SSブログ

物を大切にする躾ー貸したボールが戻ってこなかったらー [B3 しつけ:マナー・その他]

◆リード:アキコは、算盤仲間の4年生とアキコの友達の3年生に、緑のボールを貸した。幼稚園の時、体操教室で使ったものである。ところが、戻ってこなかった。私は憤り、担任の先生に善処をお願いした。そして……。

2007.11.10 物を大切にする躾

ー貸したボールが戻ってこなかったらー

 3日前の水曜日、久しぶりに大勢の(8名)アキコの友達が自宅に遊びに来た。

 家の中で遊ぶのが飽きたアキコと何名かの友達は、途中で道路を隔てた向かいの小学校のグラウンドへ緑のボールを持って遊びに行った。

 途中から算盤仲間の4年生も入ってきたそうだ。
 しばらく一緒にボールで遊んだ後、アキコはボールを貸したまま、しばし自宅に戻った。グラウンドに戻ってみると、ボールも4年生の姿もなくなっていた。

 翌日の木曜日、アキコは、学校でもう一度友達に聞いて回った。どうやら木にひっかかっているということがわかったので、それを見に行ったのだが、木の上にはなかったという。

 こうした情報を聞いたのが、木曜日夜の夕食の団らん時だった。

私「それは問題だな! 人の物を借りて、それでさんざん遊んでおきながら、きちっと返さないなんて。」
「帰宅後のことだから、学校管理下ではないけれど、グラウンドでのことだし、4年生もかかわっているから、担任のT先生に指導してもらう必要があるね。」

妻(黙ってうなずく)
アキコ(お父さんとお母さんのやり取りをじっと聞いている。)

私「タカちゃん、連絡帳にこのことを書いて(担任に知らせて)おいてね。」
妻「うん。」

 子供が寝た後、書斎で仕事をしていると、妻がドアを開けて、

妻「ねえ、何て書けばいいの。(説明する。)あなた書いてくれない。」
私「わかった。ボクが書くよ。」

 こう言って、担任のT先生宛に、さらさらと次の文章を書いた。(原文のまま)


水曜日の日、帰宅後、A小学校のグラウンドで、我が家の緑のボールで遊びました。3年生のお友達の他に4年生もそのボールを使ったそうです。その後、どこかになくなったそうなので、今日、アキコに探してくるように話しました。でも、見つからなかったようです。人のボールを借りて、きちっと返さないこと自体問題だと考えますし、アキコにも物を大切にすることを教えたいところです。4年生もかかわっているとすれば、アキコ一人では手に負えない面もでてきます。申し訳ありませんが、先生の方で事情を調べていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。


 その日、T先生は、きちっと対応され、緑のボールも見つかり、連絡帳に次のように書いてくださった。

11/9 おたよりありがとうございました。昨日、木にひっかかっているとのことで見に行ってくれたのですが、なかったとのことで私がその後、見に行ってあげるのをうっかりしていたのです。すみません。私も悪かったです。今日、連絡帳を見せる前に話をしてくれたので、3の2の子どもにも話を聞き、4年生もいっしょに見に行きました。木の下に落ちていましたので、拾って、アキコさんに持たせました。子どもたちには、かりたものは、最後まで責任をもって返しに行くことや、今回のような時(※ボールが木の上にひっかかってしまい、返せなくなったという意味=ファーザー)は、おうちの方の所へ行くなりするように伝えました。4年生の先生にも、お話ししておきました。大切なことなので、3年生全体にも、たとえばということでお話ししました。ありがとうございました。(4年生には、アキコさんにあやまってもらいましたが、今後、こうした時にどうするかもお話しました。)T……(原文のまま)


 連絡帳の記入と合わせて、自宅に電話も来た。妻が対応したそうだが、連絡帳のような内容であった。
 妻は、「帰宅後のことで、学校管理下外なのに、ありがとうございます。」と受けていたそうだ。私も学校管理下外にもかかわらず、適切な対応をしてくださったT先生に感謝している。

 担任のT先生の対応は、ベストである。素早い対応、ボールを見つけたこと、3年生や4年生への指導、家庭への連絡帳や電話での対応……。私もおそらくはこのように対応したであろう。担任のT先生は信頼しているが、今回の件でまた一層その信頼が増した。

 T先生が連絡帳に「ありがとうございました。」と書かれているのは、私が事実を知らせたおかげで、子供たちへの良い指導の機会になったことに対して書かれているのである。
 実は、私も、親として同業者としてしっかりと子供たちを指導する必要を感じて、連絡帳で知らせたのである。

 物を大切にする躾(習慣)は大切だ。大切に丁寧に使うことと合わせて、今回のように、なくした場合きちんと探すことや、自分の物をなくされた場合は相手の責任を追及することも含まれる。
 そして一方、借りた物、友達の物、公共の物も大切にすることも当然含まれる。

 今回、私としては、ボールがなくなったことよりも、借りた物をなくして(木の上にひっかかってしまった)そのままでいる子の指導が必要だと考えたし、なくされたまま平気でいる子に育ってほしくなかったので、あえて連絡帳に事の次第を書いて担任の先生に知らせた。
 
 幸い担任の先生の適切な指導で、ボールが戻っただけでなく、3年生全体や4年生にとっても、よい学びの機会になったようだ。

【関連記事】あったかい家族日記検索HP『家族の広場へ』

子供が学校で故意にモノを壊したら……

いじめ解決への道!

よかったらnice! ブログを書く意欲はあなたのnice!に支えられています。

◆キーワード:1 学校で物をなくしたら   2 物を大切にする躾  3 担任への連絡

◆留意点・その他:
・最近、今回の件と対照的なことを知った。妻が先日の文化祭の折、ある保護者から知らされたのだが、そこの子が我が家に遊びに来た際にDS(?)のソフト(とても小さいらしい。我が家にはDSの類はないのでよくわからない)をなくしたのだそうだ。それも半年前に遊びに来た際に。
 「妻は調べてみます。」と答えたそうだが、それを聞いた私は、「1週間後でも遅いのに、半年前!」と思わず言った。「ふざけるな!」と言いたい。こうした対応が、ものを大切にしない子を育てるのだ。
 最近に始まったことではないが、学校の落とし物には持ち主が見つからないケースがとても多いのだ。マスク、ハンカチ、服、グッズ……。展示したり、回覧したりするのだが、記名はなく持ち主は見つからない。親自身が見あたらなくとも、なくなっても、なあなあで済ましているのだろう。まあ、また買い与えればいいと。
 物を大切にしないのは、ある意味、親の姿勢の反映である。
 学校には同じ物を使っている子供がいるケースもたくさんある。そうして意味でも、少なくとも、わが子の持ち物には記名しておきたい。
 緑のボールにも記名していたので、おそらくいずれアキコの元に戻っていたであろう。

・1年以上も前に、我が家で同じくソフトをなくしたと言った子がいた。アキコの近所の友達だった。その子は、なくしたその日だったか、翌日に知らせてきた。
 家族みんなで探してもなかったので、私が「こういうケースでは、本人が持っているケースがあるね。」と言った。その子の家にその日のうちに電話をかけたら、母親はなくしたこともまだ知らなかったが、本人が出て「ポケットの中にありました。すみませんでした。」と言っていた。落とし物には、即対応である。


nice!(5)  コメント(8)  トラックバック(1) 
共通テーマ:育児

nice! 5

コメント 8

物を大事にしないのは親の姿勢の反映・・・
ハッとさせられるお言葉でした。
私もつい、ものを大事にしない娘をしかることがありますが、
親が安易にものを捨てたり、大事にしていない様子を見ている
んですね〜。まず自分の足下を見なくてはいけませんね。
by (2007-11-10 13:20) 

jaikel

コメント&nice!ありがとうございました。
お父さんの視点のブログ、興味深いです。
いくつか読ませていただきましたが、
とっても素敵な家族の関わりで参考になります。
「日本を良くするには家族の再生が大切」
この言葉、びっくりしました。
わたしもつねづね日本だけでなく
世界が平和になるにはひとつひとつの家族が幸せになつこと
と考えていたことに繋がっていたからです。
読んでいるブログに追加させていただこうと思います。
長文失礼しました。
by jaikel (2007-11-11 03:39) 

モノを大事にする心。しみじみ考えさせられました。
親が、どんどん買い与えていては、育たないですよね。
自分を反省してしまいます。
T先生の対応は、適切ですね。確かに上級生が絡むと、
子供同士では解決しづらいことがあります。
連絡帳で先生に知らせる事の大切さを、感じました。
by (2007-11-11 05:22) 

こんばんは(^u^)
本当に勉強になります!いや、たった今
深く考えなおしました。
物を大切にする心。こんなに大切な事を、私自身が
忘れかけていました。情けないです(_ _)
これだけ沢山のものであふれている時代、
物を大切にすると言う大事な事、私が
せがれ達にしっかりと教えていかなければいけないと
言う事、親として当然の事をおろそかにしていた気がします。
勉強させていただきました(^^)ありがとうございます!!
by (2007-11-12 17:11) 

泉河潤一

>Delica☆ さんへ
その通りだと思いますね。とりわけ母親の言動の影響は大きいです。

わが子の言動を見ていると、妻の言動とうり二つの時が多々見られます。

モノを大切にするということにとどまらず、立ち居振る舞いまで似てきます。

親が意識しようと意識しまいと模倣されますから、よいお手本を示していきたいと、自戒しています。
by 泉河潤一 (2007-11-12 21:27) 

泉河潤一

> jaikel さんへ
コメントありがとうございます。

私は、本当に「日本を良くするには家族の再生が大切」と考えています。微力ながら、そうした思いも込めて、このブログで発信しているのですね。

世の中が乱れれば乱れるほど、その防波堤としての家族の役割が大きくなります。この時代、家族の役割は非常に大きいですね。

家族こそ最も身近で長くかかわるところです。一番大事にしたいと思っています。
よろしかったら、本ブログのサイドバー<2006.11.5 心にしみた言葉15号>をお読みくださいませ。
by 泉河潤一 (2007-11-12 21:32) 

泉河潤一

>qoooさんへ
コメントありがとうございます。

子供が小さければ小さいほど、親の姿・立ち居振る舞いを是として無批判に受け入れてしまうものです。親自身がよいお手本を示すことが基本だと考えています。

我が家では、この点については、妻の方がしっかりしています。
by 泉河潤一 (2007-11-12 21:37) 

泉河潤一

> うっちぃさんへ
コメントありがとうございます。また、参考になって何よりです。

私個人としては、少々高価でも良いものを買って大事に長く使うのが好きです。安物買いの銭失いという言葉があるように、その方がトータルで割安になると思いますし、良いものに囲まれて生活した方が潤いがあるのではないかと考えているのです。良いものだと、大事にしますし、長く使うと愛着がわきます。
もっとも、私が今使っている筆入れは500円ぐらいだったと思いますが、20年以上経っているのに、未だに現役ですが……。

 そうそうオーストラリアだったでしょうか、長く使っているのことを誇りに思う文化があるそうです。このなべは、曾祖父の代から使っているなべだというように、長く使っていることを誇りに思う文化です。

愛着などを考えても、新しいものがいつも良いわけではないともいえます。
by 泉河潤一 (2007-11-12 21:51) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 1