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★○塾、△教室と何でもアウトソーシングする功罪!ー我が子がクロールと背泳25mを泳いだ日!ー [D6 親が教える・その他]

◆リード:日曜日午後アキコと市民プールへ行った。一緒に泳いだり、ウオータースライダーをしたりして楽しんだ。そして、水泳を教えるのは得意なので、アキコにクロールと背泳を教えた。初めて背泳を教えたのに、アキコは25mを泳いでしまった。喜ぶアキコの姿を見て、教える喜びを感じた。

2008.1.14  我が子がクロールと背泳25mを泳いだ日!
ー○塾、△教室と何でもアウトソーシングする功罪-

 1月13日(日)午後のことである。

私「アキコ、クニコ。もう少ししたら、お父さんと一緒に温水プールに行こう。」
アキコ「いいよ。」
妻「クニコは無理じゃないかしら。風邪が治ったばかりだから。」
私「やっぱり無理か。しょうがない、アキコとお父さんだけで行くか。」
アキコ「うん。」

 結局、妻とクニコは市立図書館へ、私とアキコは市民プール(温水)に行くことになった。
 チケットを出し、男女に分かれて更衣室に入った。
 さっと着替えて、シャワーを浴び、プールサイドへ。アキコは、家から服の下に水着を着ていたので、先にプールサイドで待っていた。

 簡単な準備運動をした後、さっそく入水。温水プールだから、思いのほか暖かい。

 二人で自由に泳いだ。けのび・バタ足をしたり、そのままクロールで泳いだり、何度か水中走り競争もした。

 途中で採暖室で暖を取りつつ少し休憩した。

アキコ「アキコ、クロール最高泳いだのは、13mなんだよ。」
私「そうか、13mの壁だな。そこをクリアーするには、相当泳ぎ込まないとダメなんだよ。」

 アキコは、スイミングに通ってはいないが、親友がスイミングに通っている関係で、昨年夏期集中コースだけは参加していて、息継ぎをしたクロールはできるようになっていた。そこでの最高記録が13mなのである。

 私はといえば、水泳は中学時代に熱中した卓球についで得意なスポーツである。

 大学時代の水泳の集中授業。何を間違えたか(25メートルの泳ぎしか見ていない)、一番上級グループに配属され、周りはみんな体育科というメンバーの中で徹底してしごかれたから。(「はい、一本行こう。」の一本は、他のグループは25mを泳ぐことを意味するのだが、我がグループは100mを意味していた。)

 自分がクロール・平泳ぎ・背泳・バタフライ・横泳ぎと一通り泳げるのはもちろん、水泳クラブを担当していたこともあり、指導には少しばかり自信があった。(当時S村立小学校に勤めていた。村内にスイミングスクールはなかった。指導教本やビデオを繰り返し見て、指導法を研究した。私は主として平泳ぎを担当したが、教えた子たちは、村内大会で当時上位を独占した。)

 「よし、遊んでばかりいないで、少しばかりアキコに泳ぎを教えるか。けのびができているなら、指導は簡単だ。」

 クロールの場合、けのびができるようにさせるまでが難しく、そこができるなら後は比較的簡単だ。しかも、息継ぎも一応できるようになっていたので、あとは手で水を逃がさないようにしっかりとかくことを教えた。

 水中でチェック。まだ、水の押さえが弱い。水を逃がしてしまっている。(変速付き自転車で軽い段だとこぐ割に前に進まないが、状況をたとえるとそんな感じだ。)

私「アキコ、しっかり水を逃がさないようにかかなきゃ。こうやって。」(やってみせる)
アキコ「うん。」

 以前は、「額で水を切るようにして。そうすると、スクリューのバタ足が水中にうまく入ってよく進むから。」などと教えたりしていたのだが、けのびを含めて既にうまくできていた。

 「こんな感じだと、あとは体力的なものだな。挑戦してみるか。」こう思って、
私「アキコ、25m挑戦してみなよ。」と言った。

アキコ「わかった。」

 私は、少し後からゆっくりと平泳ぎで泳いで付いていった。
 「10m、15m、20m、25m!」
 アキコは、あっという間にクリアーしてしまった!

私「アキコ、やったな!」
アキコ「うん!」
私「あと、アキコ、指と指の間は閉じた方がいいよ。水が逃げているよ。」
アキコ「(指の間を閉じて)こんなふうに。」
私「そう。」

 さて、今度は背泳だ。
 背泳について、アキコはまだ学校等で教わったことがなかった。
 背泳の場合、顔を水に直接つけなくともでき、呼吸も楽(しかも女性の場合浮きやすい)なので、背泳から指導するケースもあるくらいである。クロールが既にできるので、簡単にできるようになるはずだ。
 それに以前に背浮きをして、そのままバタ足することは教えていた。(手は教えていない。)

 そこで、小指から水にいれること、肩のローリングを効かせること、腰の辺りで腕(手のひらも)を返してプッシュすることなどを一緒にやりながら教えた。

アキコ「背泳も25mに挑戦してみる。」
私「えっ、教わったばかりだろ。」

 挑戦するアキコ。私は平泳ぎで脇に付いて泳ぎ、「あと15m、10m、5m…」と声がけをしていた。
 何と、一発で25mを泳ぎ切ってしまった!

私「アキコ、すごいな!」(運動能力はやっぱりアキコは高いな。)
アキコ「うん、できた!」

 嬉しそうな表情のアキコであった。

 ここまで、途中のウオータースライダーなどの遊びも含めて正味1時間である。

 この後、少しだけ自由に泳ぎ、プールを後にした。

 帰宅後、アキコは妻にさっそく報告した。

アキコ「ねえ、アキコ。クロールで25m泳げたんだよ。」
妻「へえー、25mも泳げるようになったの。すごいわね。」
アキコ「背泳も25m泳げたんだよ!」
私「アキコ、すごいよ。習ったばかりなのに。」
妻「アキコは、スポーツすごいね。」
アキコ「お父さんは25mクロールで息継ぎしないで泳いでたよ!」

 嬉しそうに報告し、ほめられてまた嬉しそうな表情のアキコであった。

 
 私は小学校の教員である。先に書いたように、水泳は得意であり、水泳指導にも少しばかり自信がある。
 そのリソース(キャリア)をほんの僅かであるが、我が子にも活かすことができて、嬉しかった。

 教えるという仕事を職業として選んだ私であるが、教えることにはいくつかの喜び(報酬)が伴う。

 一つ目は、教えた相手ができるようになった、わかるようになったという喜びである。今回のアキコの場合で言えば、クロールで25m泳げるようになったことであり、背泳で25m泳げるようになったことである。

 二つ目は、できるようになった、わかるようになった結果として生じる子どもの笑顔・喜びである。今回のアキコ場合、「うん、できた!」と、嬉しそうな表情をしたことである。そんな笑顔や嬉しそうな表情を見たときは、教える仕事を選んだ醍醐味を味わうときであり、やりがいを感じるときである。

 三つ目は、その結果生じる指導者に対する感謝の言葉や、指導者への信頼や尊敬の念の高まりである。指導者としてそのような感謝の念や信頼・尊敬の念を抱かれることは、自己肯定感が高まり、とっても嬉しいことなのだ。
 また、この指導者に対する感謝の言葉や、指導者への信頼や尊敬の念は、当事者である子どもからばかりでなく、子どもの成長を目の当たりにした保護者からのものも含まれる。
 今回の場合、間違いなくアキコの私への信頼は増したし、妻からの信頼も増した。

 四つ目は、これは職業として選んだ場合のみに当てはまるが、経済的な報酬(給料)である。

 教える行為が成功したときは、教える側と教わる側にとても好ましい人間関係が生じるのである。

 今、教育界を見渡すにアウトソーシング(外注)全盛である。
 我が家にしても、エレクトーン、算盤、書道(実母が教えているが)……がそうである。餅は餅屋ということで、専門家に任せた方が、確かに子どもは伸びるし、確実だ。
 第一、親には子どもを指導している時間があまりない。

 一方で、それが親が子どもとふれあう機会、教える機会を奪っていることも確かだ。
 このことは、実は親子の好ましい人間関係を生じさせる機会をも奪っているのである。

 「お父(母)さんって、すごい。」(アキコに25m息継ぎなしで泳いで見せたら、アキコはびっくりしていた。)、「お父(母)さんのおかげで○○ができるようになった。お父(母)さんのおかげで□□がわかるようになった。」「お父(母)さん、ありがとう。」
 親と子のこのような機会を奪っているのである。

 餅は餅屋のアウトソーシングで、成果というおいしいところばかりいただくというやり方の落とし穴がここにある。親が子に教えるという醍醐味を味わう機会、親が子に尊敬・信頼されるという好ましい親子の人間関係をつくる機会を失っているのである。

 できるところ、得意なところで、子どもに教えてあげ、達成感を持たせる。そして、子どもの信頼や尊敬を得る。
 塾や教室へのアウトソーシングも併用しながらも、親が直接子どもを教える機会を大切にしたいものだ。

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◆留意点・その他:
親をすばらしい、すごいと思える子どもは、幸せだ。それには、子どもに親のすごさを見せること、アピールすることも必要だ。その一つの方法に、親の得意とすることを子どもに示すことがある。
昔は、もっともっと「お母さんが教える。」「お父さんが教える。」という機会がたくさんあった。△塾や○○教室自体もたくさんなかった。今は、余程意識してそういうことをしていかないと、あっという間に、アウトソーシングで占められてしまう。また、子どもが大きくなれば、教えようと思っても、既にレベルが高くなっていて、教えられないということになってくる。このようにみていくと、幼児期、学童期は、親が教えることで、子どもの信頼・尊敬を得る、またとないチャンスだと言える。


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momomo

小学生の娘さんと二人だけで出掛けられることに少し驚きました。ファーザーさんが家族を大切に接してきた賜物ですね。
教えるという立場はとても難しいと思います。理解してもらえない時の悔しさもありますから。でも、だからこそ出来た時の喜びもひとしおなのかもしれませんね。我が子ならなおのこと。せめて自分が教えられることは人任せにせず頑張って教えたいと思いました。
by momomo (2008-01-15 11:25) 

子供の学習能力には驚かされますよね。
きっと娘さんにとっても、忘れられないパパとのいい思い出に
なったでしょうね^-^
by (2008-01-15 11:29) 

太郎の父

niceとコメントからたどってやって来た
太郎の父でございます。

「親が直接子どもを教える機会を大切にしたいものだ。」に共感です。
「教える」とまではいかなくても、
あることに関して「これは、こんなに楽しんだぞ!」って、
身をもって伝えることも大事にしていきたいなと、
このファーザーさんの記事を読んで再認識しましたです。

それでは、ご機嫌よう~

P.S.上野動物園の写真を追加しましたよ~
by 太郎の父 (2008-01-18 00:38) 

ツカモト

私も父に絵を教えてもらった覚えがあります。父が美大出だったので。
私自身はたいして上手になったわけではありませんが、
「お父さんは凄いな~」 と思ったことはよく覚えています。
仰る通り、得るものは一つではなかったわけですね。
by ツカモト (2008-01-18 02:11) 

泉河潤一

> momomo さんへ
小3のアキコですが、確かにこれまでの関わりの結果、強い信頼関係ができているからでしょうね。年中のクニコも含めて、3人でお風呂にもずっと入っています。(妻はその間家事などをしています。)最近は、お風呂で背中に文字を書いて当てっこなどをして、遊んでいますね。

教えることは、私の場合、教員ですし、水泳は私の得意分野です。自分の強味を生せるところで、教えればいいと思います。
by 泉河潤一 (2008-01-19 07:13) 

泉河潤一

>ともともさんへ
アキコは運動能力がもともと高いこともあるのでしょうね。

私は通常学級の担任を1年から6年まで3回ずつはやっているので、なかなか泳げなくて大変な子をたくさん見てきましたし、指導してきました。
できるようになるまで、とても手がかかる子を含めて、子どもの学習能力の高さ、可能性には驚かされますね。

教えてもらったおかげで、できるようになったという経験は、間違いなく親子の絆を深めますね。
by 泉河潤一 (2008-01-19 07:19) 

泉河潤一

>太郎の父さんへ
親が意識するしないに関わらず、我が子は親をモデリングしています。

親が楽しそうにあることに熱中していれば、「あっ、あれは楽しいことなんだ。やってみたい。」と思うわけです。

太郎の父さんの言われる「身をもって伝える」ことは、感動体験の共有を含め、親子の絆をきっと強めると思います。私も大事にしていますよ。
by 泉河潤一 (2008-01-19 07:24) 

泉河潤一

>金魚草さんへ
親をすばらしい、すごいと思える子どもは、幸せだと思うのです。

それは親の得意とすることを子どもの示すことが一つありますね。

昔は、もっともっと「お母さんが教える。」「お父さんが教える。」という機会がたくさんあったと思うのです。今は、余程意識してそういうことをしていかないと、あっという間に、アウトソーシングで占められてしまいます。
また、子どもが大きくなれば、教えようと思っても、既にレベルが高くなっていて、教えられないということになってきます。

幼児期、学童期は、親が教えることで、子どもの信頼・尊敬を得る二度とないチャンスなんですね。
by 泉河潤一 (2008-01-19 07:30) 

今日もまた、ものすごく為になりました〜。
アキコちゃん、素晴らしいですね。教え方もさることながら、
吸収してゆく集中力や日ごろの運動能力の高さも、ありますよね!
『お父さんに水泳を教わった』なんて、生涯覚えてるだろうなあ。
私も『母に絵画を教わった』くちなのですが、母は今思えば、
自身の苦手な算数も、一生懸命調べながら教えてくれていたっけ。
教えてもらう事は、親子のコミュニケーションなんですよね!
私も、まかせすぎずに、自分でも頑張って子供と取り組んでみたいなあと、しみじみ思いました。
by (2008-01-20 09:05) 

こどもに習い事をさせるとき、専門家や先生に教わった方が
緊張感もあって効果があるのかな〜、と考えていましたが、
親が教えることでお互いに得られるものも、とても大きいのですね。
私も娘の興味関心をひきだせるように、いろいろなことを
私自身や主人、周りの人がまず教えられる環境を作ろうと
思いました☆
by (2008-01-21 10:52) 

泉河潤一

>qoooさんへ
qoooさんは、お母さんに絵画を教わったのですか。qoooさんの絵のうまさは、お母さん仕込みでしたか。いいですね。

今日は、アキコに請われて「サイドクロス」(縄跳びの一種目)を教えることになりました。8時30分頃、やって見せたうえでいろいろアドバイスして教えましたね。じきできるようになると思います。

アキコの学校では、今は縄跳びシーズンで、縄跳びがとても流行っています。サイドクロスができないと、上の級にいけないそうで、アキコはどうしても教えて欲しいというのです。

 子ども自身が教えて欲しくてしょうがないことを教えるというのがベストのタイミングですね。それをわかっているので、仕事で疲れていたのですが、教えてあげました。
タイミングもポイントですね。
by 泉河潤一 (2008-01-21 21:57) 

泉河潤一

>Delica☆ さんへ
そうですね。親が教えることで得られることがたくさんあります。

一番大きいことは、絆作り、信頼関係作りになるということでしょうか。

親の権威の低下(権力ではなく)は、実はこの辺りに大きな原因の一つが潜んでいると、私はにらんでいます。
 親を尊敬するどころか、「親は大したことない」と思う子が増えているような気がします。
 お父さん、お母さんはすごいというところを見せたり、お父さんやお母さんのおかげで○○できるようになった、わかるようになったという経験があれば、子どもは親を尊敬し、信頼し、もっと子どもとの関係がよくなると思うし、子どもを動かせるようになると思います。

 たまたま今『三字経』を見ていたら、「養うて教えざるは 父の過ち」という文が飛び込んできました。「子を養っても、正しい躾を教えなければ父母の過ちです」という意味です。
 親は働いて子どもを養うだけでも、私は尊敬に値すると思いますが、それだけでは、やっぱり半分の責任しか果たせていないのだと思います。
by 泉河潤一 (2008-01-21 22:11) 

miyu

アキコちゃん、すごい!!
こうやって親子で努力してるからこそなんですよね!

水泳は、私も自分で教えたいと思っています。
教え方に自信あり!というより、
一応泳げるんだし、
一緒に頑張れたらどんなに楽しいだろう・・・と
いうことで。どれもそうなんですけどねー。
3番目が生まれて、やっぱりスイミングにしておけばよかったと
ちょっと後悔していましたが、この記事を読んで
俄然やる気が出ました!
by miyu (2008-01-31 21:56) 

泉河潤一

>miyuさんへ
親子で努力といいますが、ふれあいを楽しんでいるのが本当に近いです。

次女は、私が泳げるようにするつもりです。少なくとも、クロールと背泳は。

ふれあいを楽しめるばかりか、得意なフィールドで教えることで、子どもの尊敬まで得られるのですから、一石二鳥ですね。
by 泉河潤一 (2008-02-03 15:28) 

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