは、長い間に大きな違いが生じると、私は考えている。
感謝のできる子に育てた方が、その子にとっても、親にとっても、絶対にハッピーなはずである。
父の日は、もうすぐだ。機会を活かした、子どもへのきっかけ作りを勧める。
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お久しぶりです。
身近な人への感謝の気持ちを伝える機会は、本当に大事ですね。
長女にも父親への手紙、書かせようと思います☆
by Delica☆ (2010-05-29 23:23)
>Delica☆ さんへ
コメントありがとうございます。
是非父親への手紙を書かせてくださいませ。
以前のブログ記事にも書きましたhttp://kazoku.blog.so-net.ne.jp/2010-02-14
が、子どもは、自分が慕ってやまないお母さんが父親を尊敬し感謝しているから、父親を尊敬し感謝するのです。
親を尊敬、感謝できる子どもは幸せです。
そして、このことは、母親へも返っていくと思います。
by ファーザー (2010-05-31 17:00)