父親がわが子に初めて買ってあげた玩具 [K8 アキコ]
◆リード:父親である私が始めたわが子(長女アキコ)に買ってあげた玩具。それは、木製の動物たちであった。それを見るとアキコが小さかった時、一緒に遊んだ思い出が沸々としてくる。
2007.11.26 父親がわが子に初めて買ってあげた玩具
先週のことである。
妻が書斎に来て、こう言った。
妻「ねえ、この玩具、○△さんのお宅にあげていい。アキコもクニコももう使わないと思うんだけど。」
私は、その玩具(と言ってもたくさんの)を見た。いくつかのプラスチックの玩具に混じって、木製の動物たち(キリン、カバ、ウサギ、ヒツジ、ゾウ、ワニ……)を見つけた。
私「ちょっと待って。その木製の玩具は、ボクがアキコに初めて買ってあげた玩具なんだよ。1万円以上もしたんだよ。ちょっとあげるのは、もったいないよ。ずっととっていて、アキコやクニコの子(ボクたちの孫)にあげることにすればいいよ。だから、あげないで。」
「プラスチックの玩具は、あげてもいいけど。」
と言った。
そういうわけで、すんでのところで残った木製の動物たち。
アキコに初めて買ってあげた玩具。初めてとは、一体いつ買ったか?!
アキコが産まれること丁度1週間前、1998年8月1日である。
買った場所は、柳生博さんが夫婦と息子達と始めた「八ヶ岳倶楽部」というギャラリーとレストランが合体したような素敵なお店である。
何故10年近く経った今でも、その日が分かるかというと、柳生博『八ヶ岳倶楽部 森と暮らす、森に学ぶ』という本を読み、是非その場所に行ってみたいと思っていた私が、実際にそのお店に行き、たまたま柳生博さんも居て、その本にサインと共に日付が残っていたからである。(※ 近くで親業・教師学のセミナーがあった。)
この玩具、もちろんアキコが産まれる前から買っていたのだから、初めて買ってあげた玩具となる。実際によく使われるようになったのは、2歳頃からである。
この頃は、私は現職の教員のまま大学院に派遣されていて、思い切りゆとりがあった。
この玩具を見ると、その頃その玩具を使って遊んだ情景がありありと思い出される。
滑り台付き室内ジャングルジムが部屋に置いてあったのだが、その滑り台から動物たちを何回も何回も滑らせて遊んだのだ。
私「ほらワニさんがいくよ~。」
アキコ「キャキャ。」
私「ほら今度はウサギさんだ。」
アキコ「キャッキャ。」
アキコは滑り台の下にいて、落ちてくる木製の動物たちを見て喜んでいたのであった。
慣れてくると、逆に自分でも動物たちを滑り台から滑らせて喜んだ。
いつしか、倒れないで滑り台の下までくるとオッケーというルールになった。
アキコ(ヒツジを滑り台の上から落とす。)
私「倒れないで落ちてきたね。すごいよ。」
アキコ(今度はカバを滑り台の上から落とす。)
私「今度も倒れないよ。2匹ともうまくできたよ。」
アキコ(今度はアヒルを滑り台の上から落とす。)
私「今度も倒れないよ。3匹もうまくできたよ。」
アキコ(キリンを滑り台の上から落とす。)
私「倒れちゃった。今度は失敗だね。キリンは難しいね。」
こんな感じで遊んでいた。教師だからか、遊びの中でしっかり数を教えていたのだった。
その後、積み木セットを出し、アキコの背の高さぐらいかそれ以上に、積み木を積んで遊んだことも鮮やかに思い出せる。アキコの笑顔や笑い声とともに。
アキコの幼い頃の思い出のいっぱいつまった玩具。
愛着のある玩具。
初めて買ってあげた玩具。
まず自然な玩具を与えてあげたいと思い、高くても木製の動物たちを選んだ。
あれから10年近くたとうとしているのに、その玩具たちは、ほとんど痛んでいない。たくさんたくさん使ったのに。「まだまだ使えますよ。」と言いたげに。
もちろん、まだまだ使う。アキコ(またはクニコ)が結婚して、子供が出来たとき、その子供に使ってもらうつもりだ。
アキコが小さかった頃、使った思い出を語りながら……。
その時が来るまで、しばらく納戸にしまっておこう。
「それまでおやすみ、動物たち。」
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◆キーワード:1 玩具 2 わが子とのふれあい・思い出 3 リユース
◆留意点・その他:
素敵なお話、ありがとうございます。まだまだ先のことですが、お孫さんたちが遊ぶ情景は楽しみですね。
受け継いでいくに値する良いもの/本物は、値が張っても長い目で見れば決して高くはないのかもしれません。安くても使い捨てになるものではなく、こういった買物をすべきだと思いました。品質の良し悪しが分かるということにとどまらず、物や思いを受け継いでいくことの素晴らしさも分かって欲しいですし。
by Shun (2007-11-27 23:15)
優しい木のぬくもりがある良いおもちゃですね。
そして子どもと親との温かい思い出もあって。
仕舞っておける場所があるなら、ぜひ取っておきたいですよね。
ファーザーさんのこのおもちゃ。
私にとっては、子供たちに編んだニットの数々です。
孫に着せたいですね・・
by ゆうこりん (2007-11-28 20:07)
>Shunさんへ
いつかやってくるであろう、孫とのふれあいはきっと楽しみでしょうね。
もう一度、幼子の父親を体験するようなわくわくする経験かもしれません。
ものは、良いものを長く使うのがいいと思っています。良いものに囲まれているだけで、豊か気持ちになりますから。それはよい教育にもなると思います。
また、オーストラリアだったか、祖父母の代から使っている家具調度を誇りに思って来客に紹介している記事を読んだことがあります。伝えていけるほど良いものだとパフォーマンスもよいはずですし、思いも伝えていけますね。
by 泉河潤一 (2007-12-01 09:33)
>ゆうこりんさんへ
子供たちに編んだニットの数々。愛情たっぷりで、きっとあたたかいでしょうね。
そういえば、母が編み物の先生だったので、私が小学生の頃、よく手編みの毛糸のセーターを着せてもらっていましたね。
by 泉河潤一 (2007-12-01 09:36)
素敵なお話ありがとうございます。
孫までとっておきたいですね。
木のぬくもりと思い出と全部
ひっくるめてかけがえのない
品ですもの。
by miyu (2007-12-02 06:57)
>miyuさんへ
miyuさんが千nice!目を押してくださいました。
ありがとうございます。
miyuさんは、古くからの読者ですし、とってもふさわしい人に押していただいたと、嬉しく思っています。
本当に思い出ひっくるめて、かけがえのない玩具なんです。絵本も含めて、しっかりと引き継いでいこうと考えています。
by 泉河潤一 (2007-12-02 17:22)