親の迷い「わが子ににローラースケートを与えるか!?」 第519号 [B2 しつけ:家族のルール・ゲーム・テレビ他]
◆リード:アキコが「ローラースケートを欲しい」と言ってきた。「仲の良い友だちのAさんもBさんも持っている。アキコも欲しい」と。しかし、近所にはローラースケートができる場所がない。
2008.9.20 親の迷い「わが子にローラースケートを与えるか!?」 第519号
ー教育環境アセスメントー
7月のことである。
妻「アキコ、おばあちゃんが、買い物ポイントが貯まっているから。何か欲しいものがあったら、それで買ってあげるって。」
アキコ「えっ、ホント。カタログ見せて!」
カタログを見るアキコ。
アキコ「このローラースケートがいい!」
妻「ローラースケート?!う~ん。やる場所がないでしょう。」
アキコ「だって、AちゃんもBちゃんも持っているよ。」
妻「どこでやっているの?」
アキコ「Aちゃんは、家の裏に広場があって、そこでしているよ。アキコも貸してもらってすることがあるよ。」
妻「でも、わが家の近くにはそんな広場はないでしょう。」
アキコ「Bちゃんの家では、家の前の道路でやっているよ。ほとんど車が通らないから大丈夫なんだよ。アキコも借りてやったりしているよ。」
妻「でも、道路はダメでしょう。学校の体育館脇の広いところはだめかな…。」
友だちから借りてやっているという言葉に引っかり、与えることにやや傾いた感じの妻であった。
妻「お父さん、アキコがローラースケートがほしいと言ってるんだけど、どうしたらいい。」
私「(カタログを見て、しばし考え)まずいだろ。学校の体育館脇は駐車場だろ。ローラースケートをできる場所がないじゃないか。」
なかなか諦めきれないアキコ。その後、何回も妻に言っていたようだ。
そして、8月のアキコの誕生日の日。招待したおばあちゃんを前にして、「ローラースケートが欲しい!」と言って大泣きしたのであった。
狼狽するおばあちゃん。しかし、親である私がOKを出していない状態で、OKするわけにはいかない。
おばあちゃん「お父さんがいいと言ったら、ちゃんと買ってあげるからね。」
こう言って帰っていった。
「さて困った。そんなに欲しいのか。」としばし迷い思案する私であった。
「アキコがそんなに欲しいなら、持っている友だちから借りているようなら、ルールを決めて(たとえば、道路では絶対にしない。Aさんの近くの広場などのみ限定でする。)与えようか」という判断に、私はいったん傾きかけた。(「そうやって多くの保護者は、DSなどを買い与えることになるのだろうな。」とふと思った。)
しかし、どう考えても、ぎりぎりのところでOKが出せない。
理由1「道路でのローラースケートはとても危険である。」
理由2「ルールを決めると言っても、実際は道路ですることになる可能性が高い。」(現実には守れそうもないし、守らせるのは難しそうだ。)
つまり、OKすることは、
①アキコが車が余り来ない道路、あるいは駐車場で、ローラースケートをすることになるであろう現実を迎えること、
②さらに言えばその結果トラブル(交通事故、駐車場の車に傷を付けた…)に巻き込まれること(可能性としてだが)
を受け入れることを意味するわけである。
私「アキコ、よく行くスーパーの脇の道路でキャッチボールをしている子供がいるろ。『道路なのに危ないね。』って、よくみんなで言い合っていただろ。道路でローラースケートをするということは、あんなふうにアキコもなるということだよ。」
アキコ「……。」
その後、いっしょに学校とその周囲に行き、ローラースケートができる場所があるかどうか二人で見て回った。学校の玄関前(の広場)ぐらいだった。
私「うーん、玄関前ぐらいしかないね。でも、ここは玄関のための広場だよね。」
アキコ「うん。」
かくてぎりぎりのところで踏みとどまり、わが家は子供にローラースケートを与えるということにはならなかった。
後日、おばあちゃんにそのことを話したところ、
おばあちゃん「買ってあげたいけど、アキコが交通事故に遭うと困るから。」
おばあちゃんも賛成であった。
以前、記事「たまごっち考」の中で、「子供によりよい教育環境(玩具は一つの教育環境であるから)を整えるのは、親の責任だ。」と書いた。
親は、「これを買い与えたらどうなるか」よくよく思案して判断すべきである。いわば、教育環境アセスメントである。
子供に言われるまま、泣きつかれるままOKし買い与えてから、「しまった!」では遅い。
子供の健康・安全を守ることは、最も基本的な親の役割であり、責任の一つである。
ここは踏みとどまってよかったと考えている。
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◆留意点・その他
・たまごっちは買い与えたが、DSの類を買い与える予定は、今のところない。アキコがゲームにはまり、時間が取られることが目に見えているからである。やりたいことはたくさんあり、今でも時間は足りないぐらいである。
・たまごっちであるが、はじめの3ヶ月ぐらいは興味をもってやっていたが、今では全くしていない。お蔵入りである。
こういう小さなところでもいいかげんにせず
考えて決断を出す・・・
簡単なようでなかなか難しいですよね。
実際にあきこちゃんをともなって、場所を探しに行く辺り
ファーザーさんらしいし、頭ごなしの反対とちがって
子どもの心にもしっかり届きそうです。
by ちゅんくる (2008-09-20 17:24)
私も、アキコちゃんと実際にローラースケートができそうな場所を
見て回ったというのが、とてもいいなと思いました。
本人も納得できますものね。
お婆さまの『アキコが事故にあったら困るから』というのも、
納得です。何かが起きてからでは、遅いのですものね。
うちのオットが実家に帰ると、道路でいつもキャッチボールを
息子としてるんですけど、(余り、車が通らないんです)
やめてほしいな〜って思ってました。
自分は固いのかな?なんて思ってたんですが、
ファーザーさんの記事を読んで再確認!!!間違ってない!!!
何度でも説得していこうと思ってます!!
by qooo (2008-09-21 09:01)
私もローラースケートが可能な場所を見てまわったというところが、
印象に残りました。
ファーザーさんの丁寧な子育てが見えますし、
自分の子そだてを反省させられました。
アキコちゃんも大きくなった時にそんな風に
自分の子どもに接していくのでしょうね。
温かな心の土壌づくり・・・そんな思いが残りました。
by miyu (2008-09-22 05:53)
>ちゅんくるさんへ
コメントありがとうございます。
今回の場合、本当に困りました。正直言って、ルールを決めたうえで、与えようかと一旦は思いました。ぎりぎりセーフというところでしょうか。
やっぱり頭ごなしの反対では、まずいです。少なくとも、理由をきちんと話して納得できなくとも、理解はしてもらう努力は最低必要だと考えます。
私の場合は、とっさの判断でいっしょに歩きましたが、納得してもらう努力も大切だと考えました。
by ファーザー (2008-09-24 20:29)
>qoooさんへ
コメントありがとうございます。
「何かが起きてからでは、遅い」その通りです。
余りにも、親は目先のこと(子供がとても欲しがっている)で判断しがちだと思っています。親ならば、こうしたらどうなるかという一歩先ぐらいは読んでほしいところですよね。
道路でのキャッチボールですが、公園などが近くにないなどの問題もありそうです。記事に書いた例は、少し歩くと公園があるのです。それなのに、ついつい「めんどうだ…」ということになっているのでしょう。心がけ次第のところも大きいでしょう。
by ファーザー (2008-09-24 20:36)
>miyuさんへ
コメントありがとうございます。
いっしょに見て回るという考えはとっさに出たことです。できるなら、子供に納得してもらいたいですよね。職業上身に付いた対応が出たのかもしれません。
by ファーザー (2008-09-24 20:40)