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仕事重視型の人たちへ ーラポールを求める会話を大切にー [K1 夫婦関係]

◆リード:仕事重視型の人は、夫婦間あるいは親子間で問題解決のための会話のみに陥りがちである。ラポールを求める会話の存在を知るだけでも、会話が豊かになっていくのではないか。

2006.11.8   検索HP『家族の広場』へ

仕事重視型の人たちへ

ーラポールを求める会話を大切にー

 長岡高生『3日でやめる人、3年続く人』(日本実業出版社1400円)を読んだ。とてもよい本である。

 この本の「夫婦仲の悪いカップルはココに注意!」という一節に、次の事例が紹介されている。


 次に、「仕事重視型」ー「人間関係重視型」を考えてみましょう。どこのお宅でも、よくこんな場面が展開しているのではないでしょうか。

夫:「ただいま」
妻:「お帰りなさい。あなた、玄関先の電球切れているから換えてってお願いしたのに、  いつになったら換えてくれるの!」
夫:「帰ってきたそうそうなんだよ」
妻:「あなたが、なかなかやってくれないからよ」
夫:「わかった。今やるよ。」(電球を取り換える)
妻:「あなたは、いつも疲れた~って言って、やってくれないんだから…」
夫:「今、やったろう」
妻:「そういうことじゃないのよ」
夫:「じゃ何なんだよ。はっきり言えよ」
妻:「もう良いわよ」

 この奥さんは、なぜ、ご主人が帰るそうそう玄関の電球を交換してほしい、といったのでしょうか。本当に、奥さんは、自分一人では、電球を交換することができなかったのでしょうか。奥さんが、ご主人にしてほしかったことは、本当は何だったのでしょうか。
 「仕事重視型」のご主人は、電球を交換したことでやるべきことは完了しました。しかし、「人間関係重視型」の奥さんは、ご主人との「触れ合い=会話」が少ないので完了していないのです。もしかしたら、奥さんは、ご主人に「愛情」の確認をしたかったのかもしれません。あるいは、ちょっとした愚痴や世間話を聞いてほしかったのかもしれません
。(同書130ページから131ページまで引用)

 


 引用が長くなってしまったが、このような夫婦間のズレは結構あるのではないだろうか。

 今では、仕事と家庭の両立型でやり通しているが、仕事重視型の人である私は、似たような場面が少なからずあった。

 妻「これどうしたらいいの?」

 と、私にしばしば聞いてくるのに、少々閉口していた時期があったのである。
 私(この忙しいのに一体何だい。そんな小事は自分で判断すればいいだろう。)こんな思いを胸に抱きながら、

 私「何んだって。」(嫌そうに)

 と受けるものだから、妻も嫌だったに違いない。

 そんな折り、幸いなことに、妻は問題を解決してほしいというより、会話すること自体が目的であること、つまり会話を楽しみラポールを築く(絆を深める)ことに目的があることに気付いた。もう何年も前のことである。

 そして、そのラポールを求める会話は、会話自体が意味があるんだと考え直し、それ以来、些細なことでも嫌々ではなく、きちんと受け止め、会話するようにしてきた。

 これを長岡さん流ーNLP流ーに言えば、「一人ひとりの思考パターン『メタプログラム』の違いを知ることによって、恋人や夫婦、職場などでのミス・コミュニケーションを防ぐことができる」(同書131ページ)ということになる。

 かつて私がそうであったように、仕事重視型の人も、会話には問題を解決するためというような実務的な側面の他に、絆を深めるという会話自体を楽しむという重要な側面があるということに気付けば、案外さっと変われるのではないだろうか。

 これは夫婦間に限らず親子間でも同じである。

 家族の間のラポールを求める会話を大切にして、家族の絆を深めていきたいと思っている。

※ サイドバー「心にしみた言葉」を更新しました。

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◆キーワード:1 ラポールを求める会話   2 夫婦・親子の会話  3 仕事重視型と人間関係重視型

◆留意点・その他:
・実は、著者の長岡さんとは、NLPを同じ時期、同じところで学んできた仲間である。誠実な人柄で、NLP・コーチングなどのスキルをきちっと使いこなす実力をもった人である。

 悩みの深い人は、彼に相談に乗ってもらうこともよいと思う。

・同書には、あがり症を克服した事例、ダイエットの成功事例、子供の拒食症克服の事例、職場での人間関係で悩んでいる人が立ち直った事例などたくさんの成功事例と合わせてその実践的なスキルが紹介されている。

 NLPやコーチングの手法を用いているのだが、その有効性は私自身実感している。(長岡さんと同じくNLP研究所マスタープラクティショナーの資格を、わたしも持っている。)一読を薦めたい。


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Shun

自分と家内の関係を思うと、とても納得するものがあります。仕事重視型 と 人間関係重視型 の違いとして理解するとすっきりします。
紹介されている本も読んでみようかと思いました。
by Shun (2006-11-09 00:59) 

ゆうこりん

御主人が戻ってすぐに、「電球代えて」はさすがにひどいですね。
いろんな不満が「電球」に集約されているのでしょうけど。
でもこれって、女性にはよくある心情吐露だと思います。
結局、夫とのコミュニケーション不足が、すれ違いや不満となって現れているわけです。子育て疲れていたり。でも、夫側だって、仕事に日々疲れているわけで。思いやりがないとつらいですよね。

女性はしばしば、「もっと話を聞いて」「もっとこっちを見て」「私の気持ちをわかって」と言う事の変わりに「~してって言ったのに」「~してくれると思ったのに」になってしまうことがありますね。
原因と結果と改善策を考える男性の会話形式と、心情、感情の同調を求める女性の会話形式がそもそも相容れない。
だから、余計にすれちがってしまう。
だったら、どちらかがもしくは両方が相手に合わせるしかないわけです。

私は夫の仕事重視を尊敬していますし、少ない時間なりに家庭のことにもきちんと関心を持ってくれていることに感謝しています。
だから、もう一緒にいる時は、めちゃくちゃ積極的に、ものすごく分かり易く「愛情表現と心情吐露」を繰り返しています。
わかってよ~。わかろうとしてるわよ~。これでもか~。って。
きっとちょっとうっとうしいでしょうね。

妻の側も感情をほかの事に摩り替えて、夫に押し付けるのではなく、一歩譲って関係つくりをしないと、ですね。
これ、男の子にも適用可能でしょうか・・・
by ゆうこりん (2006-11-09 19:30) 

monami-k

むむむ。。。
我が家は主人も私も「仕事重視型」かもしれません!!
「電球くらい、自分で変えちゃおっと。」と、お互い完結してしまうタイプかも。
『実務的な側面の他に、絆を深めるという会話自体を楽しむという重要な側面がある』
なるほど。ちょっと考えさせられる記事でした。
by monami-k (2006-11-10 21:12) 

はっちゃん。

興味をひかれました!本を買って読んでみようと思いました。
夫婦間のみならず、会社での人間関係にも使えそう!
by はっちゃん。 (2006-11-12 03:35) 

泉河潤一

>Shunさんへ
紹介した本、一読の価値があります。
これ以外にも、「プロセス重視型」と「結果重視型」、「視覚優位型」と「聴覚優位型」と「体感覚優位型」といろいろな型があります。自分や相手がどんな型かわかっていると、コミュニケーションがうまくいきます。
 千葉英介『NLP理論』なども、一読の価値があります。
by 泉河潤一 (2006-11-19 08:00) 

泉河潤一

>ゆうこりんさんへ
「夫の仕事重視を尊敬」「少ない時間なりに家庭のことにもきちんと関心を持ってくれていることに感謝」には、夫としては本当にうれしい限りです。

「めちゃくちゃ積極的に、ものすごく分かり易く「愛情表現と心情吐露」を繰り返す」というのも、とってもうれしいのではないでしょうか。私ならそうです。

だた、お互い別な人格であるわけで、相手がどう受け止めたか、よくカリブレーション(見る)する必要があります。相手は喜んでいるか、不満に思っているか……。

夫婦の間でのミスコミュニケーションは、どうしても起こるもの。気付いた側から、配慮していくしかないと思います。

さて、男の子にも、もちろん適用可能です。特別用件がなくても、会話自体を楽しむことが大切だと思います。
 鈴木秀子『子どもをのばす9つの性格』なども、親子関係を見直し、最良の親子関係を築くのに参考になると思います。
by 泉河潤一 (2006-11-19 08:12) 

泉河潤一

>monamiさんへ
やっぱり仕事重視でしたか。

わたしもそうだったから(今もそうかな?)わかるのですが、仕事重視型は、実務・仕事にあげたこと以外は、達成を軽視する傾向があるといいます。(その分、実務・仕事はしっかりやるのですが……。)
また、感情面も「仕事に好き嫌いや感情を持ち込むな」ということで軽視する傾向にあるといいます。

あらかじめ仕事以外の価値あるいは分野についての達成目標を立てておくと、バランスがとれると思います。私はそうしています。

なお、仕事を「勉強」と置き換えることもできます。
by 泉河潤一 (2006-11-19 08:28) 

泉河潤一

>はっちゃんへ
コメント&ナイスありがとうございます。

もちろん、仕事でも親子関係でも使えますよ。
by 泉河潤一 (2006-11-19 08:29) 

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