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傷つけられた誕生日のプレゼント [J1 親子の会話・信頼関係]

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2006.8.3 傷つけられた誕生日のプレゼント
 もうすぐ長女アキコ(小2)の8歳の誕生日だ。誕生日プレゼントのメインは、アキコの希望で一輪車である。

 一輪車は、現在すごい人気で品切れ状態であった。なんでも、一輪車は平衡感覚を育てるのによいというようなことが、NHKで放映されて以来なかなか入荷しない状況が続いていると、地元の業者さんは言っていた。8月10日に入荷予定という。

 この間の土曜日に、それではということで、一輪車の予約をしておいた。

 そして、この7月31日の月曜日、思いがけず業者から電話が来て、一輪車が入荷したという。

アキコ「やった! すぐに取りに行く!」

 というわけで、妻と一緒に夕方出かけていった。

 戻ってくるなり、アキコの喜びようはすごかった。一輪車を手にしたアキコは、満面に笑みをたたえていた。

アキコ「ねえ、ここで少し乗ってもいい?」
実母「いいよ。」

 こう言ってから、実母に手で支えてもらいながら、家の中で一輪車に乗る練習を何回も何回もしていた。

私「おい、家具とかにぶつからないように、気をつけなよ。」

アキコ「お父さん、あーちゃんに支えてもらって少し乗れるようになったよ!」

 繰り返し乗り、転んでも一輪車を傷つけないようにしているアキコであった。


 さて、翌8月1日夕食後のこと。

私「アキコ、小2のプール水死事件のニュースでグッド&ニューがよくできなかったから、もう一度教えて。今日、どんなことがあったの。確か○ちゃん、△ちゃん、□ちゃんが遊びに来て楽しかったとか言っていたけれど……。」

 疲れていたので絨毯の上に横になりながら聞いたら、少ししてアキコが私の上に乗ってきた。ちょうど私を布団にして、うつぶせになるようにして。

アキコ「(しばらくそうしていて)……あのね……一輪車を傷つけられたの。」
私「一輪車って、買ったばかりのか。どうして。」

アキコ「Nちゃんがね、アキコいやだって言うのにね、どうしても貸してっていうからね、貸したらね、傷つけたんだ……。」

私「そんなにひどい傷なの。」

アキコ「31日に(一輪車を)取りに行かなければよかった!」(そうしていれば、一輪車はまだ家になく、傷つけられることもなかった。)

私「アキコ、そうじゃない。アキコが貸してというのを、断ればよかったんだよ。」

アキコ「アキコ、いやだって言ったよ!」(しくしく泣き出す。)

 よほど一輪車を傷つけられたことがいやだったらしい。これは真剣に対応しなければと思い、カウンセラーモードに入ることにした。

私「アキコがいやだって言うのに、無理して貸してあげたのに、傷つけられていやだったんだね。」

アキコ(うなずきながら、よりしっかり私にしがみつく。)「アキコね、傷つかないように大切に乗ってたのにね。すごい傷つけられたの。」

私「大事なプレゼントで、大切に使っていたのに、傷つけられて本当にいやだったんだね。」

 夕食の片付けをしながら、ちらちらやり取りを見ていた(聞いていた)妻は、
妻「サドルのところにすごい傷なんだわ。アキコが何度も乗って、ある程度傷ついてからならよかったんだけどね~。」

 アキコは、私の上にしがみついて泣いている。しばらく一緒にそうしていた。

私「そうか、買ってもらったばかりでまだ新しいのに、すぐに傷つけられていやだったんだよね。」

アキコ(しっかりしがみついている。泣いている。)

 しばしそのままにしていた。そして……。
私「ちゃんと、断ればよかったね。」
アキコ「アキコいやだって言うのに、Nちゃんが何度も貸して貸してって言うから……。」

私「……お父さんはね、断るとき一番大切なことは、迫力だと思うよ。 強く、本気でいやだと断るんだよ。 アキコだって、お父さんが強く本気で叱ると言うこときくだろう。」

アキコ「うん。」

私「本当にいやなときは、本気で強く断らなきゃだめなんだ。あと、理由だな。誕生日のプレゼントで大切なものだから貸してあげられないと言えばいい。」

アキコ「アキコ、いやだって言ったよ。でも、Nちゃんが貸して貸してって何度も言うから……。」

妻「アキコは、『あとで』、『あとで』って、何度も言ってたんだわ。Nちゃんは、だからあとで貸してもらえると思って、何度も貸してって言ったんだよ。 アキコの『あとで』の意味は、いやだ貸したくないという意味なんだから、お母さんからもはっきり断ってあげればよかったわね。」

アキコ「Nちゃんがあんまり貸して貸してって言うからね、アキコがね『傷つけないように、大事に使ってね。』と言って貸してあげたらね、Nちゃんね『使えば傷つくのは当たり前だ!』と言って使い始めたんだよ。」

妻「車庫で一輪車に乗ったんだけど、転んで傷つけて本人もすりむいていたよ。」
 「確かに使って転びながらうまくなるんだけどね……。アキコが何度も使って傷ついた後ならよかったんだけどね~。」

私「大事に使ってほしかったのに、傷つけられて本当にいやだったんだね。」

アキコ(しっかりしがみついている。泣いている。)

 気持ちがわかってもらって、すっきりしたアキコは、ようやく笑顔で顔を上げた。

私「アキコ、お父さんの服で涙をぬぐうのはいいけど、鼻水つけるなよ。」
アキコ「鼻水もつけたよ。」

 落ち着いてところで、車庫に置いてあった一輪車を見てみた。確かにすごい傷だ。何度もコンクリートのところで転んだのだろう。特にサドルの部分は、すれてすごい傷になっていた。

私「すごい傷だな。たった1日で1ヶ月使ったみたいな感じだな。」
アキコ「……。」

妻「よ~し、アキコ。使えるだけ使って、どんどん練習してうまくなりなさい。ぼろぼろになるぐらい使って練習したら、お母さんが新しいのを買ってあげる!」
私「そんな約束していいの?」(約束した以上守らないといけないよ。守れるの。)
妻「大丈夫、4980円だから。お母さんのおこずかいで買ってあげる。」
アキコ「わ~!」(満面の笑顔)
私(なんか、父親と母親の役割が逆転しているような気がするな~。)

 というわけで、本当に一件落着で、入浴となった。

 アキコは、「一輪車は車庫に隠していたのに、何でNちゃんはそこにあるってわかったんだ!」とも言っていた。

 今回の学びであるが、やっぱり1日に出来事について振り返り聞きあう場ー我が家ではグッド&ニューといっているーは、大切だとつくづく思う。

 その中で、子どもの言うことに耳を傾け、癒していく。(ストレス社会で生きているのは親ばかりでない)そして、大人として教えることは教えていく。(この場合で言えば、断り方)その中で、我が子の親への信頼感が高まり(気持ちを受け止めてもらえた。きちんと対応してもらえた……。)、親子の絆も深まっていくのだと思う。

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コメント 8

ともれいっち

NHKの天才テレビ君でも一輪車部があるぐらい小学生に一輪車は
人気なんですね。でも一輪車は乗りこなせるまでにいっぱい傷を作って
しまうものって、新品でしかも誕生日プレゼントだしまだまだ貸せませんよね・・・難しいですね。シッカリ断る勇気も必要ですね、勉強になしました。
by ともれいっち (2006-08-03 14:36) 

「子どもの言うことに耳を傾け、癒していく」
このことは、今の私にとても欠けていることだ~と強く反省しているところです。
私自身も小学生のとき、友達に言いたいことが伝えられず、イライラを感じて
いる時期があり・・・そのすっかり忘れていた感覚を思い出しました。
まず受け止めること・・・あらためて反省です。ありがとうございます!
by (2006-08-04 08:20) 

miyu

この時間が大切なんですよね。
でも、働いていようと、専業主婦であろうと
ついつい子どもの気持ちを後回しにしがち。
結局親の心がまえなんでしょうね。
反省反省です。
by miyu (2006-08-04 23:06) 

Shun

せっかくの誕生日プレゼントが傷つけられたのは残念ではありますが、その後の対応はとても参考になりました。
ファーザーさんに泣きながら話して、ちゃんと聞いて(受け止めて)もらったことで本人としてはだいぶ気持ちがすっきりしたのではなかと思います。それに、奥さんの言葉(「使えるだけ使って、どんどん練習してうまくなりなさい。ぼろぼろになるぐらい使って練習したら、お母さんが新しいのを買ってあげる!」)は気持ちを切り替えさせるのに nice! だと思います。
これからの長い人生、いろいろなことが起こるでしょうけど、小さい時からのこういったことの積み重ねで親子の信頼関係は深まっていくのでしょうね。
by Shun (2006-08-06 11:38) 

泉河潤一

>ともれいっち さんへ
しっかり断る。これが大人でも難しいですね。アサーショントレーニングやソーシャルスキルトレーニングといいますが、私の専門分野でもあります。

定石通りにいえば、はっきり断る、理由を告げる以外に、代替案を出すというのがあります。たとえば、「誘ってくれてありがとう。今日は塾があるから一緒に遊べないけど、明日なら遊べるよ。」というものです。

ですが、一番大事なことは「迫力」だと思っています。まずは一番大事なことから教えたということですね。
by 泉河潤一 (2006-08-13 17:48) 

泉河潤一

>とどようこさんへ
まずは受け止めることが大切なのですが、なかなかできないことでもあるんです。親業では、「能動的に聞く」と表現するのですが、ある程度専門的な訓練が必要なことでもあります。

私は、親業で学びました。
by 泉河潤一 (2006-08-13 17:50) 

泉河潤一

> miyu さんへ
そうなんです。だから、グッド&ニューなどで、子どもの気持ちを聞く場をシステムとして確保しておくことは、とても大事なことだと思っています。
by 泉河潤一 (2006-08-13 17:53) 

泉河潤一

>Shun さんへ
参考になってなによりです。

子どもにとって、家庭が癒しの場になるために、親の対応は本当に大切です。

子どもの気持ちを受け止めるだけの、目と心のゆとりを持ちたいものですね。

そして、信頼関係を深めておけば、いざというときも、子どもは頼りして打ち明けてくれると思うのですね。
逆に、「お父さんに言っても……。」となったら、きっと打ち明けてくれないですよね。本当に普段からの積み重ねが大切だと思います。
by 泉河潤一 (2006-08-13 17:59) 

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