SSブログ

★初めてカレー(アキコ)とサラダ(クニコ)を作った日 [D2 母と子の料理教室]

2006.8.5 初めてカレー(アキコ)とサラダ(クニコ)を作った日
 20年近く前、ある雑誌でこんな記事を読んだ。
 
 確か高学年の男子の例だったのだが、母親が夏休み中に入院して家事をやらなければならなくなった。5日間ほどがんばり、お母さんがこんなにも家族のために働いていたことが実感としてわかり、ものすごく成長(心が)したという記事であった。

 それを読んで以来、いつか我が子にもやらせてみたいと念願してきた。

 アキコは、小学2年生。夏休み2回目で慣れてきたところで、この夏にチャレンジしてもらうことにした。
 というわけで、夏休みのめあてのところにも、「チャレンジテーマ……料理、洗濯、そうじ」とあげておいた。

 問題はやる気をどう引き出すかである。
 幸い、夏休み前に、いとこの家族と友人の家族から、それぞれコテージでの宿泊とバンガローでの宿泊のお誘いがあった。そこでは、自分たちでというか親と一緒に食事を作らなけらばならない。
 その日に向けての練習ということで、今回チャレンジしてもらうことにした。

 さて、8/1(火)夕方。予定通りカレーを作り始めた。
 私は、5時かっきりに急いで退勤し、途中から参加というか参観した。

私「やっぱり始まってたか。」
妻「始めたばっかりだけどね。」

【皮むき器でジャガイモの皮をむくアキコ】*13

アキコ(皮むき器でジャガイモの皮をむいている。)
私「けっこううまいじゃないか。」

妻「今度は、ジャガイモを切るわよ。まず、半分に切って、それから、こうやって切っていくのよ。……じゃあ、やってみて。」
アキコ(やってみながら)「こう?」
妻「アキコのは、少し斜めに切っている。まっすぐに包丁を下におろすの。」
アキコ(やってみながら)「こう?」
妻「まあ、そんな感じね。いい感じよ。」

 以下、タマネギ、肉、トマト、きゅうりなどいろいろな野菜を切ったり、炒めたり、あくを取ったりしたのだが、基本のステップは全く同じである。

1.指導者である親が、言葉でも簡潔に説明(指でこんなふうにジャガイモを押さえてなど)を加えながら、実際にやってみせる。いわゆるお手本を示すということである。
 子どもは、「ああすればいいのだな。」とイメージすることになる。

2.子どもに実際にやらせてみる。子どもはまさに見よう見まねでやるのだが、おおかたの場合、ある程度はできるが、やって見せたとおり説明したとおりにはできない。

3.親が子どものやったことについて、フィードバック(評価)してあげる。斜めに切っているから、「まっすぐ包丁をおろして」というようにである。
 子どもは見よう見まねで初めてやっているので、うまくできないのは当たり前。そして、子どもはできたつもりになっていても、親から見ればできていないのが見える。これも当たり前である。
 問題は、それをどう子どもにフィードバックするかである。
できたところをうまくほめながら、不十分な点を指摘して、もう一度やらせるということである。
 全部できないなら、そもそも料理をさせること自体が早すぎていたわけで、通常比較的うまくできたところもまたあるはずである。そこをうまくほめながらということである。

4.子どもは、不十分だと指摘されたところに気をつけながら、もう一度挑戦する。
 そして、親はその再チャレンジの様子を、さらにフィードバック(評価)してあげる。
 ここでは、子どもが指摘されたところがよくなっていて、ほめ言葉(いい感じよ。)をフィードバックできるのが理想である。
 実際は、一度の指摘で完全によくなることはほとんどない。練習がいるのである。

 そのあたりのことも、わきまえながら、「今回ではこのあたりまでできればよしとしよう。」というように、無理のないめあてをきめるとよい。
 ほめながら気持ちよく子どもがするには、ここがポイントとなる。親の要求水準が子どもの能力に比して高すぎるとどうしても改善点の指摘(平たく言えば叱ること)が多くなる。子どもがある程度がんばればできる程度の、適度な要求水準を設定しておくべきである。
 そして、子どもがあまり無理なくできるところをやらせて、ほめながらやるとよいと思う。


 以下、タマネギを切る……と進んだ。タマネギを切るところでは、二人とも涙を流していた。

 野菜・肉を切る→炒める→水を入れて煮る・あく取りをする→カレールーを入れる→ご飯にカレーを盛る……と続くのだが、以下ビジュアル(*印は写真をアップ予定です)に紹介する。

【野菜を炒めるアキコ】*14

 

【あく取りをするアキコ】*19

 

【カレールーを入れるアキコ】*27

 

【ご飯を盛るアキコ】*29

 

【カレーを盛るアキコ】*31

 

 さて、4歳のクニコである。お姉ちゃんがやるのだから、当然「クニコもやる!」となる。
 クニコは、今回は野菜サラダ作りにチャレンジしてもらった。けっこう器用で驚いた。
  クニコは4歳で小さい分、親の手のかけようも違ってくる。やってみせるというより、はじめは一緒にやるという感じである。
 また、トマトの皮むきなど、難しいところは親がやってあげるとい配慮も、必要になってくる。

【クニコとキュウリを切る】*15

 

【キュウリを一人で切るクニコ】*17

【切ったキュウリと塩を混ぜるクニコ】*20

【一人でレタスをちぎるクニコ】*21

 

【トマトの皮をむく妻】*22

【トマトを一人で切るクニコ】*23

【ちょっと危ないみたいだなと、手を添える妻】*24

 

【ようやく完成】*32

 二人ともせっせと、できあがったカレーと野菜サラダを運んでいた。

妻「できたわね~。アキコもクニコもがんばったわね。」
私「すごいな、二人とも。とってもおいしそうだな。」

 アキコもクニコも、自分たちで作ったカレーと野菜サラダを見ながら、満足そうに笑って聞いていた。

 クニコのあいさつで、「いただきます。」

 みんな「おいしい。おいしい。」と言いながら食べていた。アキコはカレーをおかわりし、クニコは野菜サラダをきれいに平らげた。

 こうして振り返ってみると、当初のねらいを超えて、一緒にカレーと野菜サラダ作りをすることで、親子の絆を深めることとなった。
 
 いつも食べる人であったアキコとクニコが作る人になり、お母さんに教えてもらいながら、カレーと野菜サラダを作る。

 妻「私一人で作る場合の、倍時間がかかるわね~。疲れるわね~。」

 と途中で言っていたが、自分より上手にできるお母さん、教えてくれるお母さんがまぶしく見えたに違いない。そして、お母さんに教えてもらってできたという経験から、お母さんへの信頼感が高まったに違いない。また、結果としてお母さんの料理を作る大変さも、感じたことだろう。

 さらに、「自分で作れた! おいしかった!」という成功体験から、きっと自信が生まれてくることだろう。

 親子の絆の深まり・信頼感・成功経験と自信……これらは、カレーや野菜サラダを作る能力を獲得する以上に、価値あることではないかと思う。


nice!(5)  コメント(6)  トラックバック(2) 

nice! 5

コメント 6

mack

アキコさん、カレーライスを上手に作られましたね。クニコさんのサラダも。(写真が楽しみです。)
我が家でも、昨年の11月に上の娘が母親に教えて貰いながらカレーライス作りに挑戦しました。横で見ていた私は、包丁を扱う娘の姿を見つつ、「あっ」と「おっ」とか言っていたようで、外野がうるさかったようです。それなりにやってのける娘の姿を見て、普段から親の事を見ているのだなと感じた日でした。ファーザーさんのコメントの通り、「上手にできた!」という成功体験から自信が生まれるのだと思います。アキコさんとクニコさんにniceです。
by mack (2006-08-10 12:47) 

miyu

おお~今日はたくさんの写真が!!
お料理いいですよね。
子どもが楽しみながら、実用性、親への感謝などいろいろ勉強できますものね。お子さんも嬉しかったでしょうね。
by miyu (2006-08-10 16:51) 

泉河潤一

>mackさんへ
コメント&nice!ありがとうございます。
今回のカレー作りを仕掛けたのは私ですが、実際の指導となると、妻ですね。

娘たちの、嬉々として料理をする姿は、父親としてまぶしいというか、感慨深いものがありました。いつの間にかここまで成長したか……というように。
by 泉河潤一 (2006-08-13 18:16) 

泉河潤一

>miyuさんへ
1日のものとしては、過去最大の写真数ですね。
やっぱり料理はビジュアルじゃないと……。

料理を教えることは、母親にとって、娘から尊敬を勝ち取れる、すばらしいフィールドだと思います。
by 泉河潤一 (2006-08-13 18:19) 

monami-k

 いよいよ、カレー作りチャレンジなさったのですね。
カレーもサラダもとても美味しそう♪
アキコちゃん、クニコちゃん、そしてお母様も頑張りましたね!

「美味しいよ、ありがとう」のひと言は、
自信とチャレンジの気持ちを生み、
ますます家族のために役立つことをしたくなる魔法の言葉。

私も主人にそのように育てられました(?!)
by monami-k (2006-08-13 22:14) 

泉河潤一

>monamiさんへ
コメントありがとうございます。

カレー、サラダとてもおいしかったです。
「美味しいよ、ありがとう」のひと言は、これからもどしどし使っていこうと思います。
by 泉河潤一 (2006-08-23 14:34) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 2