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フィンランド・メソッドによる「100冊読書日記」の開始 [C1 読書]

◆リード:今日の午前中、父(母も)と子塾をした。今日のメインディッシュは二つ。フィンランド・メソッドによる「100冊読書日記」の開始が一つ。もう一つは、夏休みのめあてを立てることであった。読書日記の導入の様子を紹介する。

2007.7.15 フィンランド・メソッドによる「100冊読書日記」の開始


 今日の午前11時頃から12時50分頃までの約2時間、父(母も)と子塾をした。

 まずは、あいさつ、大切な言葉の復唱の後、暗唱タイムとして、「落ち葉」の復習テストをした。二人とも簡単に合格した。一度合格している上に、ずっと復習させてきたので、当然かもしれない。

 そして、今日のメインディッシュの一つ。フィンランド・メソッドによる「100冊読書日記」の導入の様子を紹介する。

私「アキコ、クニコ、フィンランドという国を知っているかな。」
アキコ「地球儀をもってくる。」

 さっそく地球儀をもってくるアキコ。

私「ここなんだよ。」(地球儀上の位置を示す)
アキコ「日本の(面積の)方が少し大きい。」
クニコ「そうだ。」

私「そうだね。この国は、OECDが2003年に行った国際学力テスト(学習到達度調査)で世界一になったんだよ。」
アキコ・クニコ「えー、日本は何位だったの。」

私「日本は、国語の力(読解力部門)では14位だったんだよ。そのすぐれたフィンランドの方法を取り入れた読書日記の本があるんだよ。アキコとクニコにプレゼントするね。」

アキコ「うわー。(手に取ってみる)これ知らない。これは図書室にあった。『もったいないばあさん』がある。読んでみたい。……。」
クニコ「この本、保育園にある。あっ、『ぐるんぱのようちえん』読んだことある。……。」

 アキコには、
『フィンランド・メソッドで本が好きになる 小学生100冊読書日記ー小学3年生からー』(北川達夫監修、フィンランド・メソッド普及会編、経済界950円)
を贈り、

小学生100冊読書日記―フィンランド・メソッドで本が好きになる

小学生100冊読書日記―フィンランド・メソッドで本が好きになる

  • 作者: 北川 達夫
  • 出版社/メーカー: 経済界
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本

クニコには
『フィンランド・メソッドで本がすきになる 親子で書こう100さつ読書日記ー4歳から小学生ー』(北川達夫監修、フィンランド・メソッド普及会編、経済界950円)
を贈った。

親子で書こう!100さつ読書日記―フィンランド・メソッドで本がすきになる

親子で書こう!100さつ読書日記―フィンランド・メソッドで本がすきになる

  • 作者: 北川 達夫
  • 出版社/メーカー: 経済界
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本

 それぞれ、前段には発達段階に合った本が100冊シールと合わせて紹介されている。二人とも、それらを見て、「読んだことがある。見たことがある。知らない。」などと言い合っていた。
 アキコについて言えば、前掲書の中で紹介されていた4歳から小学生までの100冊の本のうち、36冊は読んだことがある本だったが、小学3年生からの方では読んでいた本は僅かに2冊だった。

私「この中から、本を選んで、読み終えたらシールを貼るんだよ。そして、一言感想などを書けばいいんだよ。」

アキコ「この中で家には、どの本があるの。」
私「アキコの方はあまりないけど、『100万回生きたねこ』とか『モモ』とかがあるよ。」
クニコ「確か『100万回生きたねこ』(アキコが幼稚園の時に何回か読み聞かせたことがあった)はここにあったよ。」
 こう言って、本を見つけてきたクニコ。

クニコ「クニコは、『3びきのやぎのがらがらどん』にする!」

 それぞれが選んだ本を自分で読み始めた。

アキコ「読んだよ。」
私「じゃー、シールを貼ろう。」

 うれしそうにシールを貼るアキコ。

私「次は、本の題名と作者を書くんだよ。」
アキコ「そうか。100万回生きたねこ。佐野洋子と。」

私「次は読んだ日付だね。7月15日になるね。」
アキコ「七月十五日と。」

私「次は面白度だね。つまらないは一つ星。あまり面白くないは二つ星。普通が三つ星。面白いは四つ星。とても面白いは五つ星だね。」
アキコ「う~ん、これは四つ星だな。」

【「フィンランドの国語メソッドによる対話法で感想を引き出す】
私「もう一度聞くけど、本は、どうだった?」
アキコ「面白かった。」(つまらなかったでもよい。)
※ ここで、詳しい説明を求めない。

私「どこが面白かった(あるいはつまらなかった)。面白かった(つまらなかった)ところを教えて?」(3~5個ぐらい聞く)

アキコ「このページ。(妻の白いねこが死んでしまって大泣きしているねこの絵のページ)」

私「それは、どういうふうに面白かったの?」
アキコ「この(涙が出ている)目のところが面白い。」
私「妻の白いねこが死んでしまって、大泣きしているところかな。」
アキコ「そう。」

私「次は、どこが面白かったの?」
アキコ「ねこが白いねこの前で、くるくると宙返りをしたところ。」

私「それは、どういうふうに面白かったの?」
アキコ「なんか面白い。」

私「お父さんは、ねこが好きな白ねこの気を引きたくて宙返りをして見せた感じがするね。」

私「あと、一つどこが面白かったの?」
アキコ「白いねこが『そう』と一言だけ言っているところ。」

私「それは、どういうふうに面白かったの?」
アキコ「普通は、主語と述語があって、もう少し詳しく話すのに、一言だけ言っているから。」

私「なるほどね。」
 
 このやりとりの後、「一言感想文」を書かせた。アキコは、

「すきな、ねこが、しんじゃって、かわいそうだった。」

と書いた。

 同じように、『三びきのやぎのがらがらどん』を読んだクニコに、五つの質問をした。その後で、同じように「題名・作者・日付」と読んで「どうだった?(感想)」を書かせた。

 クニコは、
「とろるの たこのようなかおが おもしろかった。」

と書いた。

アキコ「100冊全部読んだら、お祝いする!?」
私「そうだね。是非お祝いしたいね。」
クニコ「(子ども)ビールを飲みたい!」

 以前のブログ記事にも書いたように、読書の習慣は、きわめて大切だと、私は考えている。

 TOSS(教育技術法則化運動)代表の向山洋一氏曰く

「我が子に読書の習慣を身に付けさせることは、親が生前贈与三千万円をしたのと同じくらいの価値がある」

 私も、それくらい価値があると考えている。

 よいことは、躊躇することなく学び・取り入れる。これは、私のポリシーである。

 フィンランド・メソッドによる100冊読書日記クリアーの報告を、いずれの日にかこのブログでできたらと思う。

【関連記事】あったかい家族日記 「家族の広場」

「本好きに育てる」

「子どもに受けた本」

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◆キーワード:1 読書日記  2 親子塾  3 フィンランド・メソッド

◆留意点・その他:
*この記事を書き終えた時点で、今から約20年前、「学級知的チャレンジ100方式による自学力のつけ方」(『授業研究』1989年6月号に発表した、私の教育実践)の中で、「読書編」として、100冊読書にチャレンジさせたことを思い出した。
 クリアーの条件は、「①本を読む ②書名、著者名、読み終えた年月日を書く ③内容のあらまし、感想を10行以上書く」というものだった。
 つまり、骨格はもう20年前に私は実践していた。ただ、具体的に100冊の本を示し、しかもシールを付けている点で、使い勝手がよい。しかも、フィンランド・メソッドには、感想を引き出す対話法も載っているので、子どもを読書好きにするためにオススメの方法である。

・フィンランド・メソッドによる「読書日記」とは、前掲書によれば、次のようである。
①子どもの成長に合わせ、適切な本が選べる。
*確かに100冊の本が具体的に紹介してあるのは、これだけでも価値がある。
②本を読み終えたら、表紙シールがはれる楽しみ。
*確かにそれはある。子どもはシールが大好きだ。読書の意欲化につながる。
③子どもから感想を引き出す対話法を紹介。
 Q「本はどうだった?」
 A「おもしろかった(つまらなかった)。」
  ここで、詳しい説明を求める必要はありません。
       ↓
 Q「どこがおもしろかった(どこがつまらなかった)?
   おもしろかった(つまらなかった)ところを○○個教えて?」
 A「ええっと、主人公が悪者をたおしたところ……。」
  答えやすいように、3~5個位がいいでしょう。
       ↓
 Q「じゃあ、それはどういうふうにおもしろかったの?」
  そのあとも、「なぜ? どうして?」というように、対話を続けていくうちに、感想 は徐々に具体化していきます。
*この感想を引き出す対話法は、決して新しい取組ではない。以前から日本の教育界でも為されてきたことだ。たとえば、日記指導においても、このような指導が為されてきた。(本を今日と置き換えてみて欲しい。)

④一言感想だから、簡単であきない。
*簡単であることは、読書意欲を高める上で大切なポイントである。逆に読み終えた後、面倒な感想文を書き上げなければならないとなれば、意欲は低下する可能性がある。

⑤100冊目標で、本を読む習慣が身につく。
*和裁でもまず100枚縫えという言葉があると聞く。100という数字は、習慣を付ける上で、大切な目標となる。おそらく100冊読めば、読書の楽しさがわかり、読書の習慣が身に付くであろう。

・『フィンランド・メソッドで本が好きになる 小学生100冊読書日記ー小学3年生からー』(北川達夫監修、フィンランド・メソッド普及会編、経済界950円)の中で、北川氏は、「フィンランドの読書教育」として、次の文章を書いている。

 「以前、フィンランドで国語の教科研修を受けたとき、特に印象的だったのが読書教育の考えかたでした。実に毅然としたものだったからです。
 まず『ゲーム世代の子どもたちに、本を読ませるのは至難の業』とした上で、それでもなお『子どもには絶対に本を読ませなければならない』というのです。もちろん、中には自然に本を読み始める子どももいるわけですが、『自然や偶然にまかせているようでは、教育者は義務を放棄したのと同じこと』だというんですね。
 読書の楽しさにせよ、読書の価値にせよ、実際に本を読んでみなければ分からない。だから、教師は子どもたちが本を読むように誘導しなければならない。そのために必要なのは、適切な時期に、適切な内容で、適切な難しさの本を、選んであげること。そして、大人が本を読む姿を子どもに見せることー。」(同書3~4ページより引用)

 同感である。この「教師」の部分を「親」に置き換えると、そっくり家庭教育における親の役割となろう。


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