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厳しい母の対応!? 第608号ー言葉の力を守るー [J3 叱る・不満を伝える]

◆リード:アキコが立てた科学研究の計画を点検した。私も妻も書き方について、少し修正を促した。いやいや修正をするアキコに、珍しく妻(母)は憤り、茹でて食べるばかりになっていたトウモロコシをあげないと言った。そして…

2009.7.20 厳しい母の対応!? 第608号
ー言葉の力を守るー

【アキコが立てた科学研究の計画案】

 つい先ほどのことである。

 アキコが立てた科学研究の計画を点検した。

 『野菜くずで発芽の実験』というテーマの、次の計画案である。

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【問題の修正箇所】

 私も妻も書き方について、少し修正を促した。

妻「お母さん、『上の部分を観察』じゃあ、何をどう観察するのかわからないと思うわ。」

私「ボクはアキコから口で説明を聞いていたからうっかりしていたけど、言われてみれば確かにこれでは担任の先生は何の意味かよくわからないな。アキコのさっきの説明だと、『野菜くずを置いて、発芽の様子を観察』と書き直せばいいんじゃないか。」

アキコ(いやいや『野菜くずを置いて観察』と書き直す。)

私「それじゃあ、何を観察するのかよくわからないだろ。めんどくさがらないで、『野菜くずを置いて、発芽の様子を観察』と書くんだよ。」

 この場面、茹であがったばかりのトウモロコシが目の前に置いてあるのである。

妻「お母さん、夕ご飯食べる前から、そこよく意味がわからないって言ってたでしょう。(お母さんやお父さんの話をよく聞かないで、ぐずぐず言っている)アキコには、トウモロコシなんかあげない。」

アキコ(いやいや『~発芽の様子を観察』と書き足す。そして、一旦トイレに行く。)

私(困ったな。口に出した以上、その通りにしないと妻の言葉の力がなくなるな。)「タカちゃん、トウモロコシをやらないと言った以上、本当にそうしないとダメだよ。」

(アキコ、トイレから戻ってくる。)

私「アキコ、お父さんも、お母さんも、アキコのことや、科学研究の計画案を見る担任の先生のことを考えてアドバイスしているんだよ。さっきのままじゃ、担任の先生は、意味がよくわからないと思うよ。 『~発芽の様子を観察』と書き直すぐらい、1分ぐらいで終わることだろ。どうということはないんだよ。それぐらいめんどうくさがっているようじゃ、ダメだな!」

アキコ(下を向いている。)

私「ちゃんと、謝れないようじゃ、トウモロコシなんか食べられないよ。」

アキコ「じゃ、謝る。」

妻「<じゃ>て何よ!」

 妻はその言葉を聞いて、トウモロコシの載った皿を台所へ戻しに行った

私(あーこれで、本当に食べられなくなってしまった! 残念。茹であがったばかりのトウモロコシ食べたかったのに。お父さんだけ食べるわけにいかないし……)
 ↑
ファーザーのごく一部の心理です。


【妻の対応は正しいか?!】

 さて、読者のみなさんは、わが妻のとった対応をどう考えるだろうか。

 厳しすぎると考えるだろうか。

 「そもそもトウモロコシとリンクさせるのは、おかしい」と考えるだろうか。
 
 私はと言えば、トウモロコシをあげないと言った以上、これ以外の方法はないと考えている。言い換えれば、この局面ではベストの対応だったと判断している。

 もし一旦「トウモロコシはあげない。」と言っておきながら、たいして反省をしていないわが子にあげたとすれば、妻の言葉の力(権威)はガタ落ちとなる

 「あんなこと言ってても、どうせ最後には○△しないんだ。恐くないもん。」

 こうなるのである。
 つまり、母である妻の言葉が力を失うのである。


【言葉に力を持たせる】
 
 これは、「言葉に力を持たせる」ということ。これは、教師をしている私が、ある先輩からかつて繰り返したたき込まれたことでもある。

 現在特別支援学級を担任している私は、子供たちがふざけ合っていて学習課題が進まないでいるとき、

「このままふざけ合っていて、もしこの課題がこの時間内に終わらなかったら、昼休みにやってもらいます。」

と言うことがある。

 そして、そういった以上、例外なくやらせてきた。

 だから、子供たちは

「この先生がそう言った以上本当にそうなる。昼休みにやることになるのは嫌だ。だからふざけるのは止めて、しっかりとやろう。」

となっている。つまり、教師としての私の言葉には力があるのである。

 これが、教師としての私の言葉に力がなかったら、

「どうせ言葉だけだ。実際にはやらせないんだから、恐くない。ふざけるのは止めないよ。」

となっただろう。

 「言葉に力がある」ということ。これは、教師が子どもを動かす上での、言い換えれば、親が子供を動かす上での「生命線」なのである。

 言った以上はその通りにやる。
 そうできないのであれば、そもそも言ってはいけない。
 言う際には、よくよく考え、その通りにやる覚悟をもって言わなければいけないのだ。


【叱った後のこと】

 この後、入浴まで少し時間があったので、私はアキコとクニコを誘って、ジェンガをした。既に私との間に、わだかまりはない。

 妻も誘ったが乗らなかった。

 入浴後、妻に聞くと

妻「アキコは、話が聞けていない!」

とまだ、怒っていたのだった。

 しばらくして、そんな妻の気配を感じたアキコは

アキコ「お母さん、ごめんなさい。」

と謝っていた。


 トウモロコシとリンクしたこと自体は、適切ではなかったかもしれない。
 
 しかし、妻のその後の対応は、正しかったと判断している。

 アキコは、妻の言葉を軽んずることはないだろう。
 
 母である妻の言葉の力(権威)は、保たれたのである。

※ ふと気づいたが、昔から母である妻はそうだった。次の記事では、クニコに対して同じように対応していた。→野菜嫌いをなおす126

 

【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」

「夏休みの自由研究その1ーテーマを決めるー」

夏休みの自由研究その2ー研究の計画を立てるー」

夏休みの自由研究その3ー研究開始その1ー」

夏休みの自由研究その4ー研究開始その2インターネットで調べるー


◆キーワード:1 叱り方  2 親の権威  3 アドバイス

◆留意点・その他


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コメント 4

Shun

「そもそもトウモロコシとリンクさせるのは、おかしい」と思うもの、ボクも「言った以上、これ以外の方法はないと」に同感です。ただ、片方の親がヒートアップすると、もう片方の親は「まぁ、まぁ、そうは言っても・・・」ととりなしに入りがちで、両親が揃って毅然とした態度をとるのは難しそうと思います。
コメントの機をすっかり逸してしまいましたが、佐渡旅行は楽しそうですね。入念なリサーチと、家族でくみ上げたプラン、いつもながらさすがだと思いました。
by Shun (2009-07-21 23:58) 

qooo

あ〜!!!なんだか分かるなあ。
我が家でもありそうな一こまです。。。
私も、たまにあるんですよね。そういうこと。
まるで、我が家の事のように感じながら、
読ませて頂きました。すごく、考えさせられます。
by qooo (2009-07-25 07:30) 

ファーザー

>Shunさんへ
コメントありがとうございます。

妻としては、この件ばかりでなく、最近のアキコの話をよく聞かない態度に閉口していたというか、半ばあきれていたというか、何とかしなければと強く思っていたようです。

アキコの態度については、私も感じていました。そこで、共同戦線を張ったわけです。その威力は二乗倍です。一人で1なら、二人で4のパワーがある感じがします。

私は、叱った後、引きずらないようにすぐに一緒にゲームモードだったのですが、妻はまだ腹に据えかねていたというか、何とかしたいと強く思っていたのですね。

佐渡旅行、本当に楽しみです!
by ファーザー (2009-07-26 05:59) 

ファーザー

>qoooさんへ
コメントありがとうございます。

親のアドバイスやら注意やらを素直に聞けない。これはおそらく日本中の家庭で起きていることだと思います。

そこでの対応ですが、聞かせると決意した以上、しっかりと聞かせることが大切だと考えています。cf.家族の会話のルールhttp://kazoku.blog.so-net.ne.jp/2008-04-20-2

これがきちんと家庭でなされないから、学校でも他の場面でも話が聞けないのです。
話を聞くと言うことは、とっても大切な躾だと考えています。

by ファーザー (2009-07-26 06:06) 

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