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子供が学校で故意にモノを壊したら…… [B3 しつけ:マナー・その他]

◆リード:先日、職場の歓迎会があった。たまたま校長と隣同士の席になり、1時間ほどもじっくりと話をした。その中で、子供が故意にモノを壊した場合の対応についての意見を伺った。なるほどと思えたので、紹介する。

2007.4.14 

子供が学校で故意にモノを壊したら……

 先日、職場の歓迎会があった。
 たまたま校長と隣同士の席になり、1時間ほどもじっくりと話をした。

 特別支援教育の話がメインではあるが、その中で、子供が故意にモノを壊した場合の対応について話が及んだ。

「A学校の時は、子供が荒れてひどかったです。……6年生が音楽室の楽器を故意に壊したんです。6年担任から音楽担当の教員、その場にいた職員(全職員の3分の1強)全員が、『校長先生、限界です!保護者を呼んで指導しましょう。』こう訴えたんです。ところが、その校長は、保護者を呼んでおおっぴらにすることを恐れたのか、保護者の中に市会議員いるのを恐れたのか、『いや呼ばなくてもいい。』と最後までそう言い続けて、結局保護者を呼ば(べ)なかったんです。」

校長「それじゃだめだ!さらに学校は荒れたでしょう。」

「そうなんです。ほどなく4階の音楽室から小太鼓のバチが落とされて、職員駐車場においてあったA職員の車の上に落ち、穴があきました。その修理費の5万円も学校から支出されたんです。学校は荒れに荒れました。」

校長「私(の場合)は、子供がわざとタンバリンを叩いて壊したという話を担任から聞いたとき、『弁償してもらいなさい。』と言いましたよ。担任は『これくらい修繕費で出ますが……』といって少しびびっていたようだったが、そうさせました。主眼は壊した子をよくすることだが、我々の対応を他の子たちが見ている。そこで毅然と対応することで、他の子がそういうことをする子になびくことを防止しているんだ。これも大きなねらいなんだよ。」

「そうですよね。A学校の時は、何をやっても恐くないということで、悪さのし放題で荒れに荒れました。結局その校長は2年で転勤でした。」

校長「そんな対応では、そうなるだろう。私が中学校の校長をしていたとき、1年目に学校のガラスが何度も割られて大変だったんだよ。もう修繕費が足りないくらい。それで、2年目のはじめのPTA総会で『故意にガラスを割った場合については、保護者に弁償してもらいます。』とはっきりと言ったんだよ。そうしたら、その年度はガラスを割られることは一件もなくなって修繕費が余って余って、別のモノの購入に充てたよ。」


 この話は、1時間の話のほんの一部であるが、大事な要素を含んでいると思う。

 一言で言えば、「子供に自分でやったことの責任を取らせる」ことが肝要だということである。

 ある学校(校長)は、子供が楽器を故意に壊すという行為をしながら、その責任をとらせなかった。子供は、やったことの責任を学ぶことができなかった。その代わりに「好き放題していい」「先生は恐くない」ということを学んだ。(実社会はそうではない!)その子たちばかりか、それを見ていた子もそのように学んだ。(これをモデリングという)

 ある学校(校長)は、子供が楽器を故意に壊すという行為を決して許さず、弁償という形で責任を取らせた。その結果、子供はやったことの責任を取る(らされる)ことを学ぶことができた。その結果、そのような行動はなくなった。その子たちばかりか、それを見ていた子もそのように学んだ。

 どちらが子供のためになるか、実証済みである。

 子供には可能な限りやったことの責任を取らせるべきである。それを通して、社会や家庭のルールを学ばせる機会をきちっと与えるべきである。

 昨今新聞紙上を賑わした給食費滞納の問題(給食を食べていながら、給食費を払わない)も、原則的には同じ対応をすべきであると思う。

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◆キーワード:1学校で物を壊す   2 しつけ  3 論理的(社会的)結末

◆留意点・その他:
 このことを、アドラー心理学では、「子供に論理的(社会的)結末を教える」といって重要な教育の方法として位置づけている。
 子供のある行為の結果、社会や家庭のルールによって子供にふりかかる出来事を体験させることで、学ばせるということである。
 例えば、子供が宿題を忘れて先生に叱られたとしたら、それは「宿題を忘れたこと」の「論理的(社会的)結末」なのである。
 論理的(社会的)結末を経験することを通して、子供は、次からは気をつけようと決心し、成長していくわけである。
 ところが、この論理的(社会的)結末を経験することを故意にさせないとすれば、これは子供の成長を妨げることになるのである。


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コメント 2

全くそのとおりだと思いました。
自分のしたことの責任を取る、というのは本当に当然のことです。
学校は子どもの社会、社会で責任を取らなくていいということを学んだら、どうなるんでしょうね。
by (2007-04-15 14:46) 

泉河潤一

>ちばおハムさんへ
そうなんです。本当に今の日本の子供たちは危険な状態だと思います。

ささいなことですが、家庭でも、自分が使った玩具は自分で片付けさせる。こんなことから、きちんとやらせることが大切だと思います。
by 泉河潤一 (2007-04-18 18:37) 

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