母親がきつく叱ったこと 第587号ー「叱る」ことのねらいー [J3 叱る・不満を伝える]
◆リード:珍しく妻がアキコ(小5)をきつく叱った。テレビに夢中でなかなか夕食の準備を手伝おうとしなかったことと、仕事である風呂掃除をおざなりにしたことに対してである。そもそも「叱る」ことのねらいは何か。
2009.5.6 母親がきつく叱ったこと 第587号
ー「叱る」ことのねらいー
連休中の4日の夜のことである。
珍しく妻(母)がアキコを叱った。
【叱ったこと その1】
妻「夕ご飯ができたわよ。配膳を手伝って。」
アキコ(テレビ「サザエさん」に夢中で無視。返事も無し。)
妻「夕ご飯ができたわよ。配膳を手伝って。」(もう少し大きな声)
アキコ(間違いなく聞こえているはずだが、テレビ「サザエさん」に夢中で無視。返事も無し。)
妻「何してんの! 手伝ってって言ってるでしょ。」(このテレビが悪いとばかりにテレビのスイッチを消す)
悪かったと思ったらしく、素直に手伝い始める。
ちなみにクニコは、2回目の「手伝って」の声がかかるとすぐに手伝いに動いた。
【叱ったこと その2】
妻「今日はお風呂掃除の日だわよね。」
アキコ「そうだっけ。あんまり汚れていないからいいかも。」
妻「今日はお風呂掃除の日でしょ。アキコはちょっと雑だから、もう少していねいにお風呂の掃除をしてほしいわ。」
アキコは、風呂の栓を抜いて後、お掃除をしてお湯を入れた。
ほとんど掃除に時間をかけず、風呂場に行った後、あっという間に戻ってきた。(おそらく栓をして、ほとんど掃除をせず、すぐにお湯を入れた。)
妻「アキコは、もう風呂の掃除はしなくてもいい。何も言うこと聞いていない。」
アキコ「えっ何。」
妻「お母さん、怒ってるの!」
あわてたアキコ。
悪いと思ったのか、ハンカチのアイロン掛けを始める。
妻「アイロン掛けなんかしなくてもいい!」
【叱られたその後】
その晩、衣替えということで、妻は夏物の衣服を出し、片づける冬物を出すように言った。
アキコ、クニコは、おもしろいように素直に妻の指示を聞き、それに従って動いていた。すなわち、言われるままに冬物の衣服を運んだり、夏物の衣服を運んだりしていたのである。
そうした様子を見て、しまいには妻の怒りも収まり、普段通りに戻った。
【叱ることのねらい】
さて、叱ることのそもそものねらい(目的)は何だろうか。
親ががまんせずに怒りの感情をぶつけ、すっとすることだろうか。
そうではあるまい。それは、子どもの歩みを正しい道に戻すことであろう。
ほめたり認めたりすることは、「その道でいいよ。その調子で進んで。」と、その子の歩みを肯定すること。
それに対して、叱ることは、「その道ではいけないよ。正しい道に戻って。」とその子の歩みの誤りを指摘し、正しい軌道に戻すことであろう。
今回の例で言えば、
■テレビを見ることよりも、夕食の準備の手伝いをすることの方が大事だよ。頼んでいるのに、いい加減に聞いてはいけないよ。
■任された手伝いは、きちんと責任をもってやらないといけないよ。今回のように、いい加減にやっては、いけないよ。何よりも、注意をいい加減に聞いてはいけないよ。
ということを教えていた。
アキコは、叱られて初めて目が覚め、正しい軌道に修正することができた。
つまり、子どもを正しく導く上で、叱るということは、必須なのである。
親の責任は、子どもを正しく教え導くことなのだから、叱るということは親の大事な責任とも言える。
もちろん、いつも叱ってばかりでは、家庭の雰囲気が悪くなる。基本は、あたたかい雰囲気こそ大切にしたい。
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◆留意点・その他:
・叱るということが効果を発揮するには、子どもが叱られたことに納得することが不可欠となる。子どもは納得して初めて軌道修正を図るわけだから。それには、叱り方もさることながら、叱られても揺るがないだけの信頼関係が前提となる。
叱るより、子供にいい後ろ姿を見せるってほうが大切と教えられて、
やってるけど・・・・・なかなかです!
by kayoko (2009-05-29 15:51)
>kayokoさんへ
自ら模範となり、子供によいモデルを示すことが基本だと、私も思います。
ただ、どうしてもそれだけというか、一つの方法だけでは現実的ではないと考えます。模範を示したり、ほめたり、叱ったり、一緒に遊んだり、一緒に作業をしたり、一緒に勉強したり…。愛情と手間ひまをかけて、ですね。
by ファーザー (2009-06-01 06:41)