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★なぜ勉強するのか 第130号 [D5 親の語り]

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2005.12.12 なぜ勉強するのか 第130号

 12月10日(土)朝、いつものように家族で朝食をとりながら、1日のプランを確認し合った。
 今夜は、ボーナスが入ったところで、家族5人(私と妻、娘二人、実母)で外食をすることになっていた。

私「どうせなら日頃お世話になっている、義母・義兄を誘はないか。その方が楽しくなるよ。」
妻「そうね。でも、急に誘っても大丈夫かしら。」と言いながらも、さっそく電話する。
子どもたち「わ~い、おばあちゃんたちもいっしょだ。」

 当日の朝でのお誘いにもかかわらず、義母・義兄からは気持ちよくオーケーをもらえた。うれしいことに、義母・義兄を招待しての外食となった。

 さて、それぞれが好きな料理を注文し、おいしく食べ終わった。そして、デザートやコーヒーを注文した頃のことである。義兄は高校教員で進路指導をやっている関係で、就職のことが話題になった。


実母「学校の事務員なんか、給料もいいからいいでしょう。安定しているし。」
妻「でも、友達がそうだったんだけど、父兄とトラブって大変だったよ。」
義兄「事務の人が父兄とトラブるかな。教員が保護者とトラブるのは、よくあるけど~。」
  「高校の司書なんか楽そうだ。いつも暇そうにしているよ。」
一同:なんとなく、「それはいい。」という雰囲気。

 私の耳には、「給料がよくて、安定していて、楽な仕事がよい仕事だ。」という価値観が聞こえている。

私「いや~やりがいが大切じゃないかな。僕は、少々大変でも、本人がやりがいをもってやれる仕事がいいと思うな。その方がお金も入ってくると思うし。たとえば、本人の特技を生かした職人とか……。」(以下略)

 この後、当市で成功した職人の話を義母や実母がしてくれたのだが、割愛する。


 ところで、今ブログを書きながらこの時の会話を思い起こしてみて、世間一般の中では「収入がよくて、安定していて、楽な(きつくない)仕事」がもてはやされているのかもしれないなと思った。

 私も、収入や安定は確かに大切だ思う。そして、我が子には、本人のやりがいや夢の実現をこそ大切にしてほしいと思う。楽か大変かではなく、本人が本当にやりたいと思うこと(ミッションの可能性大)を仕事に選んで欲しいと思う。そしてその仕事は、多くの人の役に立つものがよいと思っている。
 大変だけどやりがいのある楽しい仕事があり、楽だけど退屈でつまらない仕事がある。楽(ラク)=幸せではないはずだ。

 もっと言えば、将来、楽をするために、今はがんばって勉強する。日本人みんながそんな生き方をめざしたら日本はどうなる!? そんな動機だけでがんばって勉強してきた人たちが、エリートとして日本をリードしたら、きっと日本自体がつぶれてしまうだろう。

 親が知らず知らずに発している、なにげない会話の影響は大きい。そんなわけで、聞き流すわけにはいかず、先の発言となった。
 
 我が子には、人の役に立つことで、本人が本当にやりたいもの、得意というか好きなことをやってほしいと思う。その方が成功し幸せになれると思うから。

 高校の司書なら、仕事が楽だからではなく、本が大好きでどうやってこの読書の楽しさを生徒たちに伝えることができるだろうと、仕事に対して真摯にかつ生きがい感を持って(楽しみながら)やれる人がいい。

 「今、がまんしてがんばれば将来楽ができるよ、だから今は大変でも勉強しよう!」ではなく、勉強は楽しいよ。知らないことが分かってできなかったことができるようになって、自分の可能性が広がっていくよ。勉強することで、いろいろな力が身に付いて、自分に自信が持てるよ。
 世の中は、みんなお互いの力を出し合って助け合っているんだ。アキコも将来、みんなの役に立つ仕事をするんだよ。
 アキコが、自分が本当にやりたいことが見つかるように、好きで得意なことが見つかり、それがさらに磨かれるように、一生懸命勉強しようね。
 そして、やりたいこと・好きで得意なことを仕事にすればいいんだよ。自分の好きなこと・得意なことで周りの人を幸せにしていく。そうすれば、自分自身がきっと幸せになれるよ……。

 我が子には、こんな話をしたいなと思う。(まど・みちおの詩「朝がくると」などを紹介しながら、父と子塾でいずれ話をしたいと思う。)

 世界中で活躍しているユダヤ人。ラビ(ユダヤ人地域社会の指導者)であるマーヴィン・トケイヤー氏によれば、ユダヤ人の両親は、子供が幼い時から「あなたは、世界で一人しかいない貴重な存在である」といって子供を尊び、「どんなことでも、少しでもよいから、あなたの力で自分なりに世界をよくしなさい」と教えるのだそうだ。

 3歳の誕生日には、父親は子供にハチミツなどのおいしいものを与えて、次のように教えるのだそうだ。

「お前は今日から、学問をする。学問は、このハチミツのように甘くていいものだ。お前は学問をすることによって、後に大きな才能で、世の中の役に立つことができるようになる。学問は、世の中を変える力を持つものだ。そのような学問を学ぶことによって、お前が世の中をよくしていくのだ」


 勉強する上での動機付けの質・志の質(高低)ー平たく言えば学ぶ目的ーのなんたるかは、勉強意欲の高低に大きく影響すると思う。意欲の高低ばかりでなく、勉強内容や人格の質、器の大きさまでも左右する気がする。
 
 子供に先のような話をしているユダヤ人。ユダヤ民族から優秀な人材が輩出するわけである。
 将来ある子供たちには、私もユダヤ人の両親のようでありたい。
 そして私自身も、自分の得意分野を生かして、世の中に貢献し、少しでも世の中をよくし、自己成長する人でありたい。

【関連記事】あったかい家族日記「勉強ができるだけでよいのか! ~一点豪華主義を退ける~」 「親の役割~子どものペット化をやめよう!~」

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※ 七田眞氏は、学ぶ目的について「父親の七つの行動」(海竜社)の中で、次のように書いている。

 私は、学ぶ目的は、次の三つであると考えています。
① 学ぶのが楽しいから学ぶ。
② 人生で成功するために学ぶ。
③ 大きくなって世の中に貢献するために学ぶ。(以上引用)

 さらに、同書の中で、次のように書いている。

 学問には、世の中を変えていく力がある。人間を変え、成長させることもできる。学問によって、自分がやりたいこと、好きなことをまっとうし、ひいては人生に成功することができる。学ぶことによって、大人になったときに、自分が世の中を変革していくことができ、世の中に貢献できるのだ、そんな学問の意味を、小さな頃から、子どもに教えてあげてください。
 そうすれば、志や夢のある子が育ちます。ひとたび、目標や真のやる気を持った子どもの力は、素晴らしいものです。志がまた、人間を育てていくのです。(以上引用)

 「志がまた、人間を育てていく」とは、さすがに七田氏! 明快だ!

*確か江戸時代の伊藤仁斎氏だったと思うのですが、「学を成すに三要有り。志なり。勤なり。好なり。」と書いています。志というのは、昔から大切だと言われているんですね。(2006.2.11加筆)


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NO NAME

今まさにそんな人が日本をささえているから、おかしな世の中なんだと思う。
by NO NAME (2005-12-15 12:43) 

私も私の夫も、優秀なユダヤ民族を尊敬しています。
最近の日本は、「個人主義」がひどく目立ちます。
昔のように、社会をよくしよう、国をよくしようという志のある
人間が激減し、「とにかく自分だけは勝ち組になりたい」
という思考が蔓延している気がします。このままでは日本は
どんどん良くない国になっていくでしょう。
昨日、私も「大人の役目」について自分のブログに書いた
ところだったので、とても興味深く読ませていただきました。
by (2005-12-15 13:10) 

そうですね。
私はずっとやりがいを持って働いてるつもり・・・です。
夫は福祉の仕事なので、それこそやりがいに支えられてるみたい。
給料はもちろん高くはないけど、やめてほしくはないですね。
そんな姿をこどもに見せてるつもりだけど、どこまで見てるかなぁ~
by (2005-12-15 13:10) 

miyu

うーん、かなり心に響きました。(いつもいいですけどね)
私もユダヤ人の教育は好きです。親の心構えが真剣で、ストレートに子どもに接しているところ。3才の誕生日の話は初めて知りました。
私も子どもに勉強させつつ、時々「してよかったのかな。」と考えることがあります。地域的に、小さい子に勉強させてる人は少ないので。
私ももうちょっと整理して、子どもにもうちゃんとわかるように話してあげたいなと思いました。
by miyu (2005-12-15 21:01) 

ともれいっち

(*^^*) フフ
うちも旦那さんは汚い仕事だけど、現場代理人の仕事が楽しいみたいだし
ともれいも、実はお金の計算が大好きなので事務の仕事
(前はLAN引いてました)に社内で変えていただきました。
やはり、向いている仕事や、好きな仕事、好きな所を子供にも・・・
と思っています。
by ともれいっち (2005-12-16 11:43) 

みずたま

夫には憧れの職業がありました。
でも、ある意味不安定で実家からも遠く離れてしまうその職業を
親孝行のためにあきらめました。
傍目には、ばりばりと仕事をこなしているように見えますが
内心と身体のストレスはかなりのものです。
そしてその根底には、きっとなりたかった職業のことがあると思うのです。
 子供には成りたい職業に就いて欲しい。
また自分自身もしっかり努力をして欲しい。
その為のサポート、親として支えてあげたいと思います。
by みずたま (2005-12-17 01:17) 

泉河潤一

>NO NAME さんへ
 リーダーの質はある意味その集団の質を規定しますよね。リーダーとしての責任感はしっかりと持っていてほしいですね。

> のんのんさんへ
最近の調査では、ユダヤ人は全世界で約1300万人。世界人口比1%に満たないユダヤ人が、1901年以来、ノーベル賞の20%を占めるというのですから、いかに優秀か分かります。
「社会をよくしよう、国をよくしようという志のある人間」、小さなことでかまわないので、自分の幸せばかりでなく、所属する社会全体の幸せを考える、そんな方向で生きる子どもに育てていきたいですね。 まず足下の自分の子どもからですね。
 さきのマーヴィン・トケイヤー氏は、「子供は家庭で最も長い時間を過ごすのだから、子供の人づくりは、ひとえに家庭にかかっている。教育は家庭と学校との共同作業であるといわれるが、家庭こそ本校であって、学校は家庭の分校でしかない」と言い切っています。
 子どもは、意識するしないにかかわらず、よいことも悪いことも、大人をお手本として成長していくので、私も親の責任が大きいと思っています。

>miyuさんへ
 さきのマーヴィン・トケイヤー氏は、「ユダヤ人は国土や軍隊をもっていたわけではない。もちろん、天然資源に恵まれていたのでもない。ユダヤの力は、つねにひとつのことー教育から発してきたのである。言い換えれば、学ぶことによって頭脳を磨いてきたことが、ユダヤ人に成功という扉を開けさせる鍵となってきたのである。 そして、ユダヤ商人を勝者にしてきたのも、もとをたずねれば、「知力」である。 なぜなら、ビジネスは、金や物のやりとりだけではない。結局のところ、「知力」が競い合う場であるからだ。古代から、世界のどこにおいても、所得水準は知的水準に比例してきた。」と書いています。
 ユダヤ人にとって、知力というのは、いわゆる学歴と言った肩書きのようなものではなくて、実際的な生きる力であり、成功する鍵なのですね。
 さらに、すごいと思うことが、個人的な成功ばかりでなく、世界を自分の力で進歩させなければならないと考えているところです。
 私もユダヤ人の学んで、学ぶことの価値や、何のために勉強するのかというのを折にふれて話していこうと思っています。また、家庭に学ぶ雰囲気を創り出すことも大切だと思います。
 小さいうちは、なかなか具体的にはならないでしょうが、学ぶことの価値、仕事を通じて世の中に貢献すること、自分の好きなこと・得意なことを生かすことなど、基本的な方向は、話すことができると思うのです。

> ともれいっちさんへ
 好きとか得意ということに関連して、適性ということが職業選択ではとても大切なようです。仕事内容と働く人の適性がピッタリ合うと、長続きするし、生きがい感をもてるようです。(これをマッチング理論といいます。進路指導は基本的にこの理論です。)
 適性というのが、なかなか自分では分からないことも多いようで、職業理解、自己理解というのが、実際上は大切なのです。
 ともれいっちさんは、計算が大好きで事務の仕事に変えてもらうとは、自己理解がすすんでいて、行動的ですね!

>ちゅんくるさんへ
 親孝行のために憧れの職業をあきらめたというのも、一つの価値ある生き方だと思います。
 ある意味、職業選択は結婚と同じで、憧れの女性と結婚できなくとも、今結婚した女性との関係を大切にしていくのではないかと思います。そのうちに、妻への愛着も高まっていったり、そのよさもわかったりするのではないかと……。
 なりたい職業については、中学生にならないと具体的でないかもしれません。ただ、いざその時になってその時点での学力なり・能力なりで、選択の幅を狭めなくともよいように、基礎的な力(学力ばかりでない)は付けておきたいですね。
by 泉河潤一 (2005-12-18 10:08) 

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