わが子が初めてバイトした日 624号ーバイト経験で子どもを育てるー [B4 手伝い・作業・飼育・栽培]
◆リード:今日初めてアキコはバイトをした。といっても、マクドナルドやコンビニでバイトをしたわけではなく、家庭内で父である私の自動車を洗うお手伝いをしたのである。バイトとお手伝いとの違い、ねらいをどう考えているか?!
2009.8.29 わが子が初めてバイトした日 624号
ーバイト経験で子どもを育てるー
何日か前から予告していた通り、洗車というバイト(お金という報酬を与えてのお手伝い)をさせた。
私「アキコ、今日、習字の練習が終わったら、洗車を手伝ってくれ。100円あげるから。」
アキコ「いいよ!」
佐渡旅行のおみやげ代等々で、金欠気味のアキコにとって、願ってもないことだった。
アキコ「どうすればいいの。」
私「お父さんの新車は、グラスコーティングしているから、基本的に水洗いして、ていねいにタオルで拭けばいいんだよ。お父さんもいっしょにするから、それを手伝ってくれ。」
(洗車の仕方が書いてあるプリントを読ませる。)
私たちは、バケツと専用のタオルを用意し、車を裏道路に運んで、洗車を始めた。
※ 写真は後ほどアップ。
【水かけ、ボディの汚れ落とし、窓ガラス拭き、車内の掃除…】
まず、アキコにはシャワーのように車体全体に水をかけてもらった。
私「全体に漏れ落ちがないように、水をかけてくれ。そうすると、汚れが浮き出てくるから。(アキコ、水をかける)タイヤのところも忘れないで。 ここも忘れないで…。」
こんなふうに、細かく指示しながら、アキコには車全体に水を2回かけてもらった。
私「ありがとう。今度は、水をかけながら、この緑色の専用タオルで拭いていくんだ。お父さんが拭いていくから、アキコはこのタオルの動くところへ水をかけてくれ。」
こう言って、アキコに水をかけてもらいながら、ていねいに車を拭きながら磨いていった。
【洗車の趣意を話す】
私「アキコ、実はガソリンスタンドで洗車してもらうと、500円はかかるんだ。機械で強くブラッシングしていくんだけど、それだとコーティングした表面が削られて傷つくことがあるそうなんだよ。だから、ていねいに水をかけながら拭き取っていくのが一番いいんだって。」(自動車販売店の人の話)
アキコ(ふーん。)
私「500円かかるところ、100円で済むんだから家計も助かる。それに車の外側だけでなく内側もきれいになるんだから、アキコが手伝ってくれると、本当にありがたいんだよ。」
私は、洗車しながら正直に話した。
ここが大切だ。単に100円もらって、自分が助かるばかりでなく、家族の役にも立っているということ。この認識を持たせることが大きなポイントである。
【黙々と洗車をするアキコ】
この後、車内についても、専用のタオル(オートバックスで買った)で、ていねいにふいた。
私は、ハンドルとその回り、ドア内側のサイドなどきれいに拭いた。
アキコは、窓ガラスの内と外をていねいに拭いた。
その後、マットを取り出して逆さにしてゴミや小石などを落としたり(これは私が説明しながらやってみせた)、アキコに車内のゴミ袋を取り換えたりしてもらった。
拭くだけでは落ちなかったボディの汚れに困っていたら、アキコは少し爪を立ててこすった。そしてら、それも落ちた。
私「アキコ、ありがとう。」
アキコは、黙々としてきちんとやってくれた。
最後のバケツやシャワー機などの始末を含め、たっぷり1時間以上のバイトであった。
【お手伝いではなくバイトとした理由】
私は、お手伝いは家族の一員である限りやるのが当然であって、その度にお金をあげるのは筋違いというのが、基本的な立場である。無償で助け合うのが家族だと考えているからだ。
それゆえ、食事の配膳も、米とぎも、アイロンかけも、家族の一員としてお手伝いはすべて当然の責務ということで、そのためにお金を払うことは一切なかった。
洗車にしても、「父の日洗車」ということで、これまで無料でやってもらってきた。
しかし、その根本は変えないものの、今回から少しだけ原則を変えた。外注すれば費用がかかることについては、バイトという形でお金を支払うことを一部認めたわけである。今回について言えば、外注すれば500円以上かかるわけである。
きっかけは、金欠病のアキコを助けるためだが、私が家庭内バイトを許したのは、なぜか。
それは、バイトという経験を通して、お金の価値というものーお金を稼ぐということの大変さーを身をもって体験してもらうことには価値があると判断したからである。
それこそが第一の理由である。
お手伝いも基本的には同じだが、お金をもらう以上、仕事の仕上がりについては厳しさが要求されることも、学んでほしかった。これが第二の理由である。
アキコは、黙々とかつきちんとやり遂げ、その意味で合格であった。
そして、バイトという形できちんと仕事をやり遂げ、感謝されることで、自信と家族の役に立っているという誇りをもってほしかったからである。これが第三の理由である。また、この経験が仕事のやりがいにつながっていく。
アキコは洗車という仕事をていねいに最後までやってくれた。
私は大いに満足し、感謝の気持ちを伝えた。
私「ありがとう。とってもきれいになったよ。」
こう言って、100円を渡した。
アキコ「ありがとう。」
アキコはこう言って、100円をもらった。
その後も、妻やクニコに、
私「アキコはがんばったんだよ。おかげで車がとってもきれいになったんだよ。」
と言っていた。
この月1回のバイト洗車は、今後数年間続くことになるだろう。
ねらい通り、アキコは、バイトの経験を通して、お金を稼ぐことの大変さ、仕事の厳しさ(多少であろうが)、自信と感謝、そしてやりがいを学んでいくことになるに違いない。
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◆キーワード:1 バイト 2 お手伝い 3 金銭指導
◆留意点・その他:
・厳密には、一足先に妻の車の洗車をして100円もらったのが先である。金欠病に陥り、絵の具代も出せないアキコを見かねて、妻が一足先にやってもらっていた。
お小遣いが途中で足りなくなってもあげないという、当初の約束を守る妻はたいしたものである。
ご訪問&nice!有り難うございました。
私も子供の頃にお手伝いはお手伝いで無償でやっていましたが、肩もみなどの家事ではない事をバイトでやらせて貰っていました。
懐かしいです。
by つきのわ (2009-08-30 22:29)
>つきのわさんへ
コメントありがとうございます。
私も、父の白髪抜きだけは、お金をもらってやっていたことを、今懐かしく思い出しました。
アキコの方が、私が子どもの頃よりも、よくお手伝いをしていると思います。
by ファーザー (2009-08-31 17:05)
なるほど!!外注にだせばお金がかかる事を、
バイトとするという、定義はわかりやすいです〜。
普段のお手伝いとはまた、差がつきますものね。
アキコちゃんは、私が子供の頃より、
ず〜っと、お手伝いしてます!!!
本当に、素敵ですねえ〜。
by qooo (2009-09-01 12:13)
>qoooさんへ
コメントありがとうございます。
アキコは、ボクが子どもの頃よりもずっとお手伝いしています。
経済観念もしっかりと育てるべく、お小遣い制にして鍛えているところです。
by ファーザー (2009-09-05 14:59)
うちはまだまだなのですが、いずれ私の友人と語らって子どものアルバイト交換などが出来ると良いと思っています。
家の中でのアルバイトも導入部としては非常に有効だとは思うのですが、実際に経験してきた私としては(家で経営している瓦工場で従業員と一緒になって働いたこともあります)、他所からお金を貰うのでないと最終的にどこか小遣いを別の形で貰うための便法という意識が消えないと感じていました。
ただスタートとしては、非常に有効な方法ですね。
by たいせい (2009-09-16 11:14)
>たいせいさんへ
コメントありがとうございます。
なるほど、アルバイト交換ですか。
本格的なバイトは、高校生以上でしょうね。
今回のバイトのねらいは、本文に書いたとおりですが、これはこれで続けることで、きっと本人のためになると考えています。
by ファーザー (2009-09-19 05:56)