SSブログ

金銭教育のねらいー子供への金銭教育その6- [G 金銭教育]

◆リード:前記事で紹介したように、4月からのお小遣い制のスタートを前に、2月から試行期間に入ったアキコ(小3)である。そのお小遣い制を導入するねらい、もっと言えば金銭教育のねらいは何か!?今考えているところをまとめてみた。

2008.2.9 金銭教育のねらい

ー子供への金銭教育その6-

 子どもへの金銭教育。それは、とっても重要だと、私は考えている。

 それは、我が子のそして私たち親夫婦の幸せを大きく左右するものである。

 これはお金の計算ができるなどとスキル上の問題ではなく、価値観・生き方の問題である。
 つい最近も、事務を勤めていた方がお客のお金を横領する事件が起きた。その方は、サラ金に多額の借金があったという。事務職といえば、お金の計算はプロである。しかし、価値観・生き方といったもの、あるいは欲望のコントロールが、しっかりしていなかったために生じた事件であろう。

 親夫婦の幸せを左右するというのは、我が子をお金にルーズに育ててしまったために、我が子が成長した後までその借金を背負う羽目になってしまい、老後のための資金まで差し出すというケースもあるからである。

 もっとも不幸な目に遭わないためにという消極的な意味ばかりでなく、夢を実現したり、安定した豊かな生活を実現するために、是非とも金銭教育が必要だ。

 現時点で私が考えている金銭教育のねらいは、次の通りである。

 第一に、収入内で生活すること。支出より収入の方が多い状態を継続することである。言い換えれば、借金をしないということであり、お金が貯まっていく生活をするということである。
 我が子で言えば、定期のお小遣い、臨時のお小遣い、今までの貯金を合わせた額以内で、生活することである。
 これには、収入を増やせば、お小遣いを増やせばそうなるというものでは必ずしもない。なぜなら億単位の収入があっても、億単位以上の支出があれば貯まらないどころか借金することになるからである。

 欲望をコントロールして支出を減らすこと、創意工夫をしてお金を増やすかまたは節約するしかあるまい。子どもの場合は、お金を増やすと言っても難しいわけだから(大人でもそうだが)、欲望のコントロールがその中心となるだろう。次いで、計画性だ。

 子ども時代にしっかりと、収入内で生活する習慣ー欲望をコントロールする力ーをつければ、不幸な目に遭うリスクをかなり減らすことができると考えている。

 第二に、夢実現のために、忍耐強くかつ計画的にお金を節約したり貯めたりする力をつけることである。将来的には、工夫して稼ぎ出すという力も含まれる。

 我が子が心底欲しいと思ったものースキー道具でも海ブドウでも何でもいいがーを手に入れるために、お金を貯め、場合によってはアルバイトまでしながら、ようやく手に入れるという経験をさせたい。

 それは大きな喜びと自信、忍耐力、計画性etc.などの資質を、我が子に与えることになるだろうからである。それは、手にいれたものの何倍もの価値があるだろう。(そろそろサンタクロース神話を崩すか!?サンタクロースに頼るのではなく、自分がサンタクロースになった方がいい。)

 工夫して稼ぎ出すというテーマも、将来的には面白い。どうしても欲しいものが出てきたら、アキコはあれこれ工夫しそうである。例えば、何かを作ってネットオークションに出すなどということも、意外と早く取り組むかもしれない。

 第三に、定額貯金である。将来に備えた貯蓄を定期的・継続的に行う習慣を身に付けることである。
 我が家は、現在、教育費の定期積み立て(郵便局のもの)をアキコ分も、クニコ分もしている。(何でも、万が一私が死んだら積み立てなくてもOKだとか。)車を買うための積み立てもしている。あとさわかみ投信も定額で積み立てている。このような習慣を子どものうちから身に付けさせたい。
 これは比較的簡単で、必要な小遣い額を算出し、それに定額貯金分を上乗せして小遣い額を決めて、天引きしてしまえばよい。すぐに天引きするのだが、一旦渡すのである。

 第四に、お金の適切な使い道(方)である。これは生き方、価値観の問題でもある。

 私は、「家族の幸せのために惜しみなく使う。」とか「学び・成長するために惜しみなく使う。」という使い方をしている。だから、家族旅行や教育費にはかなりお金を使っているし、また自分自身のお小遣いの使い道は、本代やセミナー費が抜きんでて多い。(我が家では、私が消費派、妻が貯蓄派である。)
 アキコは、既に多くのモデリングという形で学んでいるはずである。

 スキル的なことで言えば、良いもの・同じものを安く手に入れる方法なども、徐々に教えていくことであろう。
 これは、この夏休みの自由研究のテーマにしたら、きっと面白い。この頃には、アキコもそんなテーマに乗ってこれるだろうから。

 このお金の適切な使い道(方)は、お小遣いを渡す際に、1ヶ月のお小遣い帳の記録で使い方を一緒に振り返り・来月の計画を立てる(ちょっとした家族会議)中で、徐々に教えていこうと考えている。

 第五は、今までのねらいの達成と重複・関連するが、きちっと小遣い帳を付ける習慣である。そして、計画を立て、振り返るという習慣である。

 これは、しばらく(年単位)は、先に書いたように、お小遣いを渡す際に、家族会議を開く必要があると考えている。
 ※ お金を計算する力などは、ここのところで必要になるが、アキコは算盤を習っており、既に「おうちdeこづかいゲーム」の中で基本的な書き方はマスターしている。


 ざっと、今考えるところは、こんなところである。

 お小遣いを与えることで、教えるべきことはたくさんある。言い換えれば、とってもよい我が子の教育の機会となる。
 率直に言って、面白そうだと感じている。(私が教師だからか?)

【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」

バーゲンセールだ! レッツゴー!ー我が家の金銭教育ー

「初めての金銭教育!」

「子供への金銭指導その1」

子供への金銭教育その2

子供への金銭教育その3

子どもへの金銭教育その4

子どもへの金銭教育その5

 nice!を戴くことは、とても励みになっています。よかったらnice!をお願いします。

◆キーワード:1 金銭指導のねらい  2 金銭指導  3 お小遣い制へ


nice!(8)  コメント(14)  トラックバック(2) 
共通テーマ:育児

nice! 8

コメント 14

gakeda8

すごいですね!
私は漫然と、二人の子供を育てました。
あまりお金には細かく気を使わないようにと!

娘は獣医師に、息子は外科医になりました。
二人とも金銭感覚は鋭くなく、お金には無頓着です。
娘婿も、臨床病理の准教授にこの1月になったのですが、
やはりお金には、あまり拘泥しないようです。

金銭感覚を、小さいときから教え込むと、
ドメスティックな経済学者が生まれるかもしれませんね!

期待しております。
そうそう、私の娘は、2歳の子に、塗り絵で心の健康を心がけているようです。
by gakeda8 (2008-02-10 12:20) 

泉河潤一

>gakeda8 さんへ
実は私も漫然と育てられた方だと思います。こづかい帳はもちろん、取り立てて金銭教育を受けた記憶はありません。

冬物のセーターなどいつも割引になってから、母は買っていました。ただ、母はよい品物を選んでいましたね。あと本だけはツケでいくらでも近所の書店から買うことができました。だから、今でも本を買うことには抵抗がないのです。

そういう意味で、しっかりと金銭感覚というかお金の使い方は、両親の影響を間違いなく受けますね。

でも、私は私。実の親から受けたよい習慣や価値観、教育は引き継ぎますが、足りないことは付け足せばいいし、よくないところは改善すればいいと思っています。
たとえば、私は週1回の家族の日を死守していますが、私が子どもの頃は、そんな家族の伝統はありませんでした。
by 泉河潤一 (2008-02-10 18:39) 

nice&コメントありがとうございました
すごい!!の一言です。
子供に自分にあった金銭感覚をつける教育の仕方に今、試行錯誤してます。
とっても参考になりました。私も見習っていきたいです。
by (2008-02-10 21:18) 

陣内 恭子

ファーザーさん、レポート楽しく読ませていただきました。
ゲームで準備いただき、実践ができるところまでしっかり書いていただき、ありがとうございます。

ご指摘のとおり、バーチャルな世界では限界があります。あとは、実体験で身に付けて欲しいと思っています。

「定額こづかい制」は教材ですね。本当に力がある教材だと思います。
すべての家庭で早く始めて欲しいと思っています。

それは、子どもに力をつけるからなのですが、
最近はっきり分かってきたのが、「自分のことを見つめるチャンス」になるということ、ここも非常に価値があります。

どの子にも生まれもった性格はあるようです。こづかいをどんどん使う子、消費欲があまりなく使わない子、使いたいけどいろんな感情があり使えない子・・・

こづかい制度で、子どもの傾向がつかめたら 親の声かけも違ってくるし、子ども自身も対策を練ってきます。傾向を知るのはいいことです。

我が子は1年生からこづかい制度をスタートさせ、2年生で自分の自転車をこづかいをためて買いました。
目標設定ができ、親へ交渉をし、こつこつためて、お気に入りの自転車を探す努力をし、自転車を買って本当に満足そうに乗って帰ってきました。

子どもには、力があるんだと教えられた瞬間でした。
余計なアドバイスや指示をせずに子どもを見守ってみると
持っている力が見えるんではないかと、
保護者の方へも「定額こづかい制度」の提案の際に、教え込まず、見守り育む努力をしましょうという話をしているところです。

「こづかいゲーム」はいろんなバージョンがあり、パワーポイントを使ったこづかいゲームや修学旅行ゲームは授業にも使っていただいています。

わたしも、学校の先生への指導でもご依頼を受けるようになってきましたので、こづかいを使ったお金の教育が広がるようにがんばりたいと思っています。

こづかいは教材ですけど、特別な費用は要りませんね。
親が買っているものをこづかいとして渡し、子どもが自分で考えて買うようなしくみにするだけですからね。
我慢も覚えるし、選択する力もつく、本当に優れものの教材です。

長い文章になり失礼しました。
お子さんたちの成長を楽しみにしています。また寄せてもらいます。
by 陣内 恭子 (2008-02-10 22:08) 

やっとコメントできるようになりました~!

金銭感覚は難しい教育の一つですよね。
ウチの子は4歳ですが、親が振れば出てくる
ウチデノコヅチだと思っているようなので、
そろそろ「親には限界がある」ということと、
「物の価値」を教えたいと思っています。

ファーザーさんの方法も、参考にさせていただきます!
by (2008-02-11 17:26) 

泉河潤一

> amblosaさんへ
とっても参考になって何よりです。

我が子のために、親として私も必死なんです。よりよい方法は何か、子供の金銭指導の本ーちょうど手元に10冊ほどあるのですがーにも学びながら、教師としてのリソースをフル活用しているんですね。
by 泉河潤一 (2008-02-11 18:29) 

泉河潤一

>陣内 恭子さんへ
おうちdeおこづかいゲームの開発者の陣内さんから、直々にコメントを戴けて嬉しいです。すばらしいゲームを開発してくださり、ありがとうございます。

「ゲームで準備いただき、実践ができるところまでしっかり書いていただき」とありますが、さすが見るべきところをよく見ておられますね。

この1点こそ、私がもっとも意図したことでした。つまり、我が子への金銭教育の必要を感じた親が、「おうちdeおこづかいゲーム」を購入して実際にゲームをする。それはゲームのためのゲームではなくて、自動車学校のように、実際の生活でお小遣い帳をつけながら金銭の扱いを学ぶためです。
次のステップへ移るための仮免許の路上運転への指導のノウハウがなければ困るわけです。そこで、我が家の場合を参考例として公開したのです。

その次のステップは、実際のお小遣い制の運用開始上のノウハウ公開。さらに次のステップは、お小遣い制運用の実際の公開となるわけです。

榊原節子さんは、ご自身が自転車を購入するための様々な思いや工夫を「わが子が成功するお金教育」の中で書いておられましたが、陣内さんのお子さんも、自転車購入を目標にがんばられたのですね。
本文に書いたように、わが子にも是非そのような経験をさせたいですね。

わが子がお小遣い制を通してどのように成長していくか、本当に楽しみです。

あったかい家族日記は、現在1日平均500アクセスを突破しているので、少しは影響力があると思います。

是非またご訪問ください。
by 泉河潤一 (2008-02-11 18:48) 

泉河潤一

>ぺんたごんさんへ
コメントありがとうございます。

子供は親のお金の使い方、ものの与え方を見てますね。そういう意味では、既に金銭教育は始まっています。

アキコは、本を欲しがりますし、デパートではゲームをしたがります。それはお小遣いをもらう以前にそういう経験をたくさんしているからですよね。

金銭教育は、食べ物を含めて、物を大切にすることから、始まるように思います。
by 泉河潤一 (2008-02-11 19:42) 

ツカモト

うちは夫婦揃って物欲が低く、 ”お金を使いたい” という感覚があまり理解できません。それだけに、自分達が金銭教育をするのは非常に難しいと思っていました。うちの子どもはまだ小さいですが、おこづかいを始める際には、ぜひ参考にさせて頂きたいと思います。どうもありがとうございましたm(_ _)m
by ツカモト (2008-02-12 02:57) 

お金の教育=生き方の教育だという考え方に共感します。
私自身は、お金に関してはかなり無頓着に育てられた方だと
思っていますが、娘にお金の教育を始めるときまでに、
ファーザーさんの方法を参考にして、自分の金銭教育について
少し勉強しておこうと思いました☆
by (2008-02-12 10:41) 

なべぞう

コメントありがとうございます。
チョコポット。そんなにすぐに電池なくなっちゃうんですか。
チョコとかすだけなら、レンジでチンと暖めた方が早いですね。
(^_^.)
今度、チョコホンデューをやるつもりです。うまくいくといいけど。
by なべぞう (2008-02-12 12:46) 

泉河潤一

>金魚草さんへ
物欲に関係なく、資本主義社会というか貨幣経済の中で生きている限りは、性教育と同じで避けて通れないと考えます。

私自身は、親から取り立てて金銭教育を受けたわけではないのですが、わが子にはしっかりと教えようと決めています。

時期が来たら参考になると嬉しいです。
by 泉河潤一 (2008-02-12 18:00) 

泉河潤一

> Delica☆さんへ
私も無頓着に育てられた方だと思います。

金銭教育は、ゆるがせにできないことで、それゆえしっかりと意図的・計画的にする必要があると考えています。現状では、学校教育にほとんど期待できないのでなおさらです。

私のやり方が参考になれば幸いです。
by 泉河潤一 (2008-02-12 18:03) 

泉河潤一

>なべそうさんへ
もしかしたら、入れた電池がもともとパワー不足だったのかもしれません。

新しい電池でやることを進めますね。
by 泉河潤一 (2008-02-12 18:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 2