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子供の将来の夢は大切に育みたい! [D5 親の語り]

◆リード:アキコの将来の夢は、今のところ「お菓子やさんになること」である。つい先日、アキコが「お菓子屋さん、やめようかな。」とぼそっと言った。理由を聞けば、「儲からないから。」という。そして……。

2006.12.30    検索HP『家族の広場』へ

アキコの将来の夢は「お菓子屋さん」

 ー夢は大切に育みたいー

 12月21日のことである。帰宅してしばらくすると、アキコがいきなりこう言った。

アキコ「お菓子屋さん、やめようかな。」
私「どうして?」

アキコ「だって、儲からないもの。」

私(儲かるかどうかが大切だと思っているんだな。)「そんなことないよ。その道で一流になれば儲かるんだよ。とってもおいしいお菓子を作れば、たくさんのお客さんが買いに来て、きっと儲かるよ。」
アキコ(ふーん というか そうかな という表情。)

私「それに、アキコもお父さんも、ケーキが大好きじゃない。ケーキを食べているときは、とっても幸せだろ。そんな幸せを作り出す仕事だもの。お菓子屋さんになる夢もステキだと思うよ。」

アキコ(何となくうれしそうに聞いている。)

 たったこれだけの会話だけれど、将来の仕事を選択する上で、大事な視点だと思う。

 アキコの言う「儲かる」ということは、利益が上がり、ビジネスとして成り立つということであり、それで生活できるということである。仕事は、ボランティアではなく、それで豊かに生活できなければならないので、第一に大切な視点である。

 だが、それだけではなく何かしらの点で社会に役立つものでなくては、そもそもビジネスとして成立しないし、仕事をする上でのやりがいや誇りをもてないであろう。

 実は、お菓子屋さんについては、一つの思い出がある。
 もう2年余り前の夏のことである。私は、東京でNLP「トレーナートレーニング」セミナーを受けていた。
 セミナー1日目の帰りに、重いリュックを背負いながら、新橋駅近くを歩いていた。
 ふとあるお菓子屋さんが目に入った。「こんな疲れているときは、お菓子が一番!」と思い、ウインドウを眺めた。

私(あの白桃ゼリーがおいしそうだ!)「あの、白桃ゼリーください。」
店員さん「白桃ゼリーですね。おいくつでしょうか。」

私(う~ん、一つとは言いにくいなあ。でも、ボク以外に食べる人はいないし……)
 「すみません、一つください。」

店員さん「(笑顔で)一つですね。ご自宅までどれくらいかかりますか?」

私「30分くらいでしょうか。」

店員さん(白桃ゼリーと一緒に保冷剤を箱に入れる。)「はい、どうぞ。(笑顔で)ありがとうございました。」

 さて、ホテルに帰った後、白桃ゼリーを食べた。ほどよく冷えていて、甘くて、とってもおいしかった。ハッピイな気分になり、「よし、やるぞ!」という元気が出た。
 
 なんでこんなに気分がいいのだろうと思い返してみると、白桃ゼリーのおいしさもさることながら、店員さんの対応がよかったからだと気付いた。
 私が常連客でなく(リュックを背負っていることから行きずりの客だとすぐにわかったはずだ)、しかもたった一つを注文しただけなのに、丁寧に笑顔で対応してくれた。

 あの店員さんの信念価値観は、きっと「一人一人のお客様を大切に」ということであり、「できるだけおいしく食べていただきたい」ということなのだろうなと思った。

 ふと白桃ゼリーを入れた箱を見ると、「ちょっとステキな気分をあなたに」と書いてあった。これがあのお店のミッションだったのだ!

 たった一人のお客のたった一つの注文にも、嫌な顔一つせず保冷剤まで入れてくれたあの店員さんの笑顔は、ミッションに生きているがゆえの笑顔だったのだ!

 実は、こんな経験があったので、さきのアキコの先の問答「ケーキを食べているときは、とっても幸せだろ。そんな幸せを作り出す仕事だもの。お菓子屋さんになる夢もステキだと思うよ。」となったのである。(瞬時に思い出せた。)

 アキコが将来就く仕事、それはまずそれで生活でき、かつ社会の役に立つこと。そしてそのことに、アキコがやりがいや誇りがもてること。それが満たされれば、お菓子屋さんでも……何でもよいと思っている。

 将来、そんな仕事を見つけてほしいと願いつつ、その時々の我が子の夢、職業選択の構えなどを大切に育んでいきたい。

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◆キーワード:1 将来の夢・職業選択  2 親子の会話  3 ミッション 

◆留意点・その他:
・親である私自身はどうか。教師になりたくて教育学部を選択した私は、さきの条件を満たしていると思う。ただ、こんなに厳しい仕事とは思わなかったが……。

・常識で縛ることをせず、子供の夢を大切にしたいと思う。

 最近読んだ「未来を変える80人ー僕らが出会った社会起業家ー」(シルヴァン・ダルニル、マチュー・ルルー著 永田千奈訳 日経BP社 )には、「世界初のマイクロクレジット、グラミン銀行創業者ムハマド・ユヌス」「再生可能な木材を中国に広めるシノフォレスト創業者アレン・チャン」「有機米のパイオニア、古野農場主宰 古野隆雄」……そうそうたる社会起業家が出てくる。
 本の帯には、「ただのカネ儲けより、ずっと楽しい仕事がここにある! 社会貢献しながら、しっかり稼ぐ現代のヒーロー、ヒロインたちに出会う素晴らしき世界一周の旅。」とあった。

 どれもよい社会にしたいという志がびんびん伝わってくる。しかも、それを理想で終わらせずに、経済の採算が合うようにしてビジネスとして成功させている。

 この中に必ず登場するのが、「そんなの無理。やっても無駄。それは非常識。」といって妨害する周囲の人たちだ。
 親としてそれで生活できるかという視点は、ゆるがせにできないと思うが、将来、我が子の夢実現の足をひっぱたり妨害したりする親にはなりたくないと思う。


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miyu

儲からない・・・もうそんな言葉が出てくる年齢なんですね。
そういう感覚も大事だけど、それだけになって欲しくないと思うと同時に、
実際お金だけで、仕事は乗り切れないし、
豊かな人生になるかどうかは別というのも事実。
夢だとか志だとか思いって、大事ですものね。
親の一言、親の感覚って大きいと思うので、
たった一言でもよく考えて子どもたちに話してやりたいですね。
by miyu (2006-12-30 23:12) 

泉河潤一

>miyuさんへ
そうなんです。

「儲からない」なんていう言葉が出てきたのです。今にして思えば、「儲からない」なんて、どうしてわかる? と聞いてみたいところです。

仕事を儲かる、儲からないという尺度だけでみるような子には育てたくないですね。それこそ、夢を育んであげたいです。
by 泉河潤一 (2006-12-31 23:52) 

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